2020年2月15日土曜日

1948「南福島巨石巡り19」2020.2.15

 次の目的地は更に南下して鏡石町にある小栗山高福寺 小栗山観音堂巨岩です。以下の様に紹介されています。

「小栗山高福寺 小栗山観音堂巨岩    鏡石町久来石小栗山46
鏡石町字久来石にあるのだが4号国道から東北自動車道を横切り川を渡らず左に折れ久来石の部落に入ると小高い山裾にある。残念ながら町名の由来になった久来石は地元の方々に伺っても探せなかった。
 仙道第三十番札所 小栗山 高福寺十一面観世音菩薩とある。巨岩はお堂の中にも入り込んで造られている。巨石とするには無理があり参考とする。
樹齢五百年の大欅が天然記念物としてある。」


田んぼ脇の道を山沿いに進みます。小栗山の裾に抱かれるように観音堂巨岩があります。写真では左手にお堂が見えます。道路に駐車して見学しました。残念ながらお堂は廃屋と化しています。現在は廃寺で、鏡石町笠石の宝泉院が管理している様です。境内も手入れが出来ていません。
 参道脇に巨大なケヤキが立っています。この欅は幹まわり5.27メートル、根元周囲が7.60メートル、推定樹齢500年という巨木です。さすが見事です。





 裏山は巨岩が聳え立ちその岩に囲まれるようにお堂があります。行基作と伝えられる十一面観世音が安置されて居ると言いますが、今はどこかに移されている事でしょう。小栗山高福寺 小栗山観音堂 は仙道(せんどう)33番札所の第30番です。この観音堂について以下の様に記されています。
「養老年間に高附左大弁卿の守本尊である十一面観音木仏座像を請して建てられた。のちに保土原領主である保土原江南斎が深く帰依し自宅近くの丘を小栗山と称しこの観音を祀り、守本尊として信仰し「一度足を運んで信仰すれば願望満ち足りて…」と伝えられ、この観音を信仰すると願いが叶う不思議な霊験があると言い伝えられ大変賑わった。」

 しかし以下の記載もあります。
「奈良時代に活躍した行基作の「十一面観世音」というのは、単なる伝承にすぎないかもしれません。日本全国、青森県から宮崎県まで行基が開基したとの伝承がある寺院は約600寺もあるそうです。しかし行基自身が開基とされるのはわずかで、多くは行基の徳をしのんで建てられたものだそうです。
 しかし行基は知識結とも呼ばれる新しい形の僧俗混合の宗教集団を形成して近畿地方を中心に貧民救済・治水・架橋などの社会事業に活動し、時には朝廷からの弾圧も受けました。」

 何故にお堂に巨岩がめり込む形で建てられているのか。恐らくこの地は古くからの巨石
信仰があり、その聖地に後世の方々が仏教の拠点としてのエネルギーにあやかったのでし
ょう。

 お堂の右側には、巨岩が立ち、奥の岸壁の間に不思議な空間が開いています。中を人が優にくぐり抜けられます。胎内くぐりです。






 震災の影響でお堂が朽ちたのか分かりませんが早く撤去して岩と樹木だけの姿に戻してほしいものです。
 今回、福島から参加Oさんは鏡町の隣町の矢吹町に住んでいます。この小栗山観音堂巨石の存在を知りませんでした。ちょくちょく目の前の県道を通っていたと言いますが、灯台下暗しです。