今回はIn Deepさんの2024年12月01日の記事を紹介します。
「解毒ビジネス真っ盛り:今度は「脳に4年経っても蓄積されているスパイクタンパク質への治療法」に焦点があてられ、欺瞞は進む」
解毒ビジネス真っ盛り:今度は「脳に4年経っても蓄積されているスパイクタンパク質への治療法」に焦点があてられ、欺瞞は進む - In Deep
研究そのものは大変に興味深いものですが
11月29日に著名な医学誌 Cell 誌に、ドイツの研究者たちの研究論文が発表されました。
その内容は、
「スパイクタンパク質は、脳内に何年も蓄積されている」
ことを突き止めたというものです。
論文は以下です。
頭蓋骨-髄膜-脳軸におけるスパイクタンパク質の持続がCOVID-19の神経学的後遺症に寄与している可能性がある
Persistence of spike protein at the skull-meninges-brain axis may contribute to the neurological sequelae of COVID-19
その論文の「ハイライト」には以下のように書かれています。
ハイライト
・SARS-CoV-2 スパイクタンパク質は COVID-19 患者の頭蓋骨-髄膜-脳軸に残存している。
・これらのスパイクタンパク質はマウスの脳の病理学的および行動的変化を引き起こすのに十分である。
・スパイクタンパク質はマウスの脳の脆弱性を高め、神経学的損傷を悪化させる。
・mRNA ワクチンはスパイクタンパクの負荷を軽減するが、排除することはできない。
この論文は、研究者たちのお名前を見ますと、昨年の以下のブログ記事でご紹介した昨年のドイツの論文と同じ研究チームのようです。
・ショッキングなドイツの研究論文:スパイクタンパク質は、骨髄から血管から本体まで「脳のあらゆる部位から検出され」それらは一様に脳組織を破壊していた
In Deep 2023年4月12日
この論文から 1年半ほど経過しているわけですが、
「いまだにスパイクタンパク質が脳内に蓄積されている」
ことが示されています。
スパイクタンパク質が脳内で、どのような分布をしているかは、先ほどの 2023年4月の記事で、論文の図に注釈を入れてご紹介しています。
2023年のドイツの論文の「グラフィカルな要約」への注釈
以下のすべてからスパイクタンパク質が検出されていました。
・頭蓋骨の骨髄
・硬膜 (脳と脊髄を覆う髄膜の一番外にある膜)
・くも膜
・くも膜下
・脳の血管
・脳本体
つまり、脳のほぼ全部です。
このドイツの研究は、あくまで「自然感染」を対象としたものですが、その方法は、
「スパイクタンパク質のみを注射する」
というものです。なので、いわゆる普通の自然感染とはやや違い、どことなくワクチン接種的なイメージを抱かせるものです。
論文より
私たちの結果は、頭蓋骨髄、脳髄膜、および脳実質におけるスパイクタンパク質の蓄積を明らかにした。
スパイクタンパク質のみを注射すると、脳の細胞死が引き起こされ、脳組織への直接的な影響が強調された。さらに、COVID-19 感染後、死亡者の頭蓋骨にスパイクタンパク質が存在することを観察した。
biorxiv.org
さらに、この昨年の論文では、以下のようなことがわかったと記されていました。
ドイツの論文より
・免疫細胞で少なくとも15ヵ月間スパイクタンパク質が持続している
・スパイクタンパク質は、血液脳関門を通過して脳実質に入る
・スパイクタンパク質は血液脳関門を「損傷」させている
・スパイクタンパク質は、長骨、脛骨、大腿骨など、あらゆる骨の骨髄に蓄積していた
・マウスでは、心臓、肺、肝臓、腎臓、腸、胸腺、脾臓、膵臓を含むほとんどすべての部位でスパイクタンパク質が検出された
・スパイクタンパク質は、「脳のタンパク質の根本的な変化 (プロテオミクス変化)」を起こす
・スパイクタンパク質は、「脳皮質のニューロンの損傷」を引き起こす
ここに、「 15ヵ月間スパイクタンパク質が持続している」とありますが、今回の研究では、この持続期間が「大幅にアップ」したわけです。
「 4年」などという数字も見られますが、もう、ここまで持続するなら、スパイクタンパク質は、ある程度「永久的に体内で、あるいは脳内で蓄積、持続する」と考えても構わない感じがします。
なお、この 11月29日の論文を取り上げていた科学メディアの記事の冒頭は、以下のようなものでした。
スパイクタンパク質が脳内に留まり、長期COVIDの原因に
新たな研究により、SARS-CoV-2 のスパイクタンパク質は感染後何年も脳保護組織と頭蓋骨骨髄に残り、長期 COVID の神経症状を引き起こす可能性があることが明らかになった。
研究者たちは高度な画像診断法を用いて、これらの領域でスパイクタンパク質のレベルが上昇し、慢性的な脳の炎症と神経変性疾患のリスク増加につながることを発見した。
mRNA COVID-19ワクチンはスパイクタンパク質の蓄積を 50%削減することが示されたが、残留したスパイクタンパク質は依然としてリスクをもたらす可能性がある。
この研究結果は、脳の健康への長期的な影響に対処するための新しい治療法と早期診断ツールの必要性を浮き彫りにしている。
neurosciencenews.com
ここに、
> 新しい治療法と早期診断ツールの必要性を…
とあります。
これを読みまして、「またかよ」と呟かざるを得ませんでした。
早期診断ツールはともかく、「新しい治療法」なんてものが編み出されるわけがない。
まず、数年間もスパイクタンパク質が「蓄積している」という表現ですけれど、どれだけ強化されたスパイクタンパク質でも、そんなに持続するはずがない( HIV のように免疫細胞で休眠しているとすれば、その可能性もあるでしょうが)。
しかし、どちらかといえば、
「体内に残り続けている mRNA からスパイクタンパク質が生産され続けている」
と考えるほうが妥当なわけです。
新型コロナのRNAが「2年も体内に残留している」ことを突きとめた研究をこちらの記事で取り上げています。
しかし、自然の mRNA の寿命というのは、非常に短いもので、平均の半減期の中央値は「たった 2分間」です。これは 2017年のサイエンスに掲載された論文に書かれています。
じゃあ、なぜ、数年間もスパイクタンパク質が生産され続けているのかというと、まあ、私には決定的なところはわかりませんけれど、
・修飾された mRNA の構造が異常に強い
か、
・逆転写などでヒトのゲノムに統合された
あるいは、
・日常的に(シェディングなどを含めて)追加のスパイクタンパク質を環境から得ている
とか、そんなくらいしか選択肢はないのではないでしょうか。
まあしかし、数年間もスパイクタンパク質が脳内で持続しているということの理由はわからなくても、先ほどの記事にある、
> 新しい治療法と早期診断ツールの必要性を…
と言われますと、
「そんなものどうやって?」
と考えるしかないのが普通です。
でも、きっと、そのうち「解毒法」が医療の世界から発出されていくのかもしれません(それはおそらく効果のない治療法)。
解毒ビジネス
この「解毒ビジネス」が世界的に蔓延しつつあることに気づいたのは、今年に入ってからですが、以下のような記事でふれています。
・「毒をもって毒は制されないのに」:人類は次はワクチン被害を打ち消す画期的な医療技術という詐術に騙されていくのか…
In Deep 2024年6月23日
この記事の中で私は以下のように書いています。
これは、自然感染の後遺症の対象者というよりも、ワクチン後遺症の対象者への話です。
2024年6月23日の In Deep より
はっきりいえば、後遺症や有害事象に対しては、「スパイクタンパク質に対しての解毒だけ」なら何らかの方法が出てくるかもしれないですが(それでも次から次へと永続的に生産されるスパイクタンパク質に、永続的に対抗し続ける方法があるかどうかは不明)、その他のこと、つまり、
・脂質ナノ粒子
・混入 DNA
の害についての解毒法など存在するはずがありません。
それぞれの有害性については、過去記事(脂質ナノ粒子、混入 DNA)にありますが、これらについて時計の針を巻き戻すことはできないと見られます。
東京理科大学の村上康文名誉教授と、分子腫瘍学研究所の荒川央博士の対談には、以下のような部分があります。
■荒川「遺伝子ワクチンは長期的な被害を起こす可能性があります。場合によっては一生の…。ゲノムが入り込んだら取り出す方法はないですから」
■村上「いっぺん入ったら、やはり終わりですよね。あらゆる細胞でゲノム編集をやることなんて絶対できないです」
ゲノムが入り込んだら取り出す方法はないのです。
あるいは、複数回接種者の多くで誘導される IgG4 という「悪い抗体」は、一度誘導されると、少なくとも現在の医学観念では、それが消えることはありません。
無理なんですよ。
少なくとも、ワクチンによる障害を医療で解毒することは。
それでも、次から次へと、
> 新しい治療法と早期診断ツールの必要性を…
というような言葉が出てくる。
これは現在も後遺症で苦しんでいる多くの人たちに、一見すると希望を与えているようにも見えます。
しかし、
「できないものをできると言うことが希望につながるのだろうか」
ということです。
そして、それらの治療法は(効果がなくとも)非常に高価なものとなるはずです。特に遺伝子製剤的なものであるならば、途方もない価格になっていく可能性もあるかもしれません。
この解毒ジャンルがすでにビジネスになってしまっている。
これについては、今年 6月の「医療という欺瞞は今後さらに積み重ねられていく」という記事でも書いています。
医療によって起こされた悲劇が医療によってさらにその悲劇が拡大していく「かもしれない」歴史を今、私たちは見ているわけです。
しかも、それらは一見「希望に満ちた言葉と表現」に綾取られていますので、多くの人たちが、なかなかその欺瞞に気づくことができない。
臨床 34年の経験を持つという米国の方だと思いますが、医師の方は X に以下のような投稿をしていました。11月29日のドイツの論文に対してのものだと思われます。
医師の投稿より
スパイクタンパク質は、mRNA ワクチン接種後ほぼ 4年経ってもまだ生成され続けている。
スパイクを「解毒」しようとするスパイクタンパク質に対するこれらの馬鹿げた治療法は、負担を軽減するのに少しは効果があるが、スパイクの終わりのない生成を止めることはまったくできない。
mRNAワクチンは遺伝子発現を変え、破壊し、スパイクタンパク質の絶え間ない生成を引き起こした。これを引き起こす破壊された情報を削除するまで、何もそれを止めることはできない。
私は、ほとんどすべての医薬品と同じ失敗した原理に基づく解毒プロトコルから何百万ドルもの利益を得ている、はるかに著名な人々と戦ったり議論したりすることには興味はない。
その原理とは、人々に解決や治癒の希望もなく、一生彼らの製品を服用させるように仕向けることだ。
Dr. Tim Goyetche ND
とか言いながらも、この方も「自分には(解毒が)できる」的なことを書いていますので、何とも、誰をどう信じればいいのかわからない時代ですが、ワクチン後遺症は、最大で対象が数千万人から(今後増えていくとした場合)数億人にのぼる可能性がある「ビッグビジネスとなり得るジャンル」です。
これからも減らないでしょう。