仙台座禅断食会は野口法蔵師の指導で平成17年から始めています。2年間7回は法蔵さんの直接指導で開催していましたが、6年前からは私が指導しています。現在、法蔵さんの弟子として全国各地で断食会を開催しているところが22か所あるようです。その主催者の方々に必要な情報、指導内容等の研鑽の意味もあって、5年前から年一度指導者研修会を開催して下さっています。
法蔵さんは昨年末に敷地に六角堂を建立しています。その見学も楽しみに、9月14日からの3日間の研修会に参加して来ました。
内容としては六角堂での法蔵さんの座禅指導を主に、参加者の方々の専門分野の最新の報告、最終日には藤井幸太さんの最新の栄養学研究を踏まえた免疫力を高める生活法の講演をいただきました。とても濃厚な内容で久々に目から鱗の研修会でした。研修期間中は断食は無しで、一日2食の美味しい食事を頂きながらで実り多い楽しい時間でした。
なんといっても建立した六角堂が素晴らしいです。生体エネルギーの勉強をしている仲間で共に法蔵さんの断食の常連のS社長から基礎のコンクリート等に生体エネルギー資材を活用すること、更にやはり生体エネルギー仲間の南木曽の木材会社のS社長からは使用する木材を彼の処の木曽檜を納めることを建設計画が起きた1昨年から聞いていました。
到着してまずは六角堂を皆さんで見学をさせて頂きました。当初は祈祷所に使用するつもりだったようですが現在は座禅堂として使用されています。
中心に大黒柱があり四面に仏様が祀られています。壁面に法蔵さんの奥さまが画かれたチベット仏教の仏画が配置され、座って坐禅が出来る様に座布団が16枚敷かれています。生体エネルギー効果もあって、とても檜の匂いも空気のエネルギーも心地よく、これは集中できて良く座れそうです。しかし1日目は講義が長引いて座禅は翌朝6時半からになりました。
研修会は全国から9名の指導者の方々が参加でした。まず、その中のF先生の「進行癌への生きがい療法とは」という先生がまとめられた月刊通信を資料に始められました。
その内容の見出しは以下です。
1、 生きがいの療法とは癌難民でも最後まで生きがいを持てる治療法
2、 癌になる仕組み、治る仕組みを理解する
3、 癌治療の定見を変更する
4、 免疫生活のすすめ
5、 補完代替医療の提案
ポイントは免疫力を如何に高めるかです。F先生の治療に活用される療法の紹介でが有りましたが西洋医学の中心になる三大療法の手術、抗がん剤、放射線の功罪がまずあります。
それを補う為の補完代替療法として、高加温、マイルド加温、還元電子療法、高濃度VC点滴療法、サブリメント、漢方薬、リンパ球点滴、更に精神に働きかけひいては自律神経のバランス、機能を向上させるセラピーや祈り、修行と感謝、意識への働きかけを総合的にお話下さいました。特に先生がご自分が癌を体験して手術して完治した経験も踏まえてとても興味深いお話をお聞き出来ました。
更に「AGEってしってますか?」と現在、老化促進の原因物質であり、様々な病気の原因でもあると分かってきたAGE(最終糖化産物)の詳しいお話です。
1、 AGEとは?
2、 AGEの関わる病気
3、 AGEの原因
4、 AGEを減らす方
5、 アンチAGE対策
6、 食事は命を頂く事
補足でGI値を説明して下さいましたが、私もAGEに付いてはあまり理解できていませんでしたのでとても参考になりました。仙台に戻って直ぐにあった勉強会で早速皆さんにその内容をお伝えして喜んで学んで頂けました。次回11月15〜17日の仙台座禅断食会( http://genkiup.net/danjiki/danjiki32.pdf )でも皆さんにお伝えしたいと思います。
ポイントとしては癌には、人が良くて真面目で頑張る人がなるようです。食事、運動、身体を温める事が重要で、1日24時間を8時間は自分の為、8時間は他人の為、8時間は身体の為に使うようにバランスを考えて、自己犠牲でなく自分がハッピーになることを心がける、感謝の心で意識を高く生きることが健康生活への秘訣です。
癌は命の本質を目指してなっているものです。原因は悪でなく無理で、癌は生きていて癌が出てくる意味は生き方を変えろという事です。自分の性格を変えるのでなく生活を変えることです。自分の生きている目的を明確にすることです。癌を治すのはある事に気付く為の手段でしかなく、本当にしたいことは何か、私はその為に生れて来たとストンと腹に落ちたら大丈夫の様です。
当然、癌患者を断食でどう受け入れるかはいろいろお話がありました。癌だけでなく免疫力の低下が病気の原因ですから如何に免疫力を高め、自然治癒力を発揮できる免疫生活を送るかを理解して実践することが大事です。
2日目は朝6時半から六角堂で座禅です。呼吸法、姿勢、座り方、音の聞き方、警策、経行(きんひん)、臥禅、五体投地礼等多くの指導を頂きました。正午を遙かに過ぎて朝食と成りました。午後は瞑想と禅の違い、ジャイナ教、悟ということ、ビジョンクエスト等です。
夕食後近くの温泉に行きさっぱりしてから研修開始です。夜は断食に参加する方の病気の種類、内容で如何に受け入れるか対応法です。その方々に如何に意識変化を促し起こすか。漫然と断食をしてもそれは無理で、坐禅が出来るかどうかが鍵です。遺伝子のスイッチを入れて変革が起こり得る断食が一番有効なようです。今日も前日同様に22時迄研修が続きました。
3日目朝も6時半から座禅です。午前は坐って、お経を読み、お経の内容を解説して頂きました。私は些か坐禅は集中できずまだまだ無を目指すには行が必要です。後は今回のメインゲストの藤井幸太さんのお話です。
藤井さんは今年の2月に松本市の法蔵さんの坐禅断食会に参加された方でその後7月とこれまで2回経験しています。
高校から米国に留学して大學も終えて、米国で研究者としてナチュロパシ−(自然療法)の研究室でアレルギー研究に従事してきましたが、10年ほど前にある事がきっかけで帰国しました。
米国カリフォルニア州ロサンゼルス郡マリブでマーカス・ロー医師と共に栄養素による病気の治療に関する研究職に従事し、主にアトピー性皮膚炎の治療をするための栄養素、ビタミン、ミネラル、消化酵素に関して研究をしていました。帰国してからは、全国のべ15000人以上の方に健康の意味、ストレス、アレルギー等の予防に関する講演を実施していて、現在、健康食品販売会社の研究所に勤務して、従業員教育や指導も行っている39歳の若手研究者です。
冒頭、いろいろ研究して栄養素はあまり意味がないことが分かったとお話になりました。そして病気の原因の大半はストレスですと。
ストレスが起きると物質として血中に溜まります。怒りなどで興奮すると顔は赤くなり熱くなりますが、それはある意味で喧嘩の準備を始めていて運動能力を高める為です。更に、怪我に備える指令と言える交感神経優位になっています。その結果ホルモンのコルチゾール分泌が増加します。それは血管の傷を修復し、脂肪燃焼を盛んにしてカロリーを作るためです。ですから本来はストレスで痩せて行きますが、脳がその事を理解すると1,6倍位カロリー摂取の方へ行き、ストレス太りになります。唾液が出ないのででんぷん質を糖質に変えにくくなるので直接甘いものを欲しくなります。
ストレスで色々な病気が引き起こされますが、ストレス改善に転居など出来ないとしたら日常生活でストレスに如何に向き合うかがポイントです。
それは5感を使う事で解消できます。視覚、聴覚、味覚、触覚、嗅覚です。そして呼吸、心の持ち方です。ここでは詳しくお伝えしませんがとても面白く新発見が沢山ありました。
血液の汚れを如何に改善するか。免疫は腸内環境で起きますが、その腸がもっとも危険に冒されています。食事(腸)性毒血症です。この状態になると免疫力を下げることになり、粘膜が沢山出来るので動物性蛋白質の消化不良が起きてきます。日本人は胃酸レベルが低いので、この状態の人が6~7割います。動物性たんぱく質が血中に入ると免疫グロブリンE(IgE)が作られこれが誤作動起こしてヒスタミンを産生して炎症を起こします。ですから動物性たんぱく質を充分に消化する事と、腸内環境を整えることでIgEを減らすことが大事です。
食べ物で血液が汚れますので、安全な食べ物を食べる事が重要です。その為に本当に体に良い食事とは何か、本当に良い野菜等を見抜く知識が必要です。藤井さんは料理の研修も受けていて食材の良しあしを見抜く技術を習得しています。
食は楽しみですので嗜好品を取る事は良いことで、あまりストイックに成らないことです。食事は両刃の剣です。身体に悪い物が入り喉元を過ぎると小腸に粘膜を張り吸収しないようにブロックします。ですから悪い食事が続くと小腸の粘膜がどんどん出来てきて3~4kも粘膜が溜まります。粘膜は白っぽいどろどろしたもので、そこからインドール等の有害ガスが出て大腸の乳酸菌が殺されて、日和見菌で大腸菌が出来て大腸のヒダが消えて行きます。ですから小腸内の粘膜を取り除くことで身体のリセットが成されます。
食事が原因があっても見直せない物がありますので、大腸、小腸の宿便を出すことが最も理に適っています。断食の目的の宿便出しはこの大腸の憩室内の宿便と、小腸の粘膜の宿便の二つがあり、野口法蔵さんの座禅断食がこの宿便出し、腸内リセットにはとても有効です。
2時間はあっという間で幾らでも新しい知見、科学的裏付けのあるお話が聞けそうですが、またの機会ということで終了しました。
今回のお話でもまだまだ沢山お伝えしたことがありますがかいつまんで一部を紹介しました。仙台座禅断食会など、又の機会に必要な方にお知らせします。
藤井さんのお話は是非とも仙台天命塾にご縁の皆さんにもお聞きいただきたいと思い、早速仙台で講演して頂く事をお願いしました。そしてお蔭様で快諾頂き、2014年2月9日日曜日午後に決まりました。お楽しみにお待ちください。
台風18号が丁度松本市近くを通過して過ぎ去った頃に内容の濃い研修会は終了しました。ありがたい学びの機会を頂けたことに野口法蔵師に感謝です。台風一過で素晴らしい天気になりましたが交通機関は終日大混乱だったようです。