2015年1月26日月曜日

393「再生1」2015,1,24

 藤原直哉さんは見識高い、現代の稀有なリーダーで、シンクタンクを主宰して現代の問題点を抉り、数々の時局に対応し、大局的に近未来の明確な行動戦略を打ち立てて活動しています。特にリーダーシップ論には興味深い視点が多く、これまでも学ばせて頂いてきました。
 2010年12月に仙台講演を開催して以来お会いしていませんでしたが2015年1月10日の日本再生戦略講演会で久しぶりにお話を聞いてきました。相変わらずエネルギッシュに活躍しておられます、今回はその内容を紹介します。

 その前に藤原さんのユニークな笑える、今年の予測などを紹介しておきます。

 2015年、世界で一番外れる大胆予測!!
1、日本の安倍首相の歴史観が日本国内は言うに及ばず、中国の習近平国家主席、韓国の朴槿恵大統領、米国のオバマ大統領をはじめ世界の人民を感涙にむせばせ、全世界が突如日の丸を振って君が代の斉唱を始める。
2、世界の株価は2014年、ついに大気圏、重力圏を脱出した。以後、一切下落の心配なく、永遠に宇宙空間を上昇し続ける。
3、2014年、各国中央銀行のコンピュータに微生物が付着した。そのためコンピュータが発酵を開始。2015年はそこでできたアルコールがコンピュータ全体にいきわたって、世界の中央銀行のコンピュータが酩酊状態になる。
4、2015年、ある不思議な日傘が発明されて急速に広まる。その日傘はレンズになっていて、ブラックな人やブラック企業の人が差すと、太陽の光が集中してブラックな部分が突如炎上する。そのため経団連がその不思議な日傘の製造と販売の禁止を政府に申し入れる。
5、2015年、リニア新幹線のトンネル工事を始めたら、311で発生した未知の地下空間のゆがみによっていつの間にかトンネルは福島第1原発の地下に達してしまい、地下で未だ冷えない溶けた核燃料が突如トンネル内に流入し始め、東京に迫ってきた。
6、地球は2015年をもって、一切の地震、洪水、火山活動など、天変地異から解放される。なぜなら地球の神々が嫌気がさしてほかの星に集団移転してしまい、地球を動かす神々がいなくなるからである。
7、昔、ある預言者が言った。秘密の秘の字は必ず示すと書く。来年はその預言者の言うとおりになり、あらゆる秘密が表に示されようとする。慌てた政府当局はすべての秘密を自ら秘密指定から外す。
8、2015年になると人も車も自由に空を飛ぶことができるようになり、ドラえもんの「どこでもドア」のように、行きたいところに瞬間移動できるようになる。なぜならばどんなことでも強く思いさえすれば、思いはかなうからである。
9、2015年は逆立ちが世界的に流行する。オリンピックに飽きて、各国国民がこぞって地球を押して、地球がどっちへどれぐらい動いたかを競うようになるからである。
10、世界経済は2015年、空前絶後の夢の好景気になる。しかも労働時間は極めて少なくていい。というのは、最高に景気を良くする方法は仕事をしないで好景気の夢を見ていることだということに世界の人々が気づき、「朝寝して、夕寝するまで昼寝して、時々起きて居眠りをする」ことを仕事とする企業が世界に爆発的に拡大するからである。

 これくらい面白い予測は楽しくなりますね。そして以下が本番の大予測です。
 2015年世界大予測
1、欧米、ロシアで信じられないような秘密の暴露が続き、特に米国の世界支配に対する権威が大きく失墜する。
2、世界中で世界大恐慌2番底の金融恐慌、産業恐慌、生活恐慌が進展する。
3、日本を含めて世界恐慌の進展に伴って各国ともに内政・外交が行き詰るところが続出し、国民のやり場のない怒りが膨れ上がり、政治体制が崩壊する国が出始める。
4、日米を含めて世界的に財政赤字による金利上昇が経済と生活を圧迫しはじめ、財政破綻が表面化する国が世界中に出てくる。
5、日本を含めて世界の人たちのこれまでの常識が覆るような真実の暴露や真理の発見が相次ぐ。
6、日本は政府を含めて巨大組織がますます機能不全状態に陥り、社会の混沌化が進む。
7、日本と地域を再生するための本格的なたまり場があちこちで活動を始める。
8、量子物理学を超える大自然の科学の応用が各方面で本格的に進む。
9、お金による二極分化ではなくて精神性による二極分化がさらに進む。
10、天変地異やリーダーシップの変化によって旧時代が終わり、新時代が来たことを実感する人が国内外で増えてくる。

 この予測は如何でしょうか。宇宙船地球号、日本丸は既に大混乱の真っ只中に突入しているように思います。これも立替建て直しの神計らいなのか、果たして我々が如何なる叡智と行動力で新たな未来、未知を拓いて行けるのか、いよいよクライマックスを迎えつつありそうです。そして以下は今年の日本の事にまとを絞った予測と対応策等です。

2015年の日本を考える
まず注意すべき点である。
・鉄鉱石や原油価格が半値になったその悪影響が新興国や世界の資源国、中東諸国に波及し、米国でも南部油田地帯が大変なことになり始めている。おまけに穀物価格も暴落してきていて、これはちょうど1980年代最初に第二次石油危機が突如終わって原油価格が大暴落し、また穀物も暴落して余剰になった時とよく似ている。
・この時は米国は中西部から南部の経済が壊滅的になり、中東も世界からの借金が返せなくなって相次いで債務不履行になった。そして85年にはプラザ合意で米国はドルを切り下げている。この時の惨憺たる状況のなかで米国はいまの新自由主義経済、すなわち今だけ、カネだけ、自分だけの経済を大々的に導入して一時的な繁栄を取り戻したが、逆に今はそれが原因で経済と政治が不安定になっている。
・米国もいよいよ後がない。世界の経済政策と言っても主要国の中央銀行がひたすらカネを刷って撒くだけ。そしてドルと株を支えるだけ。それが非常に鮮明になったのが去年だった。しかしそれも秋以降は本格的に息切れしてきた。特に12月にロシアのルーブルが大暴落した時には一気にドル安が進み、株も暴落した。そうしたらその翌日オバマ大統領が50年続けたキューバへの経済制裁を解除。すると不思議に相場が戻っていった。何か裏にロシアの影を感じる事件だった。ロシアはどこまでも粘って結局欧米の資本を追い出して世界の外交におけるロシアの自由度を高めていく道を選択したのだろう。またルーブルが暴落したのでロシアに進出している日本の製造業や資源エネルギー企業は相当大変なはずである。今年の日本政府はロシアとの外交関係の改善を望んでいるようだが、果たして民間はついていけるのだろうか。
・さらに年末に米国の昨年第3四半期のGDPが発表されて伸び率が高いというコメントがあちこちから出たが、中身を見たらオバマケアという国民皆保険制度の導入によるかさ上げがほとんどで、自動車や住宅は弱い。普通はこういう時に景気が良いと言わないがそれをまるで強弁するように景気がいいとあちこちで言っている姿に米国の相当な焦りを感じる。
・とにかく今年は米国と中東の行方によく気をつけなければならない。また中国も昨年はついに住宅バブルが全土で本格的に崩壊を始めた年だ。これをやると90年代の日本のように経済も政治も溶けてしまう。中国は今年も金融経済問題と政治の権力闘争でますます内向きになるのではないか。
・また昨年はウクライナ問題が一気に噴き出した年だった。米国主導のロシア制裁に対して年末近くにはEUや欧州大陸主要国が公然と反対を言い出し、むしろこの問題は欧州の米国離れを加速させた。さらに米国はCIAが行った拷問に関するレポートを公開したがそれは人道上も大変ひどい内容であり、米国外交の権威は中東での戦争失敗や数々の秘密の暴露に続きこの一件でもさらに低下していった。
・日本も春の消費増税以降、特に秋からまた不景気が広がってきた。しかし円高に戻ってくれば国際商品価格が下がっているから輸入コストや資源エネルギーコストは大きく下がる。原発が止まっていても貿易収支が黒字の状況まで持っていければ大変いいことだ。日本のような今や輸入大国には円高のほうが楽である。
・安倍内閣の経済政策はこれから商品券を配るそうだがその原資は税金であり国債であり、結局は一人一人の国民のお金である。アベノミクスの第3の矢がいつのまに商品券になったのだろうか。万策尽きたという感がまぬがれない。
では今年良くなるところはどういうところでしょうか。
・今年伸びる部分はやはり民の力だ。昨年の沖縄の選挙はオール沖縄の民衆の力が保守と革新の対立を超えて政治を動かした。やはり傑出した政治能力を持ったリーダーのもとで自分たちの地域のアイデンティティーを確立し、そしてカネを取らない保守がまず政治基盤を作り、そこに革新が相乗りする。するとカネや利権目当ての政治家は選挙で歯が立たない。そしてそういう新しい政治を年配の草の根の人たちが強力に推進し、若者も乗る。そして利権に触らない企業もこれを強力に支援する。これは今年以降、日本の各地域が政治を建て直して経済と生活の再生につなげる重要な戦略とすべきだ。
・それから今年の日本は何とかマイクロファイナンスを国全体に広げたい。それは零細事業者や個人事業主を資金や経営面で支援することだ。誰でも老若男女、副業でもいいから自分自身で仕事ができて経営が営めれば今だけ、カネだけ、自分だけの組織に縛られずに生活できるようになるし、自分自身に自信がついてくる。そして個別のアイデアと人を育てていけばヨコのリーダーシップで組んで新しい企業や産業を育てることができる。結局日本経済の再生は個人の再生から始めるのが最も確実なのではないか。
・既に世界はコスト切り下げのための経済グローバル化の時代が終わり、各地域の個性と強みをお互いに生かして相乗効果を高めるための国際化が進もうとしている。
・今の日本は新しい観光、農業が産業として過疎地を含めて全国津々浦々に広がっている。さらにナノテクノロジーや微生物などの新しい科学技術に加えて従来の強みを継承発展させるアナログ的な製造業もしっかり力を持っている。そして何よりも来年は本格的な電力自由化が実施される年です。あとは学術、現場の職人技、経営など各方面で優れた能力を持った人をこれから大量に養成していくことが必要で、同時に組織依存型のタテ型リーダーシップではなくてやる気と能力によってヨコにつながって仕事ができるヨコ型リーダーシップの教育を大々的に進めていかなければならない。
・何か昨年、国内外の巨大な国家機構や巨大な金融システム、巨大企業が中から本格的に溶けてきたような印象がある。たとえば昨年末に行われた総選挙は戦後最低の投票率でした。それで大きな変化はなかった。ということは今の国政で次を担う人、担ってほしい人がもういないという意味であり、それでうまくいかなければもう何もないということを意味する。ということは待っていても何も変わらないけれども、動いていけば何でも実現できる時代がもう来ているように思う。
・次の日本は今だけ、カネだけ、自分だけを超越して、近代文明を内部変革し、健康と持続可能性の高いライフスタイル、ロハスを本格的に日本発の21世紀の文明として打ち立てることが使命だ。世界で最初に戦争を放棄し、世界で最初に全面的なバブル崩壊を起こした日本は実は依然として世界の最先端を走っている。日本再生は我々自身の手で行わなければならない。