今回は立花大敬さんのワンディー・メッセージ「青空ひろば」から最新の記事を紹介します。
1134 2023.11.04 ~ 1147 2023.11.18
禅の会の仲間で、学校の先生をしているK君から「大敬先生の授業を参観させて下さい」と依頼され、先日授業を観てもらいました。
その参観の感想文を書いて下さり、届けてくださったので紹介します。
これまでと違った切り口の「大敬さん」の姿が描かれていて、私にも新鮮でした。
私が若い頃そうであったように、精神世界に興味がある人は、どうしても「足元お留守」になりがちです。
そんな「足元苦手」の大敬さんが、覚悟を決めて「学校の先生」を、ヘタクソでも、人より出発が遅くても(45歳で就職しました)、くじけたり、めげたりしながらも、思い返し、やり直ししながら、黙々と歩み続けてきて、ようやくたどり着けた、私なりの「教師の姿」をご覧下さい。
大敬先生、いつも本当にありがとうございます。
先日は大敬先生の授業を観させて頂き、本当にありがとうございました。
ものすごく深い学び、経験をさせて頂きました。
大敬先生の授業を参観させて頂き、学んだこと、感じたこと、思ったことなどを書かせて頂こうと思います。
大敬先生と一緒に教室に入りました。先生はその瞬間、大きな声で「日直、黒板!」(※大きな声はこの時だけでした)と言われました。あわてて日直は黒板を消していました。
この姿を見て、『大敬先生って、学校の先生なんだ!本当に学校の先生をされているんだ!』と、不思議と驚きを感じ、とても嬉しくなりました(『大敬先生は、僕と同じ学校の先生なんだ!』)。
チャイムと同時に授業が始まりました。
リズムとテンポのよい、心地よい授業の始まりです。
休み時間後の生徒が、どんどん集中してゆきました。
その集中のさせ方も、大きな声を出したり、注意したりすることは全くありません。
ただ大敬先生の説明と、それとともに動かされるチョークで、どんどん生徒が授業に引き込まれてゆくのが分かりました。もちろん僕もどんどん引き込まれてゆきました。
禅の会の時と同様、分かりやすい絵・図をすばやく描かれ、生徒とやりとりしながら、「解」を導いてゆかれます。
生徒が「に落ちる瞬間」がハッキリ分かりました。
大敬先生が「ゼロやねん!」と言われた瞬間、教室がピ-ンとなりました。
素晴らしい神社のような、厳かで神聖な感じがしました。「ひとつ」になったと思いました。さらに教室の空気が変わったのがよく分かりました。
大敬先生はもちろん、生徒も、参観させて頂いている僕も、教室にいる全員が「今・ココ」に、ピタッと落ち着けたんだと思います。
大敬先生の授業にはムダがありません。
リズムとテンポがよく、とても心地よいです。
それで、教室が「安心」の空間になってゆきます。だから、ますます生徒たちは集中してゆけるのでしょうね。
「安心」の空間の中で腑に落ちる解説…、生徒は勉強が楽しくてしょうがないだろうなと思いました。
授業の中で「東大」、「九大医学部」の情報なども出てきました。
生徒はやる気を出すだろうなと思いました。
それと、さりげなく「勉強が出来なくても、将来それでダメなわけではないよ」と卒業生の実例をあげて言われて、生徒たちは安心感を持つだろうなあと思いました。
「下駄を履かせる(欠点になった生徒に何とか点数を足して及第させること)」のお話しも、とっても楽しかったです。生徒も楽しそうでしたし、「安心の雰囲気」がさらに広がりました。
コンデンサーに電気を溜めるために、手回し発電機を使い、生徒に実験をさせたところもとても楽しく、教室が温かくなったと感じました。
生徒にハンドルを回させて、「世の中、楽には出来ていない」とか、「努力がドンドン電気になって溜まってゆくはず」とか、コンデンサーに電球をつないで、溜まった電気で光らせて、その光がやがて消えてゆくと「彼のやった努力は、結局この程度のものだったんですね」とか、大敬先生が楽しいコメントをされて、生徒達はみんな笑顔で、笑い声もたくさんありました。さらにさらに「安心」ですね。
あっという間に授業の終わりのチャイムが鳴りました。チャイムと同時に授業が終わりました。
大敬先生の授業の始めと終わりで、生徒の顔が違いました。
禅の会の始めと終わりと同じですね。「大敬ワールド」に引き込まれ、心が解放されるのでしょうね。
「安心」の「大敬ワールド」に入り、生徒一人一人の、それぞれが授業後は「安心の太郎ワールド」、「安心の花子ワールド」を紡いでゆくのでしょうね。そんなことを思いました。
「日直、黒板!」でスイッチが入り、始まりのチャイムから終わりのチャイムまで、ずっと「今・ココ」でした。
だから、時間も空間もなく、一瞬で終わった感じがします。「ひとつ」でした。
授業を通して、勉強をしっかり教えるとともに、禅の会と同じように、生徒の心をどんどん解放し、大きくしてゆけるんだと分かりました。
それと大切なのは、大敬先生が超進学校の生徒達が納得する、引き付けられるような授業をするために、しっかりと準備をされているということです。
教師自らが疑問を持って、納得できるまで自分の頭でしっかり考えること、分かりやすいプリントを自作すること、説明の技術、板書の技術…、学校の先生という仕事にどっぷり浸かり、必要な努力をしっかりすることは当然のことながら大切だと確信しました。
地に足つけて、しっかりと仕事をすること、やるべきことはしっかりやることが大切なのですね。
「天」だけでもダメ、「地」だけでもダメ、しっかりと「天」と「地」がつながらないといけないなあと分かりました。
「地の拠点」がしっかりして、大きくないと、「安心」をまわりに与えることは出来ないだろうなあと思いました。本当に大きなことが分かった気がします。
僕自身、しっかり「地」に足をつけて努力していきます。
「教師」という仕事を選んで、本当によかったと思います。
大敬先生に出会って、心からそう思えるようになりました。
大敬先生のような教師、もちろん人間になりたいです。まわりに「安心」をたくさん与えられるような人に…。
そのためには、やはり「地」に足をつけること、大きな「地」の基地(拠点)をつくって、「天」とつながれたらと思います(しっかり坐禅もします)。
教師という仕事がますます楽しくなりそうです。
二学期が始まるのがとても楽しみです。
以上がK君のお便りです。
私(大敬)も教師として、まだまだ未熟で、日々新しい気づきがあります(70歳まで現職でしたが、現在は74歳ですでに退職しています)。
教師としての時間も残り少なくなって、まだこんな状態なのですから、もう少し早く気づいていれば、もっといい教師になれたのでしょうが残念!
後はK君たちにお任せしましょう。