今回は「いっぷくからのありがとう」さんの2022年07月10日の記事を紹介します。
「トントンという音」
今日は医師である鎌田實さんのお話をご紹介します。
何気ない平凡な生活の中にある、美しい心に関するお話です。
私たちの心の世界は
・見える世界(物質的な、目の前の世界)
・見えない世界(冥界、神々の世界)
をも包括するほど重要で、広大なものです。
心を清浄(ピュア)にすることで、私たちは真の幸せを手に入れ、
神々と直接的に繋がることができることでしょう。
わざわざ、パワースポットに出かけたり
お金を払って、誰かに頼る必要が無くなります。
このブログでは、いつも「心の世界」のことを中心に書いています。
幸せになるための王道だからです。
また今後の地球にとって、私たち人類の心の浄化こそが、大変重要だからです。
大切なのは人を憎むことではありません。
「心の世界」のお話は大変地味です。
・お互い様、おかげさまの心で生き
・他人に優しく、寛容に
・感謝の心を持って生きよう
など、平凡なものかもしれません。
ですが、宇宙神と同じ立場に立ったブッダも、イエスも
同じことを、おっしゃっていたのではないでしょうか?
どうして、このお二人が、同じことをおっしゃったかといえば
心を洗うこと、整えること
そのことこそ、見える世界、見えない世界を超えて
神々へと至る道筋だからではないでしょうか。
自らの足で、しっかりと大地に立ち、何者にも、何事にも、依存せず、執着せず
神々へと真っすぐに進む道だからです。
この道は、生も死も、時間も空間も超え、真の幸せを分かち合う道だからです。
では鎌田實さんのお話をご紹介します。
<引用開始> 引用元
生きるって大変なこと。
これまで、たくさんの生と死に関わって生きてきました。
73歳のおじいちゃんの話をしましょう。
徐々に痩せてきました。
背中が張ると言って、外来にやってきました。
血液の検査や超音波検査、CTの検査をしました。
後腹膜に腫瘍が見つかりました。
すい臓がん。
リンパ腺にも転移がありました。
ご本人と優しい奥さんと、何度も治療法について話し合いをしました。
東京の息子さんも話し合いに参加しました。
おじいちゃん自身は、
「もういいな。手術はしたくない。
抗がん剤が少しでも期待できるなら、苦しくない範囲で1回試してもいい」
これがおじいちゃんの自己決定でした。
自分の行く道を自分で決めたのです。
奥さんも息子さんも賛成しました。
僕自身がこの人の立場だったら、僕もこの選択をしたかなと思いながら、
「全力で支えさせていただきます」 と何度もの話し合いをまとめました。
ご本人の希望で緩和ケア病棟に入院しました。
「やるだけのことはやった。もういいな。とにかく苦しいのは嫌だな」
緩和ケアが始まりました。
痛みが取れると、彼は再びニコニコし始めました。
それでもご飯は食べられません。
「匂いを嗅いだだけで食べられなくなる」
「でもね先生、もう1回ご飯が食べたいな」
横についている奥さんが黙ってうなずきました。
「先生、1回外出させてください。気分を変えてあげたい」
根拠はないけどいいことだと思いました。
賛成、賛成と背中を押しました。
おじいちゃんもニコッと笑顔を見せました。
翌日、息子さんは東京の会社を休み、飛んできてくれました。
お昼から半日、家に帰りました。
夕方7時頃、おじいちゃんが病室に戻ってきました。
病室へ伺うと、おじいちゃんはニコニコしていました。
「先生、トントンがよかった」
「トントンって何ですか?」
「家に戻って、いつも自分が座るところに座って、夕陽が落ちるのを見ていました。
先生、夕陽がきれいでね。
目を奪われていたんです。
この庭も見納めかなと思っていました。
その時です。
お勝手からトントンという音が聞こえだしたんです。
女房のまな板の音です。
こんな音、何十年も聞き続けていたはずなのに、一度も意識したことがありませんでした。
女房もきっと意識していないんです」
奥さんが言葉を受け取った。
「何も意識していません。でも、この人が家に帰ってきてくれて、
私はうれしくて、無意識の中で心が躍っていたんです」
おじいちゃんが続けた。
「まな板のトントンという音を聞きながら、生きてきてよかったと思ったんです。
シューッとご飯ができあがる音も聞こえてきました。
匂いも伝わってきたんです。
食べ物が運ばれてきても、その匂いだけで吐き気が出てたべたくなかったのに、
音も匂いも心地がいいのです。
先生、食べれたよ。
お茶碗に3分の1ぐらいだけど、うまかった。
もう思い残すことはありません」
奥さんと息子さんが下を向いて泣き出しました。
このおじいちゃんは間違いなく生きている。
死は近づいているかもしれない。
けど、そんなことはどうでもいいんだ。
いま生きているという実感が大事。
<引用終了>
何気ない日々の生活の中にこそ、人の優しさや、思いやりが含まれているのですね。
見える世界、見えない世界、不思議なことは、ワクワク楽しいかもしれません。
ですが、それはまさに
孫悟空が、いろんな冒険をし、宇宙の果てまで行ってきたのに、
結局は、全てはブッダの手の平の上の出来事であった。。
と同じことかもしれません。
地味かもしれませんが、
・他人に優しく、自分にも優しく
・お互い様、おかげ様と謙虚に
・相手を許し、認め、個性を尊重し
・元気の出る言葉、喜ぶ言葉を口にし
・周りの人や出来事に感謝して
日々過ごすことが、神さまに似せて作られた人間にとって、
大切なことなのかもしれません。