2022年8月21日日曜日

2795「すごい父に拾われた」2022.8.21

 今回は「いっぷくからのありがとう」さんの2022年08月13日「すごい父に拾われた」と2021年01月12日「好意の返報性」の2つの記事を紹介します。


「すごい父に拾われた」

皆さんは、鎌田實さんをご存知ですか?

東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任し、

30代で院長となり、潰れかけた病院を再生させた方です。

「地域包括ケア」の先駆けを作り、長野県を長寿で医療費の安い地域へと導いた方です。

また特筆すべきことは、鎌田實さんは、主に心の在り方を中心に

書籍やメディアに出演され、多くの人々に光をもたらしました。

今日は鎌田實さん自身が語った生い立ちをご紹介します。

<引用開始> 引用元 


ぼくは拾われた子どもです。終戦5年目の1950年、生みの親が捨てた1歳のぼくを、亡き父、岩次郎がもらってくれた。 

37歳、諏訪中央病院の副院長だった時に、偶然、その事実を知りました。好きになるのに40年もかかったけれど、岩次郎という男の存在がぼくの核をなしています。 

岩次郎は青森県花巻市(現・黒岩市)で貧農の末っ子として生まれ、小学校しか出ていない。 18歳で上京し、公営バスなどの運転手で生計を立てます。

バスの車掌だった母のふみと結婚しますが、居を構えた東京都杉並区の家は6畳二間と3畳、お勝手。はじめはお風呂もなかった。

ぼくが小学校に上がる前、母が僧坊弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう)という 心臓病を患います。

入退院を繰り返した先は、日本で唯一の心臓病専門病院だった、東京女子医大付属日本心臓血圧研究所(心研)でした。

《心研は55年に開設。51年に日本初の心臓手術を行った榊原仟(しげる)教授が所長を務めた。 日本の心臓外科は黎明期だが、最先端の治療を求めて全国から患者が殺到し、榊原教授が大半を執刀した》


50年代、往診こそ頼めても、貧しい人が高度な医療を受けるのは大変でした。

国民皆保険になるのがぼくが中学生になる61年だし、もちろん高額療養制度もない。

岩次郎は、朝8時から夜まで、長い日は1日15時間も働きます。

切りつめても切りつめてもお金は母の治療費に消える。 

疲れ切って帰り、夕食をつくれない夜は、ぼくを連れて近くの定食屋へ。

ぼくはいつも、おかずに一番安い野菜炒めを選びました。

名前の通りに頑固で、無口だけど声が大きく、津軽弁で理路整然と話す人でした。

背筋が伸びて、シャンとしていた。 

上京した同郷の苦学生を狭い家に置いてあげたりもした。

でも、ぼくが運動会の徒競走や試験で一番になっても、岩次郎は決して褒めてくれない。

全力を出し切っていないって見られた。叱られて、叱られて、ぼくは育ちました。  

「ぼくのほうを見てよ。理解してよ」 と心でつぶやきながら。


だからこそ、旅券申請のために取り寄せた戸籍で、父親の欄に別の名前を見た時、衝撃だったんです。血のつながっていない岩次郎が、ぼくを育ててくれていた。 

心臓病の母を抱えた あの貧しい暮らしの中で、

「拾ってやった」 とか、恩着せがましい言葉を一度も口にせず。

泣き言も言わず、弱音も吐かず。 岩次郎は苦難から逃げなかった。 

苦しい時ほど、その苦しみを横に置いて、誰かのために生きようとした。 

がんばって、がんばって、全力投球で、

最後は個人タクシーの運転手を70歳くらいまで務めました。

すごい人に拾われたって思います。

12年前に亡くなった岩次郎は今も、ぼくの内側でどんどん大きくなっていくんです。

<引用終了>


ここにも、神様のなさり方が顕著に出ています。 

後に、多くの人の心を救うことになる鎌田實さんの人間性は、 

貧困で苦しくとも、実直で、思いやりがあり、 

何事も投げ出さず、不平不満、愚痴を言うこともなく、

まじめにコツコツと、家族のためだけに生きてきた頑固な父の姿から培われました。 

神さまは、そのすべてを見越し、父を用意し、鎌田さんを縁で結び、 

血のつながりはなくとも、貧困、病気の家族という試練を与え、 

心を強くし、弱き者の心を感じる心をはぐくみ、 鎌田さんを世に出しました。 

そして、その後、多くの人の心に明かりを灯すことをさせたのです。 

今、自分の置かれた環境それにも深い深い神様の配慮が込められています。 

置かれた場所、その場所で、その環境の中で綺麗な花を咲かせて御覧なさいと

  



「好意の返報性」


沢山の人々が、普段の生活の中で、心無い、「悪口・陰口」に苦しめられているようです。

逆の言い方をすれば、もし、それを乗り越えることができれば、相当、魂の洗濯が進むということになります。そうなれば、ご自身だけでなく、身近な周りの方々にも幸せや笑顔のおすそ分けができるようになります。

私も、もうずいぶん前から実践していますがよく記事でご紹介しているブッダの方法は、

凄い効き目があります。ぜひ試してみてください。

それは、悪口や陰口を聞いても

・すぐに忘れるようにすること

・根に持たない

・考えない

・良い所を見つけるようにする

とすることで、 悪しき「悪口・陰口」に、それ以上、エネルギーを与えなくなります。

・エネルギーを与えられない物、

・意識を向けられない物は

放っておいても、消滅する運命です。良きところに目を向け、そこに意識を移すことは、

その良きことにエネルギーを与えることになります。

エネルギーの法則から、その人は、「良き人」、「味方」にいつの間にか変わってしまいます。

そんなことも、ここ地球だからこそ、経験し、実験し、学ぶことができます。学びの最中は、辛く苦しいこともあるのですが、実際に渦中の入ることで、よりしっかりとした知恵となり、

魂に刻み付け死を超えて持ち帰ることができます。魂の仲間たちとの共有の財産になります。

それでは、今日は逆のパターンについて書きたいと思います。

テーマは「好意の返報性」です。これは与えたものが受け取るものという宇宙の大原則を

人間の「好意」についてみたものです。これも非常に、普遍的、かつ現実的で速攻で効果が出てくるものです。もし人間関係でお悩みの人がいらしたら、是非試してみてください。

精神科医・作家、樺沢紫苑さんのお話です。

<引用開始> 引用元


以前、私はある病院で認知症専門外来をやっていました。この外来は、通称「もの忘れ外来」と呼ばれているところで「最近、もの忘れが進んできたのですが」という方が来られるほか、

認知症患者の介護をしている家族も相談に訪れます。

介護に抵抗したり、興奮したりする認知症の患者さんの介護は、想像を絶するほど苦しいものです。その介護が今後何年続くかわからないという不安もあります。

認知症のお舅さんを介護しているお嫁さんから、相談を受けました。

いくら介護をしても、悪口や嫌味、悪態ばかり。黙って介護されていればなんとか頑張れるものの、精神的にも限界だと。そこで私は彼女に

「そんなあなたの、介護したくない という気持ちが、お舅さんに伝わっているのではないでしょうか?」と質問しました。彼女は無言になってしまいました。

介護でも「返報性の法則」は存在します。

 イヤイヤ介護していると、それは介護される側にすべて筒抜けになります。

結果として、それが介護への抵抗、悪口や悪態、興奮や暴力など、「悪意の返報性」として返ってくるのです。介護する人が心から明るい気持ちで介護していると、介護される側も

明るい気持ちになって、気持ちよく介護を受けてくれるのです。

そこで、彼女にアドバイスしました。1週間だけでいいので、「お舅さんと初めて会った」

と思い込んで心の中を空っぽにしてください。そして、心を込めて、献身的に、笑顔で介護してください。

彼女は最初「そんなことはできません!」と否定的な態度を示していましたが、「1週間で、必ず相手の態度は変わります」と私が断言したのを聞いて、「それなら、なんとかやってみます」と言いました。

1ヵ月後に彼女が来院しました。陰鬱な表情はどこにもなく、笑顔で言いました。「おじいちゃんが変わりました!」数年の介護の結果、悪口や悪態が日常的となり泥沼となった嫁舅関係。それが、「好意」を持って1週間接しただけで、お舅さんの態度は柔らかになり、悪口や悪態もなくなり、最期には「ありがとう」と感謝の言葉まで口にしたのだそうです。

「好意の返報性」は、非常に普遍的な心理法則ですから、認知症になって理解力の低下した方にも、すべての人に効果があるのです。重要なのは、最初に「悪意」を引き下げて、「好意」を差し出すのは、自分でなければいけないということです。

言うのは簡単ですが、これはとても難しい。なぜならば、既に泥沼の関係になっているということは、「悪意」と「悪意」のキャッチボールをしている「悪意の返報性」にすっぽりとはまった状態です。

その状態で、いきなり「好意」を投げるのは、相当の勇気と思い切りが必要となります。

 しかし、このように「悪意」を「好意」に変えることによって、人間関係をリセットすることは可能です。

私の経験では、このアドバイスを受けて、きちんと実行した方は、全て成功しています。

あなたも、泥沼の人間関係を「好意の返報性」によって覆すことが可能なのです。

<引用終了>


「悪口・陰口」の次に、その対極にある「好意」について書きました。その方向性は真逆であり、ご本人たちの心に、どれだけの影響をもたらすことでしょう。

一方は、自分をまきこみ、「地獄」の世界を周りに作り、もう一方は、自分を含め、周りに「天国」のような笑顔と幸せの世界を作ります。

私たちの心の中にはどなたにも神さまが居らっしゃいます。それを良心と呼ぶ人もいます。

そこは宇宙の神さまと繋がる場所です。相手の方の 一面だけ一時的な姿や態度を見て切り捨ててしまうのではなく、この人は「ダメな人」と判断を下してしまうのではなく、

相手の内に隠れている神さまを常に見つめていたいものですね。

良寛さんも、そのように生きた人でした。

私たちが、相手の方に好意や、愛情、思いやりを持って接した時必ず、相手の方の同じ部分が反応します。私たちは与えたものが受け取るものという宇宙の大原則の通り、与えたものと同じものを、倍受け取ることになります。

樺沢先生も仰っていますが、ここで大切なのが、まず自分が先に・・・と言うことです。

人間関係に悩んでいる皆さんご興味があれば、是非試してみてください。