2023年2月6日月曜日

2964「消毒という名の兵器」2023.2.6

 今回はIndeepさんの2023年1月25日の「消毒という名の兵器の「結果」が子どもたちに出てきてしまっている」の記事を紹介します。

消毒という名の兵器の「結果」が子どもたちに出てきてしまっている - In Deep


気温が低いと……

今は日本を含めて、北半球の大部分が大変な寒さになっていまして、韓国では体感 -26℃だ、中国では過去最低気温だ、スペインの温暖な地域の「最高気温」が -15℃だと、いろんな報道は出ています。

ただ、問題は「これが一過性なのかそうではないのか」というあたりのことかとは思います。今ほど極端ではないにしても、低温傾向が長く続きますと、結局、「寒いほうが死者が増える」という原則が出てきてしまうからです。

ずいぶん前の記事ですが、海外の記事を引用させていただいたものに、以下の記述がありました。 

(2021年10月31日の Watts Up With That ? より)

> 暑い時や熱波のときより、寒い時にはるかに多くの人が亡くなる。

> 米国とカナダでは、寒さは暑さの 45倍の死者を出す。米国とカナダで暑さで亡くなるのは、毎年 2,500人だが、寒さで亡くなるのは、毎年 11万3,000人にのぼる。

> 空調設備がはるかに少ない世界では、年間約 170万人が寒さで亡くなっている。暑さで亡くなるのは 30万人だ。この比率は、ほぼ 6:1 となる。 indeep.jp

 

今は、まあ……「病気の時代」ということで、前回の記事にも書きましたけれど、日本の月間の死亡者数、あるいは全体の超過死亡数が過去にないレベルになっています。

どんな国や地域であろうと、冬になると死亡率は上昇していくのですが、気温が低ければ低いほど、そのリスクは高まると同時に、気温が低い時期が長く続くほど、リスクの可能性も高まるはずです。

ですので、今後の気温の推移は気になるところですが、現在推定されている予想としては、ヨーロッパと北米は、今後強烈な寒さが長引くと見られます。

欧米の天気の予測について極めて厳密に検証しているシビア・ウェザー・ヨーロッパというサイトがあります(気象についてのウェブサイトでは世界で一番専門的だと思いますが、専門的すぎて、私にはよくわからないという)。

そのサイトが、最近、記事を更新していました。大変長い記事です。

強力な成層圏突然昇温の事象が始まろうとしており、冬季の最終月に向かうにつれて極渦に影響を与える見込みだ

この「成層圏突然昇温」というのは、文字通り、北極などの成層圏の気温が「突然上昇する」という現象です。それが発生するメカニズムは明確にはなっていませんが、たまに起きます。

これが起きると、状況次第で「北半球の広範囲が大変な寒波に見舞われる」という事実があります。

なぜ、これが起きると北半球が低温になるのかというと、

「極渦、と呼ばれる、北極上空を規則正しく循環している非常に冷たい大気の流れが崩壊してしまう」のです。そして、循環が崩壊することで、

「北半球の広範囲に北極の冷たい大気が流れていく」ということが起きるようなのです。

現在、この「成層圏突然昇温」事象が進んでいることをグラフは示していまして、極渦の崩壊等が発生すれば、少なくともヨーロッパ、ロシア、中国の北部、北米、中央アジアなどは、今後さらに厳しい気温と大雪に見舞われる可能性が高いようです。

日本を含むアジア全般に関しては、今のところわからないです。

ただ、これらの影響を受ける可能性があるなら、今よりさらに寒く、そして雪が多くなる可能性も残っていると見られます。 

……そういえば、「地球のコア(内核)の回転が止まった」なんてことが報じられていますが、いろいろと起きているので、成層圏などを含む地球全体への「大きな影響」は起きやすい時期なのかもしれませんね。

内核の停止については以下の記事にあります。 

[記事] 「地球のコアである内核の回転が止まっている」:科学誌ネイチャーに発表された論文の衝撃 地球の記録 2023年1月24日 

ともかく、例年より妙に気温の低い状態が続くと、今の社会状況ですと、病気の拡大という点では、ちょっとアレですね。

前振りが長くなってしまいました。最近いろいろと気になる報道を見ます。

 

小さな子どもたちが次々と病で倒れる原因の根幹

先日、デンマークの保健当局がリリースした「デンマークの A群レンサ球菌 2023年」という資料を見ました。

デンマーク全体として、この A群溶血性レンサ球菌の症例数が 2022年の秋くらいから急激に増加していることが示されているのですが、問題は「年齢構造」でした。

デンマークの2018年から現在までのA群溶血性レンサ球菌の年代別の症例数の推移


全体の推移は以下のようになっているのですが、これと上のグラフを合わせれば、「結局、デンマーク全体の A群溶血性レンサ球菌症例の上昇を担っているのは、1歳から 9歳までの子どもじゃないか」と思った次第です。

デンマークのA群溶血性レンサ球菌の全体症例数の推移

 

この A群溶血性レンサ球菌というのは、一般的な見解としては、「小さな子どもが症状を示すものではない」ようです。

国立感染症研究所の「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは」というページには以下のようにあります。

> いずれの年齢でも起こり得るが、学童期の小児に最も多く、3歳以下や成人では典型的な臨床像を呈する症例は少ない。

先ほどのデンマークの年齢別の分布では、本来症状を呈することが少ないとされている 4歳以下が中心となっています。

これについてもいろいろと要因は考えられるのですが、今回は、

「過剰な消毒社会」というものの話を振り返りたいと思って書いています。

もうひとつの要因(全般的な免疫低下という意味において)になるかもしれない、親子間のワクチンの伝播については、以下のような記事をご参照下さればと思います。

[記事] 授乳中のお母さんたちへ In Deep 2021年9月4日 

昨年から世界中で、子どもたちのさまざまなそれまでになかったような状態が示されていますが、それとも関係するかもしれません。

 

生まれてから過剰な消毒で丸3年だと、もう回復は…

パンデミックが始まった 3年前に、最初に「これはよくない」と思ったことが、

「社会に過度な消毒が行き渡ったこと」でした。

最初に書いたのは、日本で緊急事態宣言が出された頃の以下の記事ですかね。

[記事] 人類絶滅への道 : コロナウイルスとイナゴに対しての「殺菌と消毒の嵐」が吹き荒れる中、地球の微生物と昆虫類が「大絶滅」に向かう可能性。そしてその次は…

 In Deep 2020年3月29日

たかが消毒で「人類絶滅への道」などと大げさな…と思われるかもしれないですが、私はそれほど大げさな気持ちでは書いていませんでした。

まあ、消毒と殺菌の本質的な害については、もうどれだけ書いたのかわからないのですが、「子ども」ということを対象にすれば、以下の記事などがあります。

[記事] 過剰な消毒がどのように小さな子たちを殺していくかIn Deep 2021年10月21日

これも大げさなタイトルだと思われるかもしれないですが、私はまったくそうは思っていません。

 

今から 3年ほど前に、スーパーの入口で、ベビーカーに赤ちゃんを乗せて入ってきた若いお母さんが、

「その赤ちゃんの両手に丁寧に消毒液を刷り込んでいる光景」

を見て、「こんなことが拡大したら……」とつくづく思ったのです。

先ほどリンクした記事に、

「こんなに長期間、小さな子どもが過剰な殺菌を続けていたら、全員の早期の死につながる」

とありますが、そう本当に思ったのです。 

赤ちゃんというのは、「とにかく手で、顔や口をさわる」ものです。大人よりもはるかに、手についたものが口から体内に入りやすいものです。

そのような赤ちゃんは「体内の常在菌を育てている渦中」にあります。

もっと言えば、身体と脳を育てている渦中です。

口から入った消毒剤は、その頻度が多ければ、口の中だけではなく、胃から腸へと、そして、多くの消毒剤は揮発力が強いですので、後述しますが、「肺にも入る」ことになります。

殺菌剤が赤ちゃんの腸に至れば、まだ発達中の赤ちゃんの腸内細菌環境はボロボロになります。

あるいは、赤ちゃんは、性格や気質が育っている渦中です。

性格、というものが何によって形成されるかご存じでしょうか。

腸内細菌の組成によって決まる」という意見が現在の医学では主流なのです。 

(著作『あなたの体は9割が細菌』より)

> 人の脳は乳幼児期に集中的に発達・形成される。

> その時の腸内微生物の様相によって性格は影響される。乳幼児期の抗生物質の使用は危険を伴うということを理解しておいた方が良いだろう。

> 自閉症に関して、特に生後18か月以内に抗生物質の治療を受けるのは最大のリスクとなるようだ。

 

あるいは、人間の生命に必要な細胞の中のミトコンドリアというものがありますが、殺菌剤などで多くの製品に含まれている「第四級アンモニウム塩」というものは、ミトコンドリアを殺すことがわかっています。

[記事] 多くの消毒剤に用いられる第四級アンモニウム塩は、人間の生存に必須の「ミトコンドリア」を殺す In Deep 2021年2月24日

 

それでも、すでに身体がある程度完成している大人でしたら、その影響も限定的かもしれないですが、

「今、身体と性格を作ろうとしている赤ちゃんに対しての有害性がどれほどか 

ということになります。

あるいは、パンデミックのずっと前の記事ですが、

「小児白血病の症例の、ほぼすべてが過度な衛生環境にあった子どもたち」

だったというロンドンがん研究所などの研究について、以下の記事で取りあげたことがあります。

[記事] 「過度に清潔な環境が子どもの白血病のほとんど(99%)を作り出している」ことが判明 : 私たちはそろそろこの「過剰殺菌社会は異常」だと気づかないと、子どもたちが誰も助からなくなる In Deep 2018年5月28日

 

もともと、こういうさまざまな「過剰な消毒の危険性」を、それまでにずいぶんと知ったこともあり、パンデミックが始まって以来の状況には困惑さえしていました。

何しろ、「保育園や幼稚園でも、毎日、子どもたちが消毒している」

ようなことを見聞するようになったからです。

これじゃ T4作戦と変わらない。 

しかし、次第にこの消毒の日常化は「ニューノーマル」となり、そして、今でもなお、スーパーでも公共施設でも、わりとどこにでも、

「消毒剤は残った」という状態となっているのでした。

スーパーなんかでは、今でもシュッシュッとする人は多いですが、今なお、子どもにシュッシュッしている親も見ます。

これは、数年、十数年で結果が出る、間違いのない虐待です。

 

そもそも、通常の除菌や掃除、あるいは「病室の消毒」などでも、十分に「悪い」ことがわかっているんです。

病院の病室は、大気全体に消毒剤成分が漂っていることが「入院患者の状態を悪くしている」とする論文もありました。

以下は、三重大学 臨床環境看護学専攻の今井 奈妙教授などによる論文からの抜粋です。こちらの記事に掲載したものです。

 

「呼吸による化学物質曝露」

> 人体が摂取する様々な物質の割合の 79% は呼吸によるものである。

> 経口摂取の場合には、 嘔吐や、肝臓による解毒作用を期待できるが、吸入曝露の場合は、肺から直接に血中に流入するため、経口摂取で認められる初回通過効果(肝臓での解毒)が回避されてリスクが増大する危険性につながる。

> 病院では、布製品等の除菌を目的として噴霧式の消臭・除菌剤が使用されていたり、除菌クロスを用いて家具やパソコン類を拭いていたりする。

> これらの製品には、第 4 級アンモニウム塩が使用され、除菌クロスで室内を清掃すれば、第4級アンモニウム塩が揮発して室内に充満する。

> …一般的な医療施設では、第4級アンモニウム塩を病室で用いるため、入院患者は、常に第4級アンモニウム塩に曝露し続けることになっている。

 

実際、COPD (慢性閉塞性肺疾患)になる人で最も率が高いのは、病院で日常的に消毒剤を使用している「看護師の人たち」であることが、2017年のアメリカの研究でわかっています。

以下の記事で取りあげています。

[記事] 「タバコではない」 : 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の発症要因は「漂白剤と消毒剤」であることが判明。第四級アンモニウム塩を含む除菌製品が私たちの社会を破壊する In Deep 2019年12月15日

 

上の記事は、まだ日本などでのパンデミックの前の記事ですが、タイトルに、

「第四級アンモニウム塩を含む除菌製品が私たちの社会を破壊する」

という「社会の破壊」が、その直後から本当に起きてしまったわけです。 

それほど除菌や殺菌、消毒というのは良くないことです。

そして、先ほども書きましたように、最も強く影響を受けるのは、小さな子どもたちで、年齢が低ければ低いほど影響も強いと思われます。

赤ちゃんに殺菌剤を使うなど、考えられない愚行なんです。

 

そして、これらにある悲劇性は、不可逆な影響が多い、というところです。

組成が乱れた腸内細菌環境は、そう簡単には戻りません(基本的には元には戻りません)。

腸内細菌だけではなくあらゆる常在菌が影響を受けている可能性があります。

それによって性格、発達、認知能力に影響を受けたとしても、元に戻せないものが多いはずです。

それが 3年間ですよ? 

それはともかく、先日の以下の記事では、子どもの成長を示す「スキャモンの発達・発育曲線」というものを載せました。 

[記事] 今さらマスクの議論をしても、失われた子どもたちの3年間は不可逆

 In Deep 2023年1月22日 

この時は脳の話でしたので、そこに焦点を絞っていましたが、以下のグラフの「ピンクのライン」のリンパ型というのは、「免疫力の成長」と関係する部分です。

スキャモンの発達・発育曲線
 

このグラフを見ますと、4歳くらいまでは、若い人たちの免疫で最も重要な期間である「胸腺」の成長は、70%程度しかなされていないと言えそうです。3歳だと 50%程度です。

それより年が若いと、さらに免疫システムは弱いのです。

まだ免疫を司る器官が発達していない赤ちゃんたちに、「さらなる免疫の弱体」が起きれば、病気にもなります。

RSウイルスでもインフルエンザでも先ほどの A群レンサ球菌でも何にでもかかりやすくなります。

 

でもまあ、今さらどうすべきなのかの方法もあるのかないのか……。

ふだんの生活で、赤ちゃんや子どもたちが、「たくさんのバイ菌にさらされて、多少不潔に生活する」ことは「それが最初からなら」大変重要なことですが、

「免疫が極端に落ちてから不潔にしても病気になるだけ」なんです。

もはや今後も無菌状態をご各自で貫くしかないのかもしれません。

子どもたちが重点的に不可逆的な影響を受ける事象がこんなに重なったパンデミック期間とはいったい何だったのか。