今回は「いっぷくからのありがとう」さんの2024年07月29日の記事を紹介します。
「母の涙」
今日は、お子さんを持つお母さんに書きたいと思います。
心のお話です。
・能力ある人に頼って、助けていただくよりも
・お金をかけて沢山のセミナーに参加するよりも
・あちこちの沢山の神社仏閣を回るよりも、
まずは、ご自分の心を祓い清め、本来の魂の輝きを取り戻すことの方が、
何万倍も大切なことだと思うからです。
本当に素朴で純真な詩をご紹介します。
サトウハチローさんの、「お母さんの詩」です。
おかあさんはわたしを生んだの
それから
わたしをそだてたの
それから
わたしをたのしみにしてたの
それから
わたしのために泣いたの
それから
それからあとはいえないの
サトウハチローさんは、佐藤愛子さんのお兄さんです。
ハチローさんについて、愛子さんはこう書いています。
兄は「とんでもない不良で、本当にどうしようもない男です」、と。
なんとなく納得がゆく。
「有名な『おかあさんのうた』で善良な人たちを騙しましてね」とまで言い切る。
「けれども、彼が作った詩の中で一つだけ、
ああ、この詩はいいなあと私が思った詩があるんです。
不良少年で父や母を苦しめた男の、こういう短い詩です」。
それが、この「おかあさんはわたしを生んだの」という一編です。
サトウハチローのお母さん、ハルは、
彼がまだ子供の頃に,父・紅緑に離縁されました。
そして若くして世を去ったのでした。
酒好き、女好きで、放蕩の青春を送った中で
「母よゆるしたまへ/ゆるしたまへ」と・・・。
「おかあさん」の詩を最も多く書いたと言われる詩人サトウハチロー。
彼の素朴でやさしい詩には、ファンが多いそうです。
一見堕落したような生活を送った人ですが、
その心の中では、早くに亡くなった母の後姿を
いつまでもいつまでも追いかけていたのかもしれません。
今日は、もうひとつ、お母さんのお話をご紹介して終わります。
同居生活の疲れからか、いつも、ご主人やお姑さん、そして子供、 更にはママ友など、
他人の悪口ばかり口にしていたご婦人がいました。
いつものように台所に立っていると、三歳になる娘さんが寄ってきて、
「ねえねえ、おかあさん」 と、エプロンにしがみついてきました。
まあ、いつものことですので、台所仕事を続けたまま
「何よ」と聞くと、
「あたしねえ、いま、あること思ったの。」と言います。
またか、と思い、
「セーラームーンのおもちゃは、この間買ってあげたでしょ。もうだめよ。」とか
「おやつの時間はまだでしょう?」とか、適当に答えていました。
すると娘は「そんなんじゃないのよ。あたし、あることを思ったの。
当ててよ。」と、 得意そうに言います。
「当ててよ」は、最近娘の十八番なので、少々うんざりして
適当にあしらおうとしたんですけど、あんまりしつこいので、とうとう根負けして、
腰を屈めて娘の目の高さになって聞いてあげました。
「なに思ったのよ。」
「あること、思ったの。」
「何思ったの?おかあさん、降参。」
「じゃあ、教えてあげる。あたしね、こう思った。」
「何?」
「おかあさんのこと好き、って思ったの。」
「へー・・・」
「何回、思ったかわかる?」
「え?一回じゃないの?」
「ううん、もっと。」
「じゃあ、三回。」
「ううん、もっと。」
「じゃあ、五回。」
「ううん、十回。
あたし、お母さんのこと好きって、十回、思ったの。」
その日、その娘の上の5歳になる娘のあとでお風呂に入ったら、
湯気で湿った鏡に、ハートが書いてあって、
その中に、「おかあさん、だいすき」と書かれていました。
その後、そのお母さんがどうなったか解りますか?
彼女の心を覆っていた硬い鎧にヒビが入りました。
この幼い子供の愛によって。
「愛」って偉大ですね。