今回は「いっぷくからのありがとう」さんの2024年08月15日の記事を紹介します。
「厳しい環境と美しい心」
全ての悩み、苦しみの原因は心が作り出しています。
幸せも、心が作り出しています。
素直な感謝の心さえ持てれば、今すぐにでも幸せになれます。
心の中に憎しみがあっては、幸せに何時まで経っても手が届きません。
今日も、その心を清め、本来の光り輝く魂を表に出す、お話です。
このように書くと、何だかお祓いの効果に似ていますね。
今日のお話は、耳が聞こえない聴覚障がいがあるご両親に育てられた女の子が、
心優しい娘に成長し、そしてお嫁に出て行こうとする時のお話です。
私たち人間は、裕福で、お金の心配もなく、健康で、家族にも取り立てて問題もなければ、
普段は、自分の心の状態を振り返ることも、心の中にある、嫉妬やねたみ、悪魔的な要素に気づくこともないかもしれません。
それゆえに、反省なく、心を清めようなどと自ら思うこともなく
何時までも魂の成長は望めないかもしれません。
翻って、貧困や、事故、病気、死別、リストラなど人生の一大事な環境に置かれると、
その環境から抜け出したくて、あちこちに頭をぶつけたり、苦しみ、もがきます。
悔し涙を流すかもしれません。
ですが、その逆境こそが、私たちの魂にとって、研ぎ石の役割を果たし
私たちの魂をはるか高みにまで連れて行ってくれることもあります。
<引用開始> 「NTT西日本」コミュニケーション大賞受賞作品より
加奈子ちゃんが近所に引っ越してきたのは、まだ小学校三年生のときでした。
ときどきわが家に電話を借りに来るのですが、
いつも両親ではなく加奈子ちゃんが来るので、
おかしいなと思っていたのですが、しばらくしてその訳がわかりました。
加奈子ちゃんのご両親は、耳が聞こえない聴覚障がいがある方で、
お父さんは言葉を発することが出来ません。
親御さんが書いたメモを見ながら、
一生懸命に用件を伝える加奈子ちゃんの姿を見ていると、
なんだか胸が熱くなる思いでした。
今なら携帯電話のメールがありますが、その時代を生きた聴覚障がいを持つ皆さんは、
さぞ大変だったろうと思います。
加奈子ちゃんの親孝行ぶりに感動して、我が家の電話にファックス機能をつけたのは、
それから間もなくのことでした。
しかし、当初は明るい笑顔の、とてもかわいい少女だったのに、
ご両親のことで、近所の子供達にいじめられ、次第に黙りっ子になっていきました。
そんな加奈子ちゃんも中学生になる頃、父親の仕事の都合で引っ越していきました。
それから十年余りの歳月が流れ、加奈子ちゃんが加奈子さんになり、
めでたく結婚することになりました。
その加奈子さんが、
「おじさんとの約束を果たすことができました。ありがとうございます」
と頭を下げながら、わざわざ、招待状を届けに来てくれました。
私は覚えていなかったのですが、
「加奈子ちゃんは、きっといいお嫁さんになれるよ。
だから負けずに頑張ってネ」
と、小学生の加奈子ちゃんを励ましたことがあったらしいのです。
そのとき「ユビキリゲンマン」をしたので
どうしても結婚式に出て欲しいというのです。
「電話でもよかったのに」と私が言うと、
「電話では迷惑ばかりかけましたから」と加奈子さんが微笑みました。
その披露宴でのことです。
新郎の父親の謝辞を、花嫁の加奈子さんが手話で通訳するという、
温かな趣向が凝らされました。
その挨拶と手話は、ゆっくりゆっくり、お互いの呼吸を合わせながら、
心をひとつにして進みました。
「花嫁加奈子さんのご両親は耳が聞こえません。
お父さんは言葉も話せませんが、こんなにすばらしい花嫁さんを育てられました。
障がいをお持ちのご両親が、加奈子さんを産み育てられることは、
並大抵の苦労ではなかったろうと深い感銘を覚えます。
嫁にいただく親として深く感謝しています。
加奈子さんのご両親は
“私達がこんな身体であることが申し訳なくてすみません”と申されますが、
私は若い二人の親として、今ここに同じ立場に立たせていただくことを、
最高の誇りに思います」
新郎の父親の挨拶は、深く心に沁みる、感動と感激に満ちたものでした。
その挨拶を、涙も拭かずに手話を続けた加奈子さんの姿こそ、
ご両親への最高の親孝行だったのではないでしょうか。
花嫁の両親に届けとばかりに鳴り響く、大きな大きな拍手の波が、
いつまでも披露宴会場に打ち寄せました。
その翌日、
新婚旅行先の加奈子さんから電話が入りました。
「他人様の前で絶対に涙を見せないことが、我が家の約束ごとでした。
ですから、両親の涙を見たのは初めてでした」
という加奈子さんの言葉を聞いて、再び胸がキュンと熱くなりました。
<引用終了>
この花嫁の女の子、幸せになって欲しいです。
いえ、きっと幸せになった事でしょう。
幸せとは、自分の心が感じるものだからです。
周りの状況は、関係ありません。
子供の幸せを親ならだれしも望みますが、本当の躾とは、
口うるさく子供を縛ることではなく、
親の生き様、生きる姿勢を見せることかもしれません。
親の一挙一動、心の動きまでも、
子供たちは見ていて、真似るものですから。
心の中に憎しみの種はないか?
心の中に常に感謝の意識が宿っているか?
ご自分の未来の幸せのためにどうぞ、もう一度点検してみてください。