今回は「いっぷくからのありがとう」さんの2024年08月06日の記事を紹介します。
「優しい世界」
今日は荒木忠夫さんの「こころの風景」より、ご紹介します。
<引用終了> 引用元
家族にはいろんな風景がある。
そして、それぞれの風景は、
家族ひとりひとりの、心の風景でもある。
会社勤めの18年間、私はずっと人事部に所属していた。
人事部は一見、華やかそうに見えるが、
実は最もつらい職場なのである。
社員のサラリーマンとしての悲しさを見るのが、
人事部の仕事みたいなものである。
会社勤務の頃、5年に1回行われる会社の大運動会の会場で、
私はある社員の家族の風景を見て、とても感動した。
その大運動会は、会社が大きな遊園地を一日貸切って、
家族ぐるみで行われる大規模なものであった。
その遊園地の大観覧車の下で、
ある社員の家族が楽しそうに弁当を広げていたのである。
両親と小学生の女の子と、幼稚園の女の子の一家四人が、
楽しそうに話しながら弁当を食べていた。
実は、この父親は会社では、
能力的にあまり評価されていない人だったのである。
毎年、配置転換の対象となり、
人事部の私は、職場の上司に頼まれて、
その人の受け入れ先を探し回ったが、
なかなか受け入れてくれる職場が見つからないのであった。
とても真面目な人なのだが、仕事のスピートが遅いのであった。
その父親を囲んで、一家四人が楽しそうに弁当を食べていた。
父親はそんな子供達を見ながら、満足そうにうなずいていた。
父親が会社でどんな評価を受けていようと、
そんなことは、この女の子達にとっては全く関係ないのである。
そして、この子供達にとってはかけがえのない父親なのである。
私は思わす目頭が熱くなった。
その時、小学生の女の子が言った。
「お父さん、今日は楽しいね。いい会社に入ってよかったね」
すると母親が言ったのである。
「そうよ、お父さんのおかげよ」
私はまた、目頭を押さえていた。
そして、その場をそっと離れたのであった。
<引用終了>
皆さんの周りには、こんな方は、いらっしゃいませんか?
もしかしたら、馬鹿にしたり、低く見たり、マウンティングしたりしていませんか?
ですが、どんな人にも家族があります。
奥様や、お子様
そして大切に大切に、生み、育ててくれた
ご両親がいらっしゃいます。
私たちは、人の表面にあらわれた
ほんの一面しか見ることができません。
会社組織は、
エリートだけのできる集団になると
何時しか自壊してしまうそうです。
どんな時も、愛すべき
潤滑油のような人が必要なのだそうです。
色んな人の、いろんな個性を認め
みんなで助け合い、励まし合い
優しい社会を作っていきたいですね。
もう、そこには、孤独で
一人涙を流す人はいなくなることでしょう。