2020年12月12日土曜日

2171「サバイバルモード」2020.12.12

東京都のコロナ感染者が12月10日600人を超え全国各地で増えて来ています。

北海道、大阪等医療崩壊に声すら上がり始めました。本格的冬の到来と共に今後どうなるのでしょうか。

GOTOトラベルの見直しも議論に上がっていますが今後の推移は要注意です。

今後の予想も含めて2020年12月10日のInDeepさんの記事を紹介します。


日本の感染拡大の本番はこれからであることが確定的である中、2020年の終わりはサバイバルモードの入口に


いよいよ「節目の気温」のときに

以前、以下の記事で、「従来のコロナウイルスは気温が下がると感染が爆発的に拡大する」という米金融機関の調査レポートをご紹介したことがあります。従来のコロナウイルスも新型コロナウイルスも基本的には同じ性質を持つはずです。

感染の増加を「数」だけで見ていると社会は終わる : コロナウイルスの感染事例は「正確に気温と反比例する」ことを米ゴールドマンサックスが解析。年明けまでに現在の何倍にも増加する可能性 投稿日:2020年11月15日

ゴールドマンサックスのデータでは、コロナウイルスというものは、おおむね気温が 10℃を下回る状態が続く中で流行が拡大するもので、特に「 5℃以下」の気温からは爆発的に流行が広まることが示されています。

そして、日本でもそろそろそのような気温になる時期なのですね。

東京と北海道を例としていますが、以下は今後の気温の推移の予想です。

 


東京でも、来週には最低気温が氷点下近くまで下がる日がありそうで、感染対策というような要素を考えても考えなくとも、単に「コロナウイルスの性質」から見れば、日本での感染拡大は、今後かなり広がるものと見られます。

こういうウイルスの本質的な性質が変化することは一般的にはないですので、確実だと思われます。

実際、今日(12月10日)なども「東京都で新たに602人の感染確認 初の600人超え」というように、ほぼ全員がマスクをつけて生きている中で、過去最高の感染者数になったことが報じられています。

今後これが何割くらい、あるいは何倍くらい増えていくかということは、地域の気温などによって異なるでしょうけれど、多少ではあっても参考になるものとしては、「全世界の新型コロナウイルスの感染確認者数の推移」があるかもしれません。

以下は、4月1日から、12月8日までの世界の新型コロナウイルスの新たな感染確認者数の推移です。10月からの増加が急激であることがわかります。もっとも、全世界の中には、今が夏の南半球のデータもありますので、あくまで参考的なものとお考え下さったほうがいいです。

 


10月1日から 12月初旬までに、およそ「4倍」となっています。

指数関数的ともいえる増加を示している多くの国では、ロックダウンや部分的ロックダウン、夜間の飲食業の営業禁止、営業時短、マスク着用義務などを課しているわけですが、それらの制限は基本的には効果を示していないことがおわかりかと思います。

ですので、まあ、このような指数関数的な増加が日本に当てはまるというわけではないでしょうが、「いかなる対策にも効果がない可能性」をこのグラフは示している以上、増えるときにはどうやっても増えることになると思われます。

もう少し各国の状況を詳しく見ますと、「極端に悪化している」国や地域が多いことがわかります。

以前、「コロナカオスの最悪期は4月までにやって来る。それは、感染事例と共に激増するロックダウン地獄の中で」という記事で、 11月13日までの世界の感染確認数の増加ぶりをマップで取り上げましたが、12月の最初の週になって、さらに悪化している国が多くなっています。

12月4日までの過去28日間の新たな感染確認数のその前の期間との比較

 


ヨーロッパは比較的横ばいとなっていますが、前回は赤くなかった東南アジアなどの地域も赤くなってきています。いずれにしましても、日本では気温がこれから下がっていく時期なのですから、感染者が増えることは避けられないはずです。

そして仮に「予想を上回る増加を示した場合」日本の当局はどうするかということですね。

欧米を真似て、ロックダウンや、春の緊急事態宣言のような事実上の準ロックダウンを行ったとすれば、これは個人と経済へのダメ押しになるはずです。

かろうじて、この 9ヶ月間何とか生き残ってきた多くの飲食、観光、販売等のビジネスにとどめをさすことになってしまうと考えられます。そして、現在のアメリカのような状態となってしまう可能性さえあります。


タイトルに「サバイバルモード」と入れたのですが、これは、 USA トゥディが、最近のアメリカの世論調査を報じたのですが、その記事のタイトルが「サバイバルモード」でした。

世論調査では、アメリカ人のうちの 38%が、「 2021年はサバイバル状態となる」と答えたのでした。

ここでいうサバイバルとは、勇猛果敢な話ではなく、「 1日1日、生きのびていくことだけを考えて生きるしかない 1年になる」という意味であり、アメリカ人の約 4割がそのように考えざるを得ない状態に陥っているということになります。

この世論調査を含めて、今の多数のアメリカ人の状況を記したアメリカ作家の記事をご紹介して今回は締めさせていただきます。

アメリカでは、今年のクリスマスの翌日には「長期失業手当が失効」し、1200万人が手当てを失う見込みで、また、12月31日で「賃借人からの立ち退きの禁止」も終わるということで、推定では最大 4000万人が立ち退きに直面する可能性があると伝えられています。

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非常に苦痛な年への準備 : アメリカ人の38%は、2021年を「サバイバルモード」で過ごすと述べる

Bracing For A Very Painful Year: 38% Of Americans Say That They Will Spend 2021 In “Survival Mode”  Michael Snyder 2020/12/08

伝統的に、アメリカ人は途方もない楽観主義と共に、年の変わり目を楽しみにしてきたが、今回は物事が非常に大きく異なる。

2020年は、主要都市でのコロナウイルスのパンデミック、相次ぐ暴力、そして 1930年代の大恐慌以来の最大の景気後退がもたらされた年となった。最近の調査によると、アメリカ人の 38%が 2021年を「サバイバルモード」で過ごすことを計画していると回答しており、アメリカの大部分は今後数か月でさらに困難になると予想されている。

多くのアメリカ人が「サバイバルモード」になると想定している最大の理由は、経済的問題のためだ。同じ世論調査によると、アメリカ人の 68%が、2020年にある種の「経済的後退」を経験したと答えている。

回答者の一部は過去 1年間通常の収入を維持していたが、68%が収入が減少したと回答した。そのうち 23%は仕事または世帯収入を失った。20%が予期せぬ健康緊急事態を経験した。18%は、家族や友人に予期せぬ経済的援助を提供しなければならなかった。そして 16%は家族に健康上の緊急事態があったと回答した。 (USA Today)

今年のアメリカでは、7000万人以上が、新たな失業手当を申請している。しかし事態はその後、さらに困難になってきていることが示されている。調査によると、アメリカのフルタイム労働者の約 3分の 1が 2020年に「賃金カットを経験した」 と報じられている。

11月6日から 11日に調査された 984人の専門家を対象とした最近の調査によると、今年はコロナウイルスのパンデミックにより、フルタイム労働者の約 3人に 1人が賃金の引き下げを経験したことが明らかとなった。 (CNBC)

ほとんどのアメリカ人にとって、この過去 12か月間は非常に苦痛な時だったが、現在の新しいロックダウンは、アメリカの経済的苦痛を 2021年まで延長することが確実となったことを示している。

最初のロックダウンによって荒廃したいくつかの産業は、その後もパニックの渦中のままだ。たとえば、アメリカはすでに全国のすべてのレストランの約 17%を永久に失っており、全米レストラン協会は、パンデミックによって被害を受けた業界を支援するための新たな刺激策を通過させるよう議会に公に訴えている。全米レストラン協会は、2020年にすでに閉店した 11万店に加えて、今後 3週間で1万店が閉店する可能性があると述べたことが報じられている。

さらに、飲食系の事業者たちの 83%が、「今後3ヶ月で売上がさらに悪化する」と予測している。

多くの専門家は、2021年への移行に伴い失業数が加速すると予想しているが、収入がなければ、何百万人もの失業中のアメリカ人たちが請求を支払うことができず、ホリデーシーズンの直後から立ち退きの歴史的な津波に直面する可能性があると警告されている。

クリスマスの翌日、1200万人のアメリカ人とその家族たちの生活を支えていた長期失業手当が失効する。そして、それからわずか数日後の 2021年の元日には、アメリカ疾病予防管理センターから出されていた、賃借人からの立ち退きの全国的な禁止も解除される予定だ。

ムーディーズのチーフエコノミストの見積もりによると、その一晩で、700億ドル (7兆円)という前例のない未払いのバックレントと公共料金の請求が発生する。アスペン研究所の調査によると、今後数か月で最大 4000万人のアメリカ人が立ち退きの脅威にさらされる可能性がある。 (Reuters)

アメリカの政治家たちは、ロックダウンは国民の命を守るためだと主張するが、真実はその過程で何百万人、何千万人というアメリカ人の生活を完全に破壊しているということだ。

ロックダウンがウイルスの蔓延を防ぐのに役立ったかどうかについては多くの議論があり、ここではふれないが、現実としてあるのは、何千もの企業が永久に破壊され、何百万人もの仕事が失われ、より多くのアメリカ人が自殺しているということだけだ。

何百万人ものアメリカ人がすでに、今日生きることができるかどうかというサバイバルモードにあり、今後もこの状況に明るい兆しが生じる見通しはない。