2024年11月21日木曜日

3618「子供が教えてくれた」2024.11.21

 今回は「いっぷくからのありがとう」さんの2024年11月10日の記事を紹介します。


「子供が教えてくれた」


今日のお話は、以前ご紹介したこともありますが、最近読者登録くださった皆さんの中にも、

同じようなことで苦しんだり、悩んでいらっしゃる方がいる様でしたので、加筆して掲載します。

小林正観さんが、悟った瞬間と言っても良いお話かもしれません。

日常の何気ない生活の中や、絶望のさ中と思われる時に、

神様の導きが行われることがよくあります。

神様の奇跡は、決してサーカスのように鳴り物入りで、

耳目を集め起きることではないと思います。

日常の何気ない生活の中にこそ、神様の様々な奇跡が行われています。

正観さんは、ブッダや、空海の弟子の時もあったそうです。

<引用開始>

30歳のとき結婚しました。

結婚後3年間は子供ができませんでした。 

33歳のとき、子供を授かりました。

なかなかできなかった子供なので、

よろこびの「慶」を命名しようと心待ちに待っていました。

7月14日(パリ祭の日)、その子が生まれました。

知恵遅れの障害児でした。 

別室に呼ばれて、私は医師からこのように宣告されることになります。

「この子は先天的な障害児です。

手術によっても、薬によっても、リハビリによっても治ることはありません。 

この子は生まれなかったものと思ってください」・・・。

目の前が真っ白になりました。 

「目の前が真っ暗になる」という表現はよく使われますが、

実際に体験した者の立場で言うと、真っ黒になるのではなく、真っ白になるようです。 

真っ白になった風景が徐々に薄れていき、

目の前に再びその宣告をした医師が見えたときは、

その医師を含む部屋中の風景がモノクロになっていました。

白黒だけのグラデーションの世界です。

それから半年間、私は色の付いていない、モノクロの風景を見ることになりました。 

一番困ったのは、天気がわからないことでした。

窓の外を眺めても、晴れているのか(空が青色なのか)、

曇りなのか、雨なのか、見ただけではわからないのです。

季節感もなくなり、花の色、緑の色、木の肌の色、そして人の顔色なども全くわかりません。

半年ほどたった1月16日は休刊日でしたので、

私は15日に届いた膨大な付録の部分を読んでいたのです。

その記事の一つに、このようなものがありました。

── 新生児の600人に1人は、障害を持つ子供が生まれる。

あなた方も20歳になって、将来結婚をするであろうから、

その生まれる子供に障害児が生まれてくる可能性もある。

そういうこともあるのだ、ということを知っておきなさい── 

というようなとても短いコラムでした。

このコラムを真剣に受け止めた人は少なかったと思います。

ただ、私にとっては、この小さなコラムが救いでした。こう思ったのです。

「慶子ちゃん、うちに生まれてきてよかったね。

600人に1人、障害児として生まれてくるのであれば、

慶子ちゃんは、どこかの家を選んで必ず生まれなければならなかった。

そのときに、小林家の両親を選んだというのは、ものすごく良い選択をしたと思う。

私は障害がある子をいじめたり差別をしたりはしないし、

私の妻もやさしい人だから、いじめたり差別をしたりはしない。

慶子ちゃんは、そういう両親を選んで生まれてきたんだね」

とそう思った瞬間に、半年前に失っていた「色」が戻りました。

風景に色が付いたのです。

瞬間の出来事でした。 

半年間、私は苦しんでいました。悩んでいました。

なぜなら、生まれた子供を受け入れることができなかったからです。

しかし、そのとき、目の前に乗り越えるべき大きな障害や

障壁が立ちふさがっていると思っていたものが、

実は 幻 であったということに気が付いたのでした。

私自身が障害や障壁だと思っていた大きなものは、私の認識だけの問題 だったのです。

私が「慶子ちゃん、よかったね」と思えた瞬間に、その問題は消滅していました。

努力や苦労をして乗り越えたのではなく、乗り越えなければならないと思っていた障害や障壁が、その1月16日の瞬間に消滅したのです。 

乗り越えたのではありません。

乗り越える必要がない状態になったのでした。

生まれてからわずか半年後に、この慶子は私に大きなことを教えてくれました。

悩み・苦しみというのは、実はその目の前の現象を否定し、

受け入れないところから生じているのだということを。

私たちが目の前の現象について悩んだり、苦しんだりしているときは、

それを受け入れていないということなのです。

否定をしているということにほかなりません。

<引用終了>

小林正観さんは、この障害を持つお嬢さんの誕生によって、大きな気付きを受け取りました。

まるで神様からの贈り物ですね。。 

ですが正観さんでさえ、その悟りまでに半年を要しました。

苦しみの原因は、それを受け入れていないと言う事。

受入さえすれば、一瞬でそれは苦しみではなくなると言う事、

これこそが、ブッダの説いた「般若心経」の真髄です。 

悩み、苦しみの種に見えた現実を 

・受け入れた瞬間、

・感謝できた瞬間

それは、恵みの種に変わったのでした。 

この気づきによって、悟りによって、

どれだけ多くの方が、正観さんの著作や、講演を通じ、救われたことでしょうか? 

慶子ちゃんの誕生によって、絶望の淵にまで落とされていた正観さん、

そして半年後の悟り、そしてそれが開花して、

何十万人もの多くの人の心の救いに繋がりました。

それは、全て慶子ちゃんの誕生から始まりました。 

慶子ちゃんが生まれなければ、

後に、これほどまでに多くの人の心が救われることはなかったのです。