2026年5月13日水曜日

4256「これからの日本での生き方を考えてみる」2026.5.13

今回はIn Deepさんの2026年5月3日の記事を紹介します。

「これからの崩壊がどんな様相を呈するのかは不明ながら、ソビエト連邦崩壊時の状況から、これからの日本での生き方を考えてみる」

 これからの崩壊がどんな様相を呈するのかは不明ながら、ソビエト連邦崩壊時の状況から、これからの日本での生き方を考えてみる - In Deep


ソ連崩壊時の体験談から考える今後

日本が今どういう方向に進んでいて、現在どういう状況にあるのかは、実際のところはわかりにくいのですが、「何らかの崩壊」という方向に進んでいることは確かなような気はします。

全面的な崩壊ではなく、「何らかの」です。

それが食糧危機的なものになるのか、それとも、プラスチック文明全体に亀裂が入るような根本的な事態となるのか、あるいは燃料・エネルギー危機がさらに大きくなるのかどうか、など、それぞれが「そうなってみないとわからない」面はあります。

私がふだん読んでいるようなウェブサイトはアメリカやヨーロッパのものが多く、そこでは、「食料危機」や「エネルギー危機」などの方についてはよく語られますが、「プラスチックの枯渇」の話題が出ることはないです。

これらの国々では、日本ほど根幹的な(ナフサも重油も足りていないというような)危機感は実感としてないようで、そのあたり、日本は特別な崩壊傾向の渦中にあるという気もしないでもないです。

化学産業

徐々にとはいえ、プリンやゼリーや豆腐の容器や、納豆や缶詰やパンの袋まで不足しつつあるというような、少なくとも私の人生では過去に例を見たことがないような状態が現実として現れています。

「こういう崩壊は…」

と考えますと、

「ソ連の崩壊と似ているのかなあ」

などと思いまして、ソ連崩壊の際に現場にいて、その時の経験を 2009年に講演で語った、ドミトリー・オルロフさんという方が述べたことを少しご紹介したいと思います。公演の内容は今も残っています。以下にあります。

社会崩壊への最善策

Social Collapse Best Practices

Dmitry Orlov 2009/02/13

ここからいくつかの概要を抜粋したいと思います。これは最初は、今から 17年前の 2009年3月17日のヤスの備忘録の記事で知ったものです。

ドミトリー・オルロフさんのこの講演の内容は、

「アメリカがソ連と同じような崩壊に至った場合」

のことを想定して述べていますが、まず、国家の機能が維持できなくなると、

「物流が消えていく」

という事態が始まります。少なくとも、ソ連ではそこから始まりました。

これは、現状の燃料の不足、燃料高騰の中でも起こり得ることですが、ソ連の場合は、その後このようになっていったようです。 

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2009年のドミトリー・オルロフ氏の講演の概要より


国家の機能が維持できなくなると、通貨の価値の大幅な低下となって現れる。つまり、ドルの紙くず化である。(ソ連の場合は、ルーブルが紙くず化した)

アメリカは原油の大半を輸入に頼っている。ドルの大幅な減価は、原油価格の極端な高騰となって現れることは間違いない。これがソビエト崩壊時のルーブル下落で起こった現象だ。

原油価格の急騰はガソリンが手に入らなくなることを意味する。これを安易に考えてはならない。

ソビエトではこのため、トラックによる国内の物流システムがほとんど停止してしまったため、モノ不足が深刻化した。

スーパーや店頭からものが消えるのである。アメリカでも同様の現象が起こることは間違いない。

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まずは、ここまでです。

> スーパーや店頭からものが消えるのである。

は、今の日本でも少しずつであるとはいえ、起きています。建築資材から食品関係、医療用品に至るまで、それは起きつつありますが、現在の日本の場合は「まず物流が崩壊して」起きたことではなく、

「特定の原材料が高騰、不足して起きた」

という部分がソ連崩壊のときとは、やや違うかもしれません。

特定の原材料とは、ナフサ、石油由来のさまざまな材料や、重油などの燃料そのものの不足、枯渇の両方を含みます。今はアルミも足りていないですね。

化学産業

しかし、何らかの理由で「スーパーや店頭からものが消えた」としても、流通環境が元に戻れば、また店頭にものは復活してくることにもなりますが、今回はどうなんだろうと。

作家であり投機家のダグ・ケーシー氏は、現在が「第三次世界大戦の渦中であるならば」と仮定して、以下のように述べています。

ダグ・ケイシー氏のインタビューより

大きな問題は、私たちが今、第三次世界大戦に突入しているかどうかだ。私は突入していると思っている。米国は軍事予算を 50%増額し、欧州諸国にも軍事費を倍増するよう圧力をかけている。ウクライナでの戦争は続いており、欧州諸国はそれをさらに拡大しようとしている。

また、現在皆の注目を集めている米国・イスラエルとイランの間の戦争も、すぐに終わるとは思えない。何ヶ月、あるいは何年も続くだろう。

そして、米国やイスラエルがイランをあまりにも追い詰めた場合(その可能性は高い)、イランは地域へのドローンやミサイル攻撃だけでなく、全面的なサイバー戦争で報復する可能性がある。世界はコンピューターで動いているため、それは核戦争と同じくらい壊滅的なものになりかねないのだ。

現時点では、この戦争は中東のエネルギー供給を破壊または阻害することに集中している。しかし、このままでは終わらないだろう。

なぜなら、世界の人口の3分の2を占めるアジアは、ペルシャ湾からの石油化学製品に完全に依存しているからだ。彼らは、戦争によって経済が破壊されるのを傍観しているわけにはいかないのだ。

私たちは深刻なエネルギー不足に備えるべきだ。

Doug Casey

ダグ・ケイシーさんは、現在のエネルギー価格の上昇やエネルギー危機は「一時的な混乱ではない」と見ていて、世界全体の混乱は長く続くだろうとしています。

そして、アメリカも当然大きな影響を受けるにしても、現在の石油危機あるいは天然ガス危機を圧倒的に受けているのはアジアであり、その中でも中東依存度の高い日本は最も影響を受ける構造になっています。

 

それにしても、これは先々週あたりのメルマガにも書いたのですが、

「なんだか日本は仕組まれたんじゃないかなあ」

みたいなことを思わなくもないのですが、これは、矢作俊彦氏原作/大友克洋氏作画の『気分はもう戦争』(1982年)という 40年以上前の漫画の内容を思い出したものでもあります。

『気分はもう戦争』では、中国とソ連の間で戦争が勃発するのですが、終戦後、最も経済的にダメージを受けたのは日本だったということになっています (1ドル 400円以上となり、GDP は世界 20位程度に)。

まあ、それはともかく、話をソ連時代に戻しましょう。


崩壊時の都市部と地方のそれぞれの弱点

経済や国家体制の崩壊時に住む場所として、一般的には「都市部は良くない」と言われることがあります。地方や田舎に住んで、できれば、自給自足を目指すべきだと。

しかし、完全な自給自足ができている場合はともかくとして、それができていない場合、地方では問題が起きる可能性もあり得ます。少なくとも、ソ連の崩壊時はそうでした。

先ほどのドミトリー・オルロフさんの講演からです。

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2009年のドミトリー・オルロフ氏の講演の概要より

第二次世界大戦中のソ連での家庭菜園運動

sciencedirect.com

…そのような状態(国家の機能が停止した状態)でも最後まで稼働しているのが都市の公共交通機関だった。

したがって、ものは不足しているものの、都市にいる限り移動の手段には困らなかった。

また、都市では電気、ガス、水道などのライフラインも最後まで供給は止まらなかった。生活の基盤となるインフラが維持されているので、生活はなんとかなった。

一方、郊外の一軒家など移動の手段が自家用車しかない地域で生活している人達はたちまち孤立することになる。(ガソリンが手に入らないため)

完全な自給自足の体制ができていない限り、郊外や田舎の生活は勧められない。こうした地域には自治体のライフラインも早いうちに供給停止になるため、生活の維持は本当に難しくなる。

危機に際しては、ソビエト国民はアメリカ国民よりもはるかに有利な立場にいたように思う。まず、狭く窮屈な環境ではあったが、全国民に団地のようなアパートが提供されていた。

そしてアパートの住民たちは、通例家庭菜園をもっており、それはアパートのすぐ近くにあった。そこから採れる野菜を食べることが日常の楽しみでもあった。

このようなライフスタイルのため、ソビエトが崩壊してもホームレスは存在せず、また餓死者もほとんど出ることはなかった。

また、アパートは自立した共同体としての特性をもっていたため、住民同士で助け合い、苦しいときをしのいだ。

しかし現在のアメリカは、かなりの数の国民が郊外の一軒家に住んでいる。こうした住宅街では、家庭菜園どころか、食料をはじめほとんどすべてのものをスーパーやファーストフードのチェーン店に依存している。

物流のシステムが停止すると、こうした地域の住民はすぐに飢えるので、都市への人口の大移動が起こるだろう。

Dmitry Orlov

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ここまでです。

少なくとも、ソ連の崩壊時には、都市部ではインフラが維持されていた一方で、地方ではライフラインが早い段階で止められたため、なかなか厳しい状況だったようです。

もちろん、これはソ連の話であり、一般に当てはめられるものではありませんし、やはり地方での自給自足は強いものだと思います。ただ、食料生産手段を持たないままで、「何となく地方に行く」のはやめたほうがいいと。

なお、ソ連の崩壊時あるいは崩壊後、

「最も役に立った人々と、最も役に立たなかった人々」

について、ドミトリー・オルロフさんは以下のように述べています。

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2009年のドミトリー・オルロフ氏の講演の概要より

theguardian.com

家庭菜園など、自給できる状態を高く維持することは当然大切だ。

また、家族や隣近所の人々とコミュニティーを作り、今から、いざというときに備えるべきだろう。

ソビエトの崩壊時でもっとも邪魔になったのは、社会的地位の高い 50代の男性たちだった。

仕事を失い、高い社会的地位を追われた彼らは、自我を傷つけられ、国家がどうの、社会がどうの、システムがどうのと悪態をついて飲んだくれ、粗大ゴミ化する。

まったく役に立たないどころか、生活をなんとか維持しようと頑張っている人々の足を引っ張る。こうした人々とは関わりにならない方が無難だ。

反対に、新しい環境にもっともよく順応し、食糧生産などに労を惜しまないのが主婦を中心とした女性たちだった。

彼女らは、かつての社会的地位が高かろうが低かろうが、作業着に着替え、労働に精を出した。

Dmitry Orlov

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ここまでです。

社会の崩壊時には、もうかつての社会的地位とかは関係ないのです。淡々とサバイバルをしていくしかないのでしょう。

そのためには、無理をしない程度の準備は必要だと思われます。

日本の崩壊がソ連的なものになるかどうかはわからないですが、ソ連はソ連で、その後見事に復活、発展したわけであり、いつかはまた日本も復活していけるのだと思います。

おそらくは。