私が日頃、愛読している「しあわせ通信」の立花大敬さんの毎年の年運の見立ても、とても参考になります。2017年1月号のしあわせ通信の年頭の「平成29年 易のアドバイス」の内容を紹介します。
「平成29年 易のアドバイス 」
新しい年の初めにあたって、今年も易の神さまに、私たち、志を共有する仲間が、この一年間を無事に歩んでゆくために必要な注意点のアドバイスをお願いしました。
今年の卦は、『雷山小過(らいざんしょうか)』でした(図1参照)。
なぜ、『小過』なのかというと、この卦には、陽爻(こう)(-)が二つしかなくて、陰爻(- -)が四つもありますね。陰(小)が、やや過剰になっている状態なのです。
この卦の場合は、「陰」を「小なる者」と見ます。
「小なる者」とは、「器が小さい者たち」、「狭いエゴに閉じこもって、自分あるいは自分たちの仲間だけの、目先の利益を図る者たち」という意味です。
そういう「小なる者」がはびこっているので、なかなか思うように計画が進んでゆきません。しかし、ロングスパンで見ると、事態は私たちが目指す方向に、間違いなく進んでゆきつつあるので、そんな思うに任せない状態であっても、自棄の気持ちをおこしてはいけません。
易経の本文には、『小事には可なり、大事には可ならず』とあります。
こんな、「小人跋扈(ばっこ)する時期」ですから、無理に大事業に乗り出そうとしたり、大問題に取り組もうとしてはなりません。
日常の細々した仕事、課題を誠実に、淡々とこなしてゆけば、それでいいのです。
『今はこんな状態だけれど、先にはきっと新しい展開があるんだ』と楽しみ信じて、「時を味方」にしておればいいのです。
この小過の卦は、上下背きあう時期を示すとされています。
なぜなら、図2のように、上卦は上向きの人で、下卦は下向きの人を表し、顔をそむけて、背を向け合っている「象」だからです。
このように、この卦が出れば、組織の分裂や食い違いによる困難に直面する可能性があります。 そういうこともあるので、新しい大きな取り組みをスタートすることは控えるべきなのです。
また、図3のように、小過は、飛ぶ鳥の「象」です。
真ん中の二本の陽爻が鳥の本体で、上の二本の陰爻と、下の二本の陰爻が左右の両翼を表しています。
右の翼だけ、左の翼だけでは、鳥は決して飛ぶことはできませんね。
これは、一体のいのちなのに、背きあい、反目しあう事の「愚」を示しています。
また、我が力に任せて、鳥が上へ上へと飛んでゆくとします。
さて、ある高さまでたどり着くと、そこにねぐらがあるのでしょうか。
いえ、空中にはねぐらはありませんね。ねぐらは、地上にあって、憩い、いのちの充電をするためには、やはり、地上の巣まで下ってこなければなりませんね。
今年は、「いのちを発揮する年」ではなく、「いのちの充電をする年」なのですから、下って、下って、少し過剰なぐらいへりくだって、周囲に細かく気を配って、波風が立たぬよう、謙虚に過ごすべきなのです。