2023年7月23日日曜日

3131「素直になれたら」2023.7.23

 今回は「いっぷくからありがとう」さんの2023年07月11日の記事を紹介します。


「素直になれたら」


今日のお話は、元伊勢道場長、中山靖雄三のお話をご紹介します。

障害のある弟さんを持った、お兄さんのお話です。

障害を持って生まれてくることも、全て生まれる前に、

・ある目的を立て

・その目的を達成するために計画を立て

・この世に出てから関係することになる人たちの承諾を得て

・神様にその計画を承認していただき

・生まれる瞬間の星の影響などを考慮して 

生まれて来るようです。 

綿密な計画です。

特に障害を引き受けて生まれてくることは、進化の進んだ魂にしかできません。 

そして本人だけでなく、周りにも大きな波紋を投げかけます。 

ですが、その波紋は、魂の輝きを増すための大きな大きな試練の波紋です。 

当人たちが、天に帰った時、その大きな意味が明かされることでしょう。 

では、今日のお話を始めます。

<引用開始> 引用元 


修養団で三泊四日の研修を終えられた最後の日に、

「帰ったら弟にごめんなさいって、お詫びをしたいと思います」

と言ってくださった方がおられました。

「私の弟は耳が聞こえません。

そしてしゃべることができません。

その弟と、おふくろと私と三人暮らしなんです。

親父が早く死んで、私が父親代わりで今まできました。

おふくろや弟を大事にしてやらなきゃいけないってことは、いやというほどわかっていましたが、なかなかできませんでした。

今はおふくろに、『母ちゃんは弟のことが心配なんだろう?俺に安心して任せておきなさい』って言いたい気持ちがしています。

だけど、家に帰っておふくろの顔を見たら、照れくさくてとうていそんなことは言えないような気がします。

ただ今日は家に帰って、弟を一回抱きしめて、言っても聞こえませんが、今までごめんって、お詫びをしたいと思います」

そう言われたのです。

それを聞いて、「明日の朝、電話を入れるから話を聞かせてね。絶対嘘つきにならんといてね」と言って別れました。

翌日、電話を入れると、私からの電話を待っていてくださったようでした。

「先生、やれました」そうおっしゃいました。

「ただいま」と帰ったら、弟が部屋にいた。

「謝ろう」と思ったのに、なんとなく体が動かない。

お兄ちゃんがいない間は、鬼のいぬ間でのびのびしていた弟も、お兄ちゃんが帰って来たら、また「やられる」と思ったのでしょう。

気配を察して、弟が慌てて遊び道具を片付けて、外に遊びに出かけようとしたのだそうです。

その時、弟の後ろ姿にだったから言えたのかもしれないけど、

「今までゴメンだったね」と言えたというのです。

今まで弟のせいで、自分がいじめられることもあり、心の底では悪いなと思いながらも、

やり場のない思いを幼い弟にぶつけてしまっていた。

言葉で抵抗できない、ものを言えない弟をいじめていたのだ、というのです。

それをお母さんはずっと見ていて、知ってはいても、お母さんもお兄ちゃんのつらい気持ちを思うと叱ることもできず、そんな兄を見守るしかなかったという家庭だったといいます。

弟に申し訳なかったと思っている今の気持ちを、なんとかわからせたいと思い、外へ飛び出した弟を追いかけた。

すると、弟が必死に走って逃げだすのです。

「逃げんでもいいぞ」と言っても、弟には聞こえない。

いくつめかの信号でやっと襟首を捕まえたのですが、逃げようとして七転八倒します。

なんとか、今の気持ちをわからせたいと思うけど、どうにもならない。

しかたがないから、襟首をぐっと引きずり寄せて、回れ右させてて、自分の体に押さえつけるように抱き寄せながら、「ごめんね、ごめんね」って、体をさすってみたのだそうです。

もがいていた弟も、いつもならボカボカってやられるのに変だな、と思ったのか、ほっと顔を上げたのだそうです。

その弟のなんとも言えない恐々とした表情を見た瞬間、あふれる涙を止めることができなかったといいます。

その流れだす涙が弟の顔にもポトリポトリと当たって、弟にも何かが伝わった。 

「先生、あいつが、何をやってくれたと思う?俺の首ったまに、パッとぶら下がって、

『あ~っ』って、声にならん声を一生懸命搾(しぼ)り出そうとするんだ。

もし、ものが言えたら『にいちゃん、こんな嬉しいことはないよ、ありがとう』

と言いたいんだろうなって思ったら、もうたまらなくて、みんながいる往来で

『ごめんな、ごめんな』の繰り返しでした」とおっしゃいました。

 

それから一緒に家に帰って、お風呂に入って、ご飯食べて、お母さんが布団を並べて敷いてくれたそうです。

いつもは必ず、布団を離して隅に持っていこうとする弟が、その日は並んだ布団にすぽっと入って、すやすやと寝ている。

「言うても聞こえんし、寝てるし、わからんと思ったけど、布団の上から『今までゴメンだったね、ゴメンだったね』って、もう一度、お詫びをさせてもらいました。

こんな思いが、いつまで続くかわからんけど、精一杯大事にしてやりたいなぁ。

そんな気持ちでいっぱいなんです」とおっしゃいました。

みなさん、いろんな条件があるでしょう。

それぞれの条件の中で、今を喜びに変えながら生きていくこと。

それが、世界を清めていくのです。 

発達障害のピアニスト 野田あすかさんがいらっしゃいます。 

22歳で発達障害とわかるまで、両親は自分たちを責め続けたそうです。

彼女が22歳の時、障害のパニックから自宅の2階から飛び降りて右足を粉砕骨折してしまいました。

その後遺症のため、現在でも杖がなければ歩くことができず、日常生活では車椅子が必要です。 

想像してみて下さい。

その時の彼女の心ご両親のお気持ち 

話を戻します。

このお兄さん。

さまざまな条件の中、素直になれなかったその方も、

初めてその人本来の本性(ほんせい)に立ち戻ったのですね。

そこに気づかなかったら、勝手な思いのままの性(しょう)でいってしまいます。

しかし、どんな人も、 

出来事を良し悪しにせず、その条件の中で喜びに出会うご縁をいただいているのだと

気がつきさえすれば、本性に立ちかえることができるのです。

人の本性はみな優しいのですから。

本性に立ちかえると、自分の心が安らげます。

大きな祈りの中で過ごせるものを、みんな生まれながらにして持っているのです。

<引用終了> 

 

みなさん、置かれた場所は異なります。

何の悩みも苦しみも葛藤もない環境の人も悲しみ苦しみの中にいらっしゃる方も、そして、いろんな条件の中で、今あるもの、与えられているものを見い出し、感謝して、花を咲かせようとする人もいます。

不平不満、呪いの言葉を口にする人もいます。

生きているうちに

・地獄に住む人

・天国に住む人と 

分かれてしまいます。 

ですが、きっと神さまは、私たちが生まれてくる時に、どんな環境の中でも喜びを見出し、みんな仲良く、感謝の心で過ごしてくるのですよ。。

 そう言って、送り出してくださったのだと思います。 

もうしばらくして、私たちが、再び天に戻った時、神さまの、悲しむお顔は、見たくないですね。 

笑顔でお会いしたいですね。