2023年8月7日月曜日

3146「『世界的なコメ危機』に突入した中」2023.8.7

 今回はIn Deepさんの2023年07月26日の記事を紹介します。


「世界的なコメ危機」に突入した中、グルテンアレルギーのある方や、そのようなご家族がいる方は、代替食備蓄を少し始める時かもしれない

https://indeep.jp/rice-port-emergency/


グルテンを摂らなくなって6年目くらいの夏に

毎日、ポカポカと暖かいですね(いい加減にしろ)。

暖かい日差しの日々はともかくとして、私が、グルテンというのか、つまり小麦を摂らなくなって…… おそらく 6、7年くらいになるのでしょうかね。

私の場合、何をやっても原理主義になったり、あるいは意固地になる性質があるせいか、「なるべく小麦をとらない」のではなく、完全にやめた方の人なんですが、それ以来かつて好きだったけれど、一度も食べていないものについて、少なくとも外食については、以下のようなものは、この 6、7年、一度も食べていません。

ラーメン、パスタ、そば (十割そば除く)、うどん、ソーメン、パン、ピザ、ギョーザ、シューマイ、ハンバーグ、カレー、シチュー、天ぷら、フライもの全部(竜田揚げ除く)、カツ、クッキーやケーキなどのお菓子のたぐい……とか、なんやかんやなんやかんや……ということになります。

わりと、もうなんでもかんでもですね。

私が、人にグルテンフリーを勧めない理由はここにあります。完全に行うには大変すぎるのです。

特に若い人などは、原理主義的な完全グルテンフリーを実践すると、

「社会生活が成り立たなくなる」可能性さえあります。

そして、先ほどのリストでもおわかりになるでしょうけれど、私が小麦をとらなくなって知ったことは、

「現在の日本食の基本は、小麦粉」だということでした。

お米ではないです。

なお、ヨーロッパ等では、グルテンフリーの食事をしている人々は割と多いようですが(データによりまちまちですが)、日本に関しては、最近の調査で以下のようになっています。



2021年12月の調査です。

このように、「ほぼグルテンをとらない食生活を実施している」という回答は、0.5%だけでした。きわめて少数派です。

私はこの 0.5%に含まれるのですけれど、この結果はよくわかります。

すでに発狂しているような人間でないと、厳格なグルテンフリーは現在の日本の生活では難しいです(私は、23歳の時から恒常的に発狂しています)。

まあ……私という人間は「意固地」になりやすいのですよねえ。2020年の初めの頃だったか、銀行か何かで「無理矢理、手に消毒剤をかけられそう」になった時に、(`ヘ´) プンプン状態になりまして、

「オレはもうこれから石鹸も消毒剤も絶対に使わないぞ」

と決めてから 3年半以上が経ちました。この 3年半、一度も石鹸を使っていないという意固地ぶりです。もちろん消毒剤も一度も手につけていません。こちらの記事などに顛末を書いています。

 

それはともかく、グルテンフリーの話に戻りますと、なぜそんなことを、その 6、7年前に始めたのかというと、当時、体調が大変に良くなくてですね。それも「何々の病気である」とかではなく、なんだか具合が良くない、のです。

いろんな不調が同時多発的にやってくる。

何かのワクチン接種後にも似た話を聞きますが、不調の理由がわからない。

いろいろ調べている中で、「グルテン」なんてものが浮上してきたのですが、明確に「そうかなあ」と知ったのは、テニスのノバク・ジョコビッチさんの書いた『ジョコビッチの生まれ変わる食事』という 2015年頃に発行された本を読んだ時でした。ジョコビッチさんはその後、ワクチン云々でむしろ有名になりますが、その前です。

テニスにはまったく興味がない (ルールも知らない)私がこの本を手にした理由は今でも不明なんですが、これを読んで、ここでジョコビッチさんが医師から言われて実践したことを試してみて、

「ああ、オレも同じだ」と感じてからのことでした。

それは、

「 1週間から 10日間、完全に小麦を食事から除き、その後、何でもいいので、小麦を食べる」

ということで、それで翌日あたりから調子がまた悪くなったのなら、不調の原因がグルテンである可能性がある、ということで、逆に、それで何でもないのなら、原因はグルテンではない可能性が高いということにもなります。

私もジョコビッチさんのように、10日くらい完全に小麦を食事から取り除き、そして、10日後くらいにまた小麦を食べましたら、

「見事に翌日から具合が悪くなった」のでした。何度か繰り返して同じでした。

これがグルテンフリーを始めた理由ですね。

好きだったラーメンもパスタも、立ち食いそばも、パンもピザともお別れだ、とその数年前に思い、今に至るまでそのまままという感じです。

基本的にはこの 6年、7年、それらを一口も口にしていません。

なお、先ほど、「少なくとも外食については」と書いたのですが、食べたいものに関して、「自宅で何とかする」という方向しかないわけで、実際、パスタにしても、ラーメンにしても、麺類に関して小麦の「代替」製品は数多くあります。

ギョーザの皮にしても「米粉の皮」というのが存在します。

カレーやシチューなども、市販の一般的なルーとか外食では、100%小麦が含まれていますので、自分で作るという選択肢だけなのが現状です(カレールーにも小麦を使わないものがたくさんあります)。

 

それでまあ、今回の話は、最初に書きましたように、グルテンフリーをお勧めする話ではなく、「実際にグルテンの遅延性のアレルギー (グルテン不耐性)がある」方、あるいはご家族にそのような方がいらっしゃる方に向けて書いています。

その内容は、

「今後、小麦の代替食品の価格が高騰、あるいは品薄になる可能性がある」

ということにおいて、

「多少の備蓄なり何なりをされたほうがいい時期かもしれない」

という話です。

グルテンアレルギーの方以外には、ご興味のない話だと思いますが、穀物事情はなかなか緊迫してきているように思います。 

 

世界的なコメ価格の高騰

最近、世界最大のコメ輸出国である(であった)インドが「コメの輸出を基本的に全面停止した」ということがありました。

その後、さきほど、地球の記録に書いたのですが、「アメリカの一部でコメのパニック買いが始まり、価格も急騰している」ことが報じられています。

[記事] インドがコメ輸出停止を発表した後から米国で「コメのパニック買い」が発生。地域により価格は一気に3倍以上に 地球の記録 2023年7月26日

 

特にインド系アメリカ人の間でパニック買いが起きているようですが、これは「日本のお米のご飯」には関係しない話です。

日本での主食のとしてのお米は、ほぼすべて国産のもので、今年、極端に、日本のコメ生産量に問題が出ない限り、日本の食卓のお米がどうこうするものではないです。

しかし最初に書きましたように、グルテンフリーの立場から考えますと、今回のインド発の「コメ危機」は、結構厄介なのです。

先ほど「麺類の代替はいろいろとある」というように書きましたが、たとえば、日本でコメの麺を作っている企業として、最大かどうかはわからないですが、著名な企業に(ケンミンの焼きビーフンの)ケンミン食品があります。

ここは、ライスパスタというようなものも作っていて、一般用に売られているものは知られています。

しかし、実は、ケンミンは、「業務用」として、さらにお得な( 1kg で 1000円以下)のライスパスタも販売していまして、業務用とはありますが、こちらにありますように、アマゾンなどで普通に販売されているものです。量としては、小食な人ならずいぶんともちそうな量です。

そして、このような製品を含めて、ライスの麺の原材料は、基本的に、

「タイ米」が多いのです。

スーパーで、他のメーカーのビーフンだとか、そういうものも見てみましたけれど、日本米のものもありますが、「米 (タイ産)」と書かれてあるものが多いです。

つまり、これらの、お米から作られている国産の麺の原料は、タイ米であることが多いのですが、先ほどのアメリカでコメのパニック買いが起きていることをお知らせした記事では、

「コメ価格の高騰が、タイ米と、ベトナム米にのしかかっている」

ことをデイリーメールが伝えていたことを書いています。

コメの世界輸出は、インドがダントツの世界一で、2位がタイ、3位がベトナムです。

コメの輸出量

 

ここからインドの輸出が「消えた」わけで、しかも、タイでは現在、「エルニーニョによる水不足を避けるために、コメの生産量を減らすように」と政府が、農家の人々に要請しています。

(報道翻訳) タイ政府が米作農家に、「エルニーニョによる水不足に備えて、コメの生産量を減らすように」要求 BrainDead World 2023年5月13日

厳密には、「二期作を一期作にしてほしい」と。

それがなされないとしても、すでに、インドのコメ輸出撤退により、タイとベトナムのコメに需要が殺到することが考えられます。

 

コメは、世界の 30億人の主食であるのですが、しかし、生産している国は、基本的にアジアの一部です (お米の栽培は難しいのです)。

日本のお米は、日本食には大変に素晴らしく合いますが、南アジアや東南アジアの食文化にはあまり馴染まないものですので、中国など以外での海外での需要は限られていると思われます。

「主食」というものは、種類がそんなに数多くあるものではないだけに、今回のインド発のコメの問題は、次に小麦にも波及すると思われます。

コメにしても、小麦にしても、今のところ最終的な今年の収穫量はわからないですので、今後どうなるかはわからないですが、オランダの農業組織向けの大規模金融機関であるラボバンクの穀物アナリストは先日、

「今年、小麦不足が起きる可能性が高い」

と述べていました。

[記事] ラボバンクのアナリストが「今年、世界は小麦不足に直面する可能性がある」と警告 地球の記録 2023年7月21日

コメに関しては、今年 4月に、信用格付機関フィッチが、「世界のコメ不足は過去20年で最大になる」と予測しています。

[記事] 「世界のコメ不足は過去20年で最大になる」と信用格付機関フィッチが発表。…日本の近年最大のコメ不足時と同様の強力エルニーニョが迫る中で

 In Deep 2023年4月22日

 

しかし、このフィッチが予測していた時点では、「インドがコメの輸出を禁止する」ことは、まったく想定されていなかったはずです。

それがなくても、今年は極端なコメ不足になると予測していたのでした。

フィッチのアナリストは、以下のように述べていました。 

> 次の 5年間、インドが世界のコメ生産量の「主要エンジン」であることを示唆している。

 

そのインドがコメの輸出を停止したというインパクトは大きいと思います。

さらに、農業分析会社のグロ・インテリジェンスのアナリストは、 

「中国は世界最大のコメと小麦の生産国だが、現在、中国のコメ生産地域では 20年以上で最高レベルの干ばつに見舞われている」

と述べていました。

コメに関する世界的な供給については、どうやら「最悪の状態に入りつつある」と考えられると思われます。

中国の収獲の状況次第では、「中国政府のコメの爆買い」に発展する可能性もあります。

[記事] 中国の穀物輸入量が過去最高を記録。猛烈な勢いで世界中から食糧を買い続けている 地球の記録 2023年4月22日

 

日本の「小麦の代替の麺類」の多くが、タイなどの海外米を原料としている現実を見ますと、今後、価格の高騰と共に、先の話でしょうが、「製造自体に問題が出る」可能性もないとはいえません。

あと、エルニーニョでも地球温暖化 (苦笑)でも理由は何にしても、南アジアや東南アジアの干ばつや、あるいは逆の大雨続きなど (現在のインドなど)の異様な気象条件が続いたとすれば、…まあ、これはないとは思いますけれど、たとえばの話として、

「タイやベトナムがコメ輸出に制限をかける」

 

というような事態にまでなれば、世界のコメの需要と供給は「崩壊」してしまいます。

さきほども書きましたけれど、これは、日本の通常の食卓のお米とは関係のない話です。少なくとも今年、日本がコメ危機に陥ることは(おそらく)ないでしょう。

懸念されていたエルニーニョによる冷夏も今年はなく、冒頭に書きましたようなポカポカな気温が続いていますので、極端な高温や極端な水不足などに陥らなければ、今年の日本の稲作は大丈夫だと思います。日本のダムの貯水率マップを見ても、全国的に貯水量は十分ですので、水不足ということも現時点ではなさそうです。

  

しかし、世界単位で見ますと、穀物価格の「極端な不安定さ」は今後、秋以降などに見られていく可能性がありそうです。

グルテンフリー食品を含めてアレルギー対応食品というのは、全体から見れば、マイナーなジャンルであることは確かですので、もともとそう大きな製造量のものでもないかもしれません。

それだけに、ご本人や、あるいはご家族、お子様にそれに対応する食品が必要な場合、今はまだ何も起きていないですが、少し早めに多少の準備はされておくのもいいと思います。

乾麺はきちんとした保存であれば、基本的に消費期限とかはあまり関係ないものですから、買えば、後は数年放っておけます。

たとえば、日本パスタ協会の、かなり昔の文章ですが、パスタの消費期限について以下のように書いています。

> 「目安として製造後約3年間がおいしく食べられる期間とする。しかし、3年経過しても更に長期間変敗することなく、食品衛生上の問題はない。」 shokusan.or.jp

よく考えられて発明された古代の食品ですよ、パスタって。乾燥した地域なら、比喩としての永久保存食ともいえるかもしれません。

 

そんなわけで、グルテンだけではないですが、代替食を必要とされている方は、備蓄とは言わないまでも、ふだんよりやや多めに保存されてもいい時なのかもしれません。

グルテンフリー食に関しまして、私自身の好きなものなどもありますけれど、ここに載せるにはあれですので、BrainDead World のカテゴリーに「グルテンフリー」を加えましたので、ご参照いただければとも思います。

ふと、過去のメルマガを見てみましたら、何とメルマガ第1号 (2018年8月24日)は、「グルテン不耐性」というタイトルでした。

そこに書いてある私の「グルテン観」は今でも変わりません。グルテンが悪いのではなく、私たち人間が変化したのが問題です。小麦には罪は一切ありません。

その部分をメルマガから抜粋して締めさせていただきます。

In Deep メルマガ 第1号 「グルテン不耐性」より

…自分の体験があるせいもありますが、人によっては、グルテンはかなり強烈な作用を及ぼします。

ただ、重要なことは、「グルテンそのものに罪はない」とうことです。

そのことは確かです。グルテンが悪いのではなく、「私たち人間のほうの体が変化した」のです。

人類は、新石器時代から、小麦(日本ではコメでしょうが)の栽培スキルを獲得することによって、文明を飛躍的に発展させる機会を得ることができました。

そして、実際、この数千年から1万年くらいの間、人類は小麦のグルテンときちんと付き合ってきています。小麦ごときで不調など起きなかったのです。

グルテン不耐性を含む「食物と人間のおかしな関係」が生まれたのは、ここ数十年のことです。

その原因は、確かに多岐にわたるのかもしれないですが、「抗生物質の登場と、日常的な過剰な衛生の登場以来、人間の体内、特に腸内細菌環境がムチャクチャになった」と私自身は確信しています。

その大きな原因は、抗生物質や家庭用の消毒剤が腸内細菌のある種を殺している可能性が非常に高いからです。

現在の最先端の医学研究では、腸内細菌は、「脳」から「遺伝子」まで牛耳っていることが示唆されていまして、つまり、「その人のすべてを支えているのが腸の中の細菌」だといっても差し支えないと思います。

もともと人類を支えてきた小麦に一部の人類が苛まれるようになった理由は、腸内細菌が死滅しやすくなった現代の生活にあると思っています。