今回はIn Deepさんの2023年7月27日の記事を紹介します。
「過誤と蒙昧と悪意の輪廻の中で」
医療介入の効果の真実
以前のメルマガで、英オックスフォード大学の医学者による論文をご紹介したことがありました。
その内容は、
「医療介入の 94パーセントは効果的ではないことがわかった」
というようなものでした。論文は以下にあります。
コクランレビューでテストされたほとんどの医療介入は質の高いエビデンスによれば効果的ではない
論文にある数字だけを挙げますと、以下のような感じです。
(オックスフォード大学の研究より)
・医療介入のうち、利益が裏付けられた医療介入は「 5.6%」のみ
・医療介入のうち、36.8%には「有害性」が測定された
・そのうち、8.1%には、統計的に有意な危害性の証拠が認められた
jclinepi.com
このような感じでしたが、日本の場合、通常の受診での医療介入は、おおむね薬の処方となっていまして、あえて言い換えてみますと、「処方薬の 90%以上には効果的であるエビデンスがない」とすると、何とも無駄な事象が日本中で毎日繰り返されているものだと思います。
まあしかし、この話はひとつの話として取り上げただけでして、上の数字の、
「医療介入のうち、36.8%には有害性が測定され、そのうちの 8.1%には、統計的に有意な危害性の証拠が認められた」
という部分は、それにさらに輪をかけた「有害性の輪廻」が、この 2年半繰り広げられていたのだなあというようにも思います。
モデルナの「心臓に直接打つ」mRNA製剤に思う輪廻
いろいろなことがありますが、たとえば、今年の 2月に BrainDead World で翻訳したスウェーデンの報道は、
「モデルナが、心臓に直接注入するタイプの mRNA 製剤を試験中」というものでした。
以下のような報道です。太字はこちらでしています。
モデルナの新しいmRNA製剤 – 心臓に直接注入
Modernas nya mRNA-preparat – ska injiceras rakt in i hjärtat
製薬大手モデルナ社は、現在、心臓発作や突然の心不全を患った人々のための製剤、つまり、患者の心臓に直接注入される mRNA 製剤の開発を進めている。
筋肉細胞は心臓発作後に死に始め、しかし、心筋は再生されないため、以前に心臓発作を起こした患者の 5人に 1人は、治療のために 5年以内に再入院することが知られている。
モデルナの新しい準備は、物議を醸している Covid ワクチンと同じ技術に基づいており、モデルナによると、人々が心臓発作から回復するのを助けるために特別に作成されたものだという。
投資家に宛てたモデルナの説明によると、それは「人間の心臓細胞に、血流を改善し、損傷した心筋の再生を助けることが知られているホルモンを生成するように指示する」 ものだという。
新型コロナウイルスのワクチンと同じように、この製剤はmRNAを使用し、 「心不全患者に永続的な臨床的利益をもたらすことを目標に、半減期を延長したリラキシンを生成するよう体に指示する」ために作られている。
さらに、「この長い半減期は、以前のアプローチと比較して、より持続的な効果をもたらす可能性がある」と主張されている。
モデルナは、臨床試験がすでに開始されており、最初の患者が新しい製剤を受け取ったことを発表した。
接種後の心筋炎については、ずいぶんと記事にしましたが、以下の記事でご紹介しましたように、「接種後 6ヵ月後などでも 80%の人たちが回復していない」ことがわかったりもしています。
[記事] 「心筋炎はワクチン接種後6ヵ月でも80%の人たちが回復していなかった」という論文を読んで起こる疑問。20%は心筋の損傷が修復された? …それは…ないような…
In Deep 2023年5月11日
基本的に「心筋は再生されない」というところから考えますと、この 80%という数値は、時間の経過と共に限りなく 100%に近くなるはずです。
心筋炎になる数や率は、接種者の中のごく少数だとはいえ、仮にそのようなことが原因で心臓に問題を抱えた人たちに、
「今度は、その問題のある心臓に直接 mRNA 製剤を打つ」
ということをモデルナは現在試験しているという…。
有害の輪廻……悪意の輪廻……。
ちなみに、先ほどのモデルナの報道にある「リラキシンを生成するよう…」とあるリラキシンというものですが、これは本来は、妊娠中の女性が(妊娠中だけの間)分泌するもので、以下のようなものです。
(産婦人科のウェブページより)
> 妊娠中は、産道を確保しやすくするために『リラキシン』という身体の靭帯を緩和し骨盤を緩めるホルモンが分泌されます。リラキシンが分泌されている期間は、骨格構造が崩れるリスクが最も高く、この時期に足元をしっかり支えて骨盤が崩れないように予防することが大切です。 yoshidaiin.com
これをモデルナは、心臓に打つと。
しかも、先ほどの報道では、
> 半減期を延長したリラキシンを…
とありますように、おそらくは「人工的に修飾して壊れにくいリラキシン」を打つと。
モデルナの心臓の製剤の仕組み自体は今はわからないですが、理屈としては、mRNA から生産される何らかの「半減期を延長する」という方法としては、
・リラキシンというもの自体を組み換えにより強くする
・リラキシンを生成する mRNA を強化する
のどちらかなのでしょうけれど、すでにコロナワクチンで実証されているのは(この場合はスパイクタンパク質)、このどちらもなされているというように思われます。
(マサチューセッツ工科大学のステファニー・セネフ博士の 2021年6月の発言より)
> 最も気がかりなのは、彼らが実際に「 mRNA の遺伝子コードを変更」していることです。遺伝子コードを改変し、スパイクタンパク質の正常なバージョンを生成しないようにしているのです。
> ワクチンでは、通常のスパイクタンパク質は生成されず、スパイクタンパク質の重要な場所にプロリン(※ 一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸)が 2本並んだバージョンが生成されるのです。
> ワクチンで作られるスパイクタンパク質には 2つのプロリンがあるので、非常に硬くなっており、形を変えられないようになっています。
indeep.jp
そして、このスパイクタンパク質を生産する mRNA も、シュードウリジン化というように言われていますが、つまり「人工的な強化を施す」ことをしています。以下の記事などにあります。
[記事] 「メッセンジャーRNAではなく、これは modRNA」と知り、納得する、巨大な人類への悪意とその顛末 2023年4月25日
最近、「接種 2年後の人の免疫細胞からもワクチン mRNA が検出された」と報じられたことがありますが、少なくても以前の研究では、接種 2ヵ月後の人からは検出されています。以下の記事などにあります。
[記事] DNA 炭鉱のカナリアは死につつある 2023年7月24日
人工化すると、何はともあれ、「構造が強くなる」のです。
モデルナの心臓の製剤について言えば、妊娠中の女性だけで分泌されるリラキシンが、「妊娠とは関係ない人の体内に永遠に残った場合の作用はどんなものなのか」というのはわかりようがありません。現在は、ワクチンのテストにそんな試験期間が設けられることもありません。即事承認の領域に突入しています。
いろいろ見ていましたら、このモデルナの心臓の製剤について、「 mRNA医薬品の開発製造受託事業の立ち上げを進めている」という日本の企業の記事がありました。「研究最前線5「心臓病に対するmRNA医薬品のアプローチ」」という note 記事です。
こういう企業ですので、基本的には、このモデルナの新しい製剤を好意的に紹介しているものですが、よく読んでいくと、興味深い部分を「素直に書いてしまって」います。この記事の時期は、モデルナが心臓の製剤を発表した頃とほぼ同じです。
以下はそれぞれ抜粋です。太字はこちらでしています。
これまでにリラキシンの遺伝子組換えタンパク質型は、すでに心不全で試験されましたが、予後を改善することはできませんでした。これは、リラキシンの半減期が短く、必要な効果を得るために十分な期間点滴することが現実的でないためだと考えられています。
アストラゼネカとモデルナの共同研究チームは、半減期が長いリラキシンの産生をもたらすmRNAを開発し、組織への曝露時間を長くして、臨床的な利益をもたらすことを期待しています。(現在はモデルナが単独で開発中)
複数のmRNAを組み合わせた薬物治療も可能とされていますが、適切な量や組み合わせについては、まだまだ検討の余地がありそうです。
株式会社ARCALIS
モデルナが「新しい心臓の製剤ができますよ」と発表した時点では、
> まだまだ検討の余地がありそうです。
という部分が多いものであることが何となくわかります。
また、mRNA 製剤特有の「生体内分布の問題」も「以前と同じように」あることがわかります。つまり、この場合は心臓がターゲットですが、
「結局、全身に mRNA が循環してしまう」という問題です。
製剤面での課題もあります。
2022年4月にオランダのユトレヒト大学医療センターClara Labonia博士らが発表した研究では、脂質ナノ粒子(LNP)製剤を左心室壁に注射することにより、24時間後にmRNAが心臓の細胞に到達していることが分かりました。
しかしながら、最も多くmRNAの転写が見られたのは肝臓と脾臓の細胞であったため、より効率よく心臓組織に製剤を届けるためには、より多くの試験が必要となりそうです。
株式会社ARCALIS
このリラキシンという「妊娠中の女性だけに分泌されるホルモン」が全身に循環した mRNA により全身に生産される。そして、それは(シュードウリジン化かどうかは不明ですが)人工的に組み換えられて「強化」されている。
場合によっては、この「妊娠中の女性だけに分泌されるホルモン」が、通常の人体内で長期間体内で作用する可能性がある。
……まあ、ともかく、現在、さまざまに展開されている状況は以下のような感じでしょうか。
「やらなくてよかった(あるいは、やるべきではなかった)医療介入が、新たな身体的不具合を生み、それを治療するために、それがまた新たな《やるべきではない》医療介入につながる」
そして、その次はどうなるかというと、
「それにより生み出された新たな身体の不具合に対して、さらに新しい《やるべきではない》医療介入が試みられる」
という流れしか見えません。
そりゃまあ、製薬企業の営業理念としては、自分たちで「次の儲け」を作り出していくという姿勢は、企業経営の理念としては素晴らしいものだと思いますが、
「次々とやられていくほうはたまったものではない」ということも言えます。
帯状疱疹のワクチンなんかも、一昨年くらいからでしたか、大々的に喧伝されているのを見聞しますが、あれも、
「スパイクタンパク質がヒトヘルペスウイルスを再活性化しており、それにより帯状疱疹が増えた」
ということは、私自身も 2年くらい前から書いていましたけれど(2021年9月の記事「うつ病……帯状疱疹……」など)、2022年の8月に、高知大学の研究者たちが、「帯状疱疹ウイルス感染は、コード化されたワクチン・スパイクタンパク質の存在と関連していた」という内容の論文を発表しています。
つまり、スパイクタンパク質と帯状疱疹の増加の関係は「確定」しているわけです。
以下の記事で高知大学の論文をご紹介しています。
[記事] 高知大学医学部の科学者たちが「スパイクタンパク質が帯状疱疹ウイルスを再活性化させるメカニズム」を突きとめる。何と皮膚の最上層部からも検出 2022年9月5日
この論文で驚いたのは、「皮膚の最上部の 0.05ミリ以下の表皮といえる部分」からもスパイクタンパク質が検出されたことです。
「接触シェディング」なんて言葉がこの時に浮かびました。
なお、これはコロナの自然感染のほうの話ですが、
「手の甲にスパイクタンパク質の感染受容体である ACE2 が発現している」
ことを見出したメキシコの研究の概要を以下で翻訳しています。
(論文翻訳) 「手の甲」に ACE2 (スパイクタンパク質の感染受容体)が発現することをメキシコの研究が見出す (BrainDead World 2023/07/18)
手の甲から感染する(シェディング含む)可能性も高いことがわかります。
ちなみに、このメキシコの論文は「拳敬礼による皮膚との接触が感染症の増加に寄与している」と述べています。 拳敬礼というのは、拳と拳で交わす妙な挨拶のことで、以下のようなものです。
メキシコの研究は、「普通の握手よりも、こちらの握手(?)のほうが感染しやすい」と。
ちなみに、写真の右は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子で、左のご老人は…ちょっとどなたかわかりません。通りがかりの正装をした行商の方ですかね。
それにしても、これに加えて「汗をかくような今の時期だと」もうもう、エクソソームも何も関係なく、シェディングし放題…という感じなのかもしれません。
話が逸れてしまいましたが、この「医療の悪意(よくて過誤)の輪廻」は、今後も続いていく可能性が高いと思います。
ひとつの医療介入が失敗した後、その失敗のための新たな医療介入がおこなわれ、そして、その新たな失敗の後に新たな医療介入が…という、永遠にも近い状態の医療ベルトコンベアの中を私たちは生きていくことになりそうですが、それを避ける根幹は、
「自分の意志」だけだと思います。
病院は基本的に人を救わない (基本的に、です)。
現代医療は基本的に人を救わない(基本的に、です)。
そして、多くのお医者様たち自身が、その矛盾と欺瞞に気づかれてらっしゃらない。
以下の記事などにあります。
[記事] 医師から一般の人々まですべてを貫く「医療の宗教化」は、医療教育でのマインドコントロールから始まる。そしてその歴史 2022年11月15日
現在は、日常生活の多くがマインドコントロール下にあり、放置していれば、「誰でも催眠術にまで突き進む」可能性があります。
気づかなければ、専門用語でいう「ドツボにはまり続ける輪廻」の時代がさらに近づいています。
最近は他人を責める風潮が強い世ですが、たまには自分を責めてみてもいいのではないかと思います。
「お前は自分のために何かしたか?」と自分に問う。
私も年に一度くらいは自分に問います(少ねえな、おい)。