2017年5月10日水曜日

935「法華経10」2017,5,10

 その時、福岡の友人が電話をくれて、福岡一の中高一貫の進学校が物理の先生を募集していると知らせてくれたのです。 私はもう45歳になっていましたし、また物理は専門外だったのですが、とりあえず履歴書を送ったのです。
定職にも就かず、フラフラ人生を生きてきたことが一目瞭然の履歴書です。そして、大阪から福岡まで面接に行ったのですが、物理の採用テストを受けてくれと、突然言われたのです。
 私は物理は専門外で、勉強したことがないと正直にお話しして謝り、テストを受けないで、『ああ、やっぱりだめだったなあ』と、大阪に帰ったのですが、なぜか正教諭として採用したいという通知があったのです。

 本当に神様は、必要となれば、どんなことでもやってしまうのですね。このような奇跡のような形で、教師になれたのはなぜかというと、私は、この歳まで一度も社会に出て、組織の中で仲間と協力して責任ある仕事をするという経験がなかったのです。
しかし、そのような社会的経験と学びがないと、心に収納されている天界からのメッセージを、これ以上取り出すことは出来ないのです。 それで、神様は、私にそんな社会経験を積ませるために、かなり強引な形で、私を教師として就職させてしまったのでしょうね。

 ところが、そんな素人教師なのに、一年目から全国模試で、何度も全国1の成績をとらせることが出来たのです。そのように、教師になって3年間は、教えることに専念していたのですが、ここでもまた限界を感じるようになりました。
このまま、教師として終わってはいけないのではないか。 自分の世間的な評価と安定のために、神様との約束を忘れてはいけないぞと思ったのです。
 このまま教師だけをやっていたらだめだ。 世のため、人のための行動をスタートさせなければ、私の精神は崩壊してしまうぞと追い詰められたようになって、ついに『しあわせ通信』をスタートさせたのでした。
 以前の四冊の著作と、しあわせ通信の文章の違いはどこにあるのかというと、教師としての社会体験から『心』を発見し、『心』の機能を知ることが出来、『心』の機能を活用して、どんな人でもしあわせな人生をおくることが出来る方法を、皆さんにお伝えすることが出来るようになったというところだと思います。

 この頃、『金平糖大作戦』という、人類の魂の進化モデルを、ついに「天からの小包」から取り出すことも出来ました。
そして、『しあわせ通信』にそれらのことを書いたところ、たくさんの方が共鳴してくださり、池田光さんが本心庵からシリーズとして、出版してくださり、目下第十巻まで出版されています。

 学校のほうでも、さらに成長がありました。私は、人と一緒に協力しあって活動するということが苦手なのです。それなのに、この学校に就職して10年目に総務部長をやれ、ということになって、他の先生方はビックリして、「サプライズ人事だ」と言っていたそうです。
 集団の中で、人を束ねたり、役割を割り振ったり、綿密に行事計画したりする仕事のやり方を学ぶことができました。
 総務部長は7年やり、停年退職まであと少しとなったので、あとは原点に戻って、心ゆくまで授業に専念させて欲しいと校長にお願いして、総務部長を辞める了承を得ていたのですが、ある日突然、中学の教頭をやって欲しいと頼まれました。
 一番苦手な分野の仕事なのでショックでしたが、私はその頃までには、やってきた仕事は引き受ける、苦手な仕事ほど成長の糧なんだと覚悟が決まっていたので(ドアが開いたら入れということ、席があったら座れということ)、躊躇なく中学教頭を引き受けました。その時は、「大逆転人事」と評されていたようです。