ニュースリリースはまだ続きますが、このアメリカ心理学会の文章の後半は、以下のように締めくくられます。
2006年アメリカ心理学会のニュースリリースより
最後に、社会的ストレスに関する最新の調査結果は、「友人の存在」の価値を強調している。ほんの数人の親しい友人がいるだけで、そしてそのつながりを感じるだけで、それはその人の活力を保つことを助けることができることがわかっている。
友人あるいは知人との社会的つながりが、間接的に感染症などに対しての免疫力を強化する可能性がある。良い友人関係は否定的な出来事に対してのストレスを和らげることを助けることもわかっている。
ということなんスよ。要するに、ここにありますように、
> 良い友人関係は否定的な出来事に対してのストレスを和らげる
という事実が医学的に、あるいは心理学的にわかっているのですから、こういう不安とストレスの強い時こそ、感染症を防ぐための免疫を国民に持ってもらうために、「人は人と積極的に一緒に時を過ごすべきだ」と思います。
そんなことは、ソーシャル・ディスタンスとかをまったく国民に強制しなかったスウェーデンの以下のグラフでも明確ではないかと。人とふれあうにつれて、免疫は維持あるいは強化(免疫細胞が新しい病原体と出会い機能するため)され、そのうち感染は消えていく。
むしろ、パンデミックの時こそ、人と人がなるべく一緒に楽しく過ごしたほうがいいことが、スウェーデンのこのグラフでもわかる気がするのですが。
2011年の東北の震災の直後、よく行く飲み屋さんに行くと、いつも以上に人がいて、ふだんあまりこない女性客もいて、聞きましたら、「やっぱり、こういう時は一人で部屋にいたくなくて」と言っていましたけれど、人と共にいることは「精神的な治療法」なのだとあの時に悟りました。
というか、新型コロナウイルスというような病気はともかくとして、以下の記事にも書きましたけれど、人々の免疫が下がった状態のまま、今後、あるいは冬頃になって、
「本当のパンデミックが来たらどうするのか」ということもあるのですよ。
世界やアメリカの暴力を見ていて思い出す「太陽と人間の真の関係」。しかし今後恐いのは「本当のパンデミック」だと思わざるを得ない理由 In Deep 2020/07/27
先ほどのアメリカ心理学会のニュースリリースに以下のようにありました。
> 数ヶ月、数年間というような期間のストレスに対しては、免疫のすべての側面の機能が下がった。
たとえば、今のままの日本の状態で、冬まで突き進んだとすれば、普通なら感染しにくい、あるいは感染しても大したことのない感染症でも、国民全体の免疫力が極限まで下がっていれば、「一大事」になる可能性があるわけです。
もう今言っている医療崩壊とかのレベルの話ではなくなるはずです。
単なるインフルエンザがとんでもない致死率を持つような、そんな世界にこのままではなりかねないとさえ思います。
まして、次に新しいウイルスが登場する 12月になれば……まあ、12月というのは言葉のあやですが、とにかく冬になれば、今年はどんな新しいウイルスが出てくるかわからないと私は思っています。
次のパンデミックについては、「パンスペルミア」というものや太陽活動についての最新の科学論文などから、いずれ書いてみたいとは思っています。
ちなみに、パンスペルミア論はともかくとして、「私たちの日常でウイルスはどこから来ているか」ということをご存じでしょうか。
2018年1月29日の科学誌ネイチャーに、
「毎日、1平方メートルあたりに 8億個のウイルスが空から降り注いでいる」
ことが見出された論文が掲載されたことがあります。
このことは、アメリカでは普通に報道もされていまして、以下は 2018年2月7日のニューズウィークの記事です。以下の過去記事でこの報道をご紹介しています。
「私たちは毎日ウイルスの雨の中に生きている」 : 天文学的な量のウイルスが上層大気から地表へ常に降り降りている事実が初めて突き止められる Deep 2018/02/08
つまり、新型コロナウイルスがどうだということではなく、一般的にウイルスというものは、このように、
「上層大気を通って、各地に、雨のように次々と降り落ちているもの」
なんですね。上層大気は、地球を全体的に循環している大気の流れです。
ということは、次の何らかのウイルスによるパンデミックが発生した場合、
「交通を遮断しようが、国境を閉鎖しようが、ウイルスの拡散を防ぐのは不可能」
なのです。
先ほどのネイチャーによると、地球には、「毎日、1平方あたり 8億個のウイルスが空から降り落ちている」ということですので、広場や町内の一画の広さだけでも、毎日「数兆個のウイルスが降り続けている」のですよ。
こういう事実を考えますと、今、世界中で行われていることの「滑稽さ」が浮かび上がらないでしょうか。
まあしかし、もう世界はどうにも止まらないようですので、仕方ないのかもしれません。言いたいことは、これを読まれて下さっている方とその周辺だけでも、恐怖とストレスによる免疫低下を避けていただければなあということだけかもしれません。