今回は「いっぷくからありがとう」さんの2023年05月15日の記事を紹介します。
「優しい人」
私たちは肉体を脱いで、元居た世界に戻る時、この一生の間に起きた出来事を、
その時の感情まで交えながら、いえ自分だけでなく、交わった周りの人々の感情まで含めて、
走馬灯のように再体験するそうです。
その時、私たちは、自分の一生をどう総括するのでしょうか?
・自分のことばかり考えて、人を思いやる気持ちが皆無だった
・苦しみ、悲しみを、社会や周りの人のせいばかりにして、憎しみの心に満ちていた
・大きなことはできなかったけれど、周りの人と笑顔で仲良くやって来た
死の床についた時、どう思えるのが幸せでしょうか?
それは、日々の平凡な暮らしの中で私たちが、どう生きているかにかかってきます。
今の私たちの心が、どのような状態であるかにかかってきます。
さて、今日は欽ちゃんこと、萩本欽一さんのお話をご紹介します。
華やかなTVの世界と異なり、欽ちゃんは子供のころより貧困に苦しんできました。
だからこそ、人の痛み、気持ちがわかる人になったのかもしれませんね。
<引用開始> 引用元
東北の被災地へは、何度か行きました。
何人かの人に直接話も聞いたんだけど、僕がいちばん感動したのは
津波で流されてきた女性を助けた父ちゃんの話。
この父ちゃんの家はたまたま高台で、二階にいたら津波が玄関先まで押し寄せてきたんだって。
その流れを見ていたら、女の人がぷかぷか流されてきたので「こりゃ大変だ!」っていうんで、あわててホースを持ってきて投げた。
投げるほうもつかむほうもうまかったんだろうな、女の人はそのホースにつかまって、父ちゃんに救助された。
父ちゃんは津波の水が引くまで女の人を家で休ませて、それから家に帰したって言うの。
すごいドラマなのに、お父ちゃん、さらっと言うんだよね。
だから僕、聞いてみたの。
「お父ちゃんに命を助けられた女の人は、どういうお礼を言って帰ったの?」
そしたらお父ちゃんの答えがまたすごかった。
「な~んも言わんよ。ただ黙ってぎゅっと俺に抱きついた」
へぇ~っ、と思ったね。
女の人って、本当に「幸せ!」って思ったときは、抱きつくんだね。
「ありがとう」の上は、「ぎゅっと抱きつく」ってことを、僕は東北のお父さんから学びました。
また、別の学校を卒業したばかりの青年。
この家にも「こんにちは!」っていきなり訪ねたら、お母さんが出てきたので、息子さんがファンレターをくれたことを話して、「これ、お見舞金です」って、渡そうとしたの。
そうしたらこのお母さんはこう言いました。
「こんなことを言っては被害にあわれたほかの方に失礼だし、大きな声では言えないんですけど、うちは震災のおかげで幸せになっちゃったんです」
えっ?どういう意味なんだろうと思って聞くと、
「地震があったとき、息子は会社の寮に住んでいて、私は家で一人暮らしをしていたんです。
幸い無事でしたが、家は壊れてしまってね。
そうしたら会社の方が、
『こういうときはお母さんも一人では心細いでしょうから、息子さんと一緒に住みなさい』って、私も寮に住めるよう、特別な計らいをしてくれました。
だから欽ちゃん、私たち幸せなんです。
このお見舞金は受け取れません」そう言われて、僕は考えた。
「わかった、じゃあ見舞金じゃなくてパーティ代ということにします。
だから、息子さんと一緒に食事にでも行ってください」
「そうですか。じゃあ久しぶりに息子と食事に行きます」
お母さん、今度は受け取ってくれました。
家がなくなった悲しさより、
息子と一緒に住むこの幸せをかみしめていたお母さん、素敵だったな。
会社も粋なことをするよね。
つらいときって、みんな優しいことを考えるね。
僕が訪ねた中で、唯一元の家に住んでいるご夫婦から聞いた話も素敵でした。
20坪ぐらいのこぢんまりした家で、旦那がこう言うんです。
「つぶれなかったんです、うちだけ。
ご近所の家は大変な被害にあったのに、このうちはひびが入っただけで、あとはなんともない。
小さな家だったからよかったんです。
家が小さくてよかったねって、家内とも話してます」
私たちは被害に遭ってないし、今でも幸せなのでお見舞金は受け取れない。
このご主人はきっぱりこう言って、とうとうお金を受け取ってくれませんでした。
こういう人のとこには、僕が行ったあとで運の神様が訪ねているんじゃないかな。
みんなつらい思いをしているかと思ったら、みんなそれぞれの幸せをつかんでました。
すごいなぁ。
僕のほうがみんなから勇気をもらってきたんです。
<引用終了>
欽ちゃんのおっしゃる通り、私たちは、自分自身が苦しく、辛い経験をすることで、
同じような人の痛みや苦しみを、
・感じる心
・おもんばかる心
・優しい思いやりの心
が沸き上がります。
人生において、一度も挫折を味わったこともなく全てが順調で、健康にも、お金にも、友人にも、才能にも恵まれてきた人はきっと、人の心の痛みを感じ取る力が鈍いかもしれません。
ですが、私たちが生まれてきた、第一の目的は、心を磨くためです。
心をきれいにするためです。
・お金を儲けるためでも
・大きな仕事を成し遂げるためでも
・おいしいものをたくさん食べるためでも
・友達と享楽にふけるためでもありません。
美しい心ですから 恵まれた環境に生まれ、そのまま、何の苦労もなく、楽に生きた人生で、
魂を磨くことができなければ、何のために生まれてきたのかわかりません。
凛とした美しさ
逆に
・辛い経験
・苦しい経験
を経たことで
・優しい気持ち
・お互い様の気持ち
・おかげ様の気持ち
・感謝の気持ち
が芽生えたのならば、神々の計画が、大成功したということです。
この美しい心こそ、この感謝の心こそ私たちが、地球転生を待ち望み手に入れたかった、最高のものだからです。
どうぞ、今苦境に置かれている皆さん、勇気を出してください。
・苦労の後、
・苦しみの後
・悲しみの後
そこには、神様が大きな大きな恩寵を用意して待ってくださっていますから。
苦しいときも、悲しいときも一人ではありません。
傍らで、私たちを見守り、励まし、ともに歩もうとしてくださっている、
私たちの神様がついてくださっているのですから。