2019年7月28日日曜日

1748「福島巨石22」2019.7.28

 阿武隈川の渓谷の自然美を満喫して次は先ほどの紹介文にあった「蓬莱岩」へ向かいます。
車で10分ほどです。以下の様に紹介されています。

「蓬莱岩 …福島市立子山春田地内 村上薬師堂の境内
 仙人が住むという伝説の蓬莱山の名前を持つ阿武隈渓谷の天然記念物


 阿武隈川(全長239km)の、永年に渡る浸食作用により、作りあげられた全国でもまれな風景の峡谷が約9kmほど続きます。その中で約4kmの区域が 福島県の名勝及び天然記念物に指定されています。(昭和28年10月1目指定)
 花崗岩地帯の浸食風景としては、長野県木曽川流域の寝覚床や山梨県西山梨中巨摩の二郡を流れる荒川の昇仙峡などがありますが、 阿武隈峡谷は甌穴(おうけつ:急流の河床岩石面に生じる鍋状の穴)の数が非常に多いこと、芸術品とも思われる甌穴が各所に見られ、 さらに、転石の雄大なことにおいて特異な地位をしめ、蛇骨岩、逢莱岩、体内くぐり岩、地獄釜、 鮎滝(湖上する鮎の群れが急流を跳越える景観によって付けられた名称)などは、その代表的なものであります。 中でも特に有名なのが蓬莱岩で川の流れの中ほどに巨大な岩山がつき出ています。
 中腹から頂上にかけて形の良い松が生え茂り、川の水位が少し上がれば、いかにも阿武隈川に宝船が浮かんでいるように見えます。 現在は駐車場や遊歩道が整備され、散策が十分に楽しめます。
 また、近くには鮎滝渡船場跡が往時の状態がそのまま残っていて、昭和12年に文部省指定史跡となっています。 さらに、鮎滝の東岸、渡船場を見下ろす小高い山の上には鮎滝観音堂があり、小手三十三観音の十五番札所となっていて、 堂内には聖観音菩薩像が安置されています。平安時代初期(弘仁810年~貞観860年)に造らた仏像で、福島県の重要文化財に指定(昭和28年)されています。 そのほか蓬莱岩の真上(立子山春田地内)の山腹には薬師堂があり、薬師堂からも真下に蓬莱岩を眺めることができます。」

 車で村上薬師堂まで行けます。蓬莱岩の展望所はその傍です。

「村上薬師堂は後醍醐天皇の皇子静尊法親王が霊山に向かう途中に、この地で亡くなり、蓬莱岩の東岸に埋葬され、源淨上人が後村上天皇の命を受けて、薬師如来を祀ったお堂を建て、後村上天皇の尊号をいただいて、村上薬師寺と称されたとのこと。」です



 樹間から見下ろす蓬莱岩は木々の緑と川の形状から素敵な世界に誘う入り口の様です。まさに仙人が住むと言われる蓬莱の世界のゲートウェイです。




 蓬莱と言えば徐福を連想します。不老不死の薬を求めて日本に来ました。その地は富士山だったとか三河の鳳来寺山だとか・・。
 ここの景観はその名にあやかれる素晴らしいものです。蓬莱は以下の様に記されています。
「蓬莱(ほうらい)とは、古代中国で東の海上(海中)にある仙人が住むといわれていた仙境の1つ。道教の流れを汲む神仙思想のなかで説かれるものである。
 また蓬莱は、方丈・瀛州とともに東方の三神山の1つであり、渤海湾に面した山東半島のはるか東方の海(渤海とも言われる)にあり、不老不死の仙人が住むと伝えられている。徐福伝説を記した司馬遷『史記』巻百十八『淮南衡山列伝』で記されている。」