2020年5月18日月曜日

2040「コロナ断食6」2020.5.18

 私の座禅断食の師は臨済宗僧侶の野口法蔵師です。日本で座禅と断食を組み合わせ独自な方法でこれまで20年以上にわたって指導してきています。ここでは師の事は詳しく触れませんが、現在は長野県松本市在住で、座禅断食の指導者を育成し座禅断食会を開催しています。私の様に法蔵師の許可を頂いて、野口法蔵流の座禅断食会を全国で開催している弟子が20名ほどいます。
 仙台の座禅断食会が終わった後に、このコロナウイルス騒ぎに向けて法蔵師から以下の様なメッセージがありました。

・2020年3月28日 法蔵師よりのメッセージです
「断食会について
2泊3日多集密閉と言う条件が揃う断食会は当分の間中止となりました。毎回の開催前月の月末の判断となります。但し、これは松本の断食会ですので、他はこの限りではありません。
 皆様におかれましては座禅、瞑想、読書など有意義な時間をお過ごし下さいませ。           野口法藏」

・2020年4月14日 法蔵師よりメッセージです。
「皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。指定を受けた都道府県は大変だと思います。今のところコロナに感染した断食会の参加された方は聞いておりません。
 今回サンガと言う出版社から食に関しての雑誌のインタビューを受けました。今月26日発売ですが、そこから少しお話します。

私の私観ではありますが感染症について述べてみます。
 感染症の歴史といいますとヨーロッパの中世のペストが挙げられます。その時は世界の人口の5分の1が亡くなったといい、メメントモリと言う言葉もできました。
 ペストはネズミが媒体ですが感染症と言うのは遺伝子変化が伴って止められなくなるそうです。
 話は変わりますが、生き物はどうして同種を食べないのでしょう。カラスはカラスを食べません。人も人は食べません。それは殺し合いになるだけではなく、病気になることを避けるためだと言われます。遺伝子的に近いもの、人にとっては猿、そして哺乳類と言う順で食べないほうがいいのです。最近は家畜と野生動物間で病気が感染いたします。日本は明治までペストはありませんでした。ある意味、魚とベジタリアンで感染症から逃れていたとも言えるのではないでしょうか。今、世界では野生動物を食べないようにと言うことになりました。
 皆様にはこの騒ぎが収束するまで少肉食を、私はお勧めしたいです。 野口法藏」

・2020年4月29日 法蔵師よりメッセージです。
「夏安居の制中
 みなさまいかがお過ごしですか。多分あまり外出されず閉じこもっておられると思います。さて、お坊さんの世界で「ゲアンゴのセイチュウ」というのがあります。春から夏に掛けて3ヶ月外出を控えると言う習わしです。これはインドの旧暦で雨期の時期は外出しないと言う戒律です。
 雨で托鉢ができず、また虫がたくさん出てきて、それを踏んではいけないからです。その間は他人ともあまり接せず、一室に閉じこもって、一年分の僧衣を縫って暮らします。私はスリランカで経験しましたが、勉強したり、瞑想したり、座禅したり雨の音を聞きながら、とても心地良かったことを思い出します。
 とは言っても、閉じこもっているのでイライラしたり、欲望が沸いたりしてきます。ある人は大声を出し、ある人は外出してはいけないのに雨の中を走り回ったり。私はといえば裸で五体投地したり(スリランカ僧衣では五体投地できないので)。
 そして、これが終わりますと、皆一堂に会して自分の境地を語ったり、悟った経験を話たりしますが、これが問答の始まりと言われています。
 偶然ですが、今がこれに当たるとすれば、これをいかに利用するか、逆手にとって自分の成長につなげるか、百日の制中と思えばいかがでしょう。
 お坊さんは毎年これが回ってくるのです。チベットでは冬でした。同じように、春までに一年分の僧衣を作っていました。
 正確には4月の満月の翌日から7月の満月の前日までですが、日本では、お花祭り(緊急事態宣言の翌日)の翌日から百日間です。
 もし、この騒ぎがおさまってきて、また皆で座禅して断食する時が来ましたら、その境地といいますか、体験をお聞きしたいと思いますので、それまで私の制中を楽しみたいと思います。             野口法藏」