今回は「いっぷくからのありがとう」さんの2021年07月16日の記事を紹介します。
[悲しみの底で見つけた真実]
東京家庭教育研究所を創設した小林謙策氏(故人)という方の手記があります。
小林さんが、家庭における子どもの教育がいかに大切かを、身にしみて感じたのは
昭和30年6月ただ一人の娘に突然、自殺された時からだそうです。
小林さんは長野で中学校の校長をしていました。
人さまの大切な子どもをあずかって教育しなければならないという立場の者が、自分の娘の教育さえ満足にできなかったのはなぜか。
19年間の娘に対する教育のどこが間違っていたのか。
平和で楽しかったはずの家庭に突然襲った悲しみ、苦しみが厳しく、小林さんは自問自答しました。
「私は家庭における子どもの育て方に 大変な間違いを犯しておりました」
と小林さんは言います。
自身が、勝気で負けず嫌いだったので、娘に対しても、小さい時から「えらくなれ」といって育ててきました。大きくなると、さらにその上に「人よりえらくなれ」と言いました。
「娘は小学校、中学校、高等学校までは、 自分の思い通りに伸びていったが、 東京の大学に行ってからは、そうはいきませんでした。
あらゆる努力をしても、自分よりすぐれているものが幾多あることを知ったとき、もはやわが人生はこれまでと、生きる望みを失い、新宿発小田原行の急行電車に投身自殺をしてしまったのです」
遺された手紙には
「両親の期待に沿うことができなくなりました。人生を逃避することは卑怯ですが、
いまの私にはこれよりほかに道はありません」
と書かれ、さらに、
「お母さん、ほんとうにお世話さまでした。いま私はお母さんに一目会いたい。
お母さんの胸に飛びつきたい。お母さん、さようなら」
と書いてありました。
「それを読んだ妻は気も狂わんばかりに子どもの名前を呼び続け、たとえ1時間でもよい、
この手で看病してやりたかった と泣きわめくのでした」
小林さんは言います。
考えてみれば、子どもは順調に成長してゆけば、誰でも「先に進みたい」と思うもの。
這えば立ちたくなり、立てば歩きたくなり、歩けば飛びたくなる。
これが子どもの自然の姿。子どもは無限の可能性を持って伸びよう伸びようとしている。
「それなのに自分は愚かにも娘に『人よりえらくなれ』といい続けてきた。
『自分の最善をつくしなさい』だけで、娘は十分伸びることができたはず。
私は娘の死によって、家庭教育の重要性を痛感しました」
以後の人生を小林さんは家庭教育の探究と普及に捧げる人生を生きられ、平成元年に亡くなられました。
自分に出来ることでいい、自分の最善をつくせば、それでいい
坂村真民さんという詩人の詩があります。
「小さい花でいいのだ
人に褒められるような大きな美しい花ではなく、
誰からも足をとめて見られなくてもいい
本当の自分自身の花を咲かせたらいいのだ
それを神さま仏さまに見てもらえればいいのだ」
・勉強しなさい
・あれはダメ、これもダメ
・あれをしなさい、これをしなさい
・貴方にはムりだから止めときなさい
お子さんに、そんな言葉、掛けていませんか?
産婦人科医の 池川明医師は、子供たちに対する大規模な調査を行い、その1/3もの子供たちが、中間世記憶を持つことが分かりました。
彼らが 教えてくれた生まれて来た目的とは・・・
ほとんどのお子さんが、こう答えたそうです。
・お母さんを助けるため
・人の役に立つため
・魂を磨くため
そんな優しい心を持って生まれて来てくれた子供たち
・詰め込みの教育
・本人の希望や適性を無視した親の引いたレール
・人をけ落としてでも、競争に勝ち抜いて生きろ
は必要でしょうか? そんなことを言えるでしょうか?
勉強が出来ない子供は不幸でしょうか?
学校はそれほど大切な所でしょうか?
人と同じでいる必要はあるのでしょうか?
子供たちには一人一人個性があります。得意分野も異なるでしょう。
興味や志向も異なることでしょう。
親の一方的な思い。教師たちの一律的な対応そんなものは、もしかしたらこの優しい子供たちには糞くらへかもしれないですね。
彼らは、
・お母さんを助けるため
・人の役に立つため
・魂を磨くため
この世に生まれてきました。
姿かたちが子供だからと言って、魂までも子供ではありません。
私達大人たちよりもはるかに愛に溢れた存在かもしれません。
お母さんを助けるために生まれてきました。
決して、お父さんや、お母さんの思い通りに生きるために生まれて来たわけではありません。
それでも、子供を自分の思い通りにしたいと思う親御さん。
お子様の心や体がボロボロになって、自分の元に戻って来た時、きっと気付きます。
生きていてくれてるだけで良かった。
そのままで愛しているよ。 私の元に生まれて来てくれてありがとうって・・・
子供が、美しい「スミレの花」を咲かせようと、この世に生まれて来たのに、
華やかな「バラの花」になれと、無理強いはしていませんか?
子供の心を、生きながら殺してはいませんか?