2025年2月16日日曜日

3705「「小和」の国から「大和」の国へ」2025.2.16 

今回は立花大敬さんの「しあわせ通信」2025年2月1日の記事を紹介します。


「「小和」の国から「大和」の国へ」 

移民、難民の問題がクローズアップされ出しましたね。

今回は、その問題について、考えるところを少し書いてみたいと思います。

イーロン・マスク氏(スペースX,テスラ・モーターズなどの創業者)が次のように述べていますね。

「当たり前のことをいうようだが、出生率が死亡率を超えなければ、日本は最終的には消滅する。これは世界にとって大損害になるだろう」

遠い将来のことを見通すと、本当は世界の人口はピークをむかえた後、やがて減少に転じ、どんどん少なくなってゆくと思います。

なぜかというと、個人だけの転生では、積める経験と学びが少なく、人類全体の魂の進化の歩みは遅々として進まないのですが、魂の融合過程が進んでくると、たとえば三人の人が一人の人として地上に誕生してくるというようなことが起こるようになります。

そうすると、三人の人の過去世における学習の成果が一人の人に備わって生まれてくるというわけですから、その人は生まれながらにして優れた素質をもっていて、それ故に、その人の魂の進化向上に無理と無駄がなくなって、人類全体の進化の歩みが加速されることになるというわけです。

そうして、その融合過程の最終ゴールでは、人はついに「ひとり」となります。

そして、この「ひとり」は、アメーバからはじまって、動植物や人類や自然界の、遠い遠い過去からのすべての経験と学びを体現した「ヒト(日尊、一集処)」となっているのです。このようにして地球における進化過程を無事修了して、別の星にジャンプするということになるのです。


というわけで、世界の人口はやがて減少モードに入ってゆくわけですが、それでは困るという人たちがいるわけです。

現在世界を支配している資本主義経済では、人口は増加してゆかねば困るのです。

資本主義経済は、各企業の利益が右肩上りになってゆかなければ、企業活動を維持できなくなり、やがて倒れるという仕組みなのです。

自転車操業という言葉がありますが、自転車のように、減速すれば不安定になり、止れば倒れてしまうというわけです。

その辺の理論的なことは、私は門外漢なのでよく分かりませんが、「お金に利子が付くという仕組み」が、結局年々増益してゆかないと倒れるという現象を生み出してしまうのだそうです。

このあたりの説明は『エンデの遺言「根源からお金を問うこと」』河邑厚徳+グループ現代(NHK出版)をお読みください。

エンデとは、ミヒャエル・エンデのことで、『モモ』や『はてしない物語』などの作品で有名な方ですね。

晩年は、なぜ世界に紛争が尽きないのかという問題を追求されて、結局「お金の仕組み」が根本原因であるという結論に達したのだそうです。

ですから、人口が減少しても企業やそこで働く人たちの生計がなりたってゆくというシステムを作ることが必要になってくるのです。

そうしないと、経済面だけではなく、増収するには生産量を上げねばならない。そのためにはエネルギーをさらに使用しなければならない。また、自然から得る生産原材料もさらに多く獲得しなければ、ということになって、今の経済システムでは、地球環境をどんどん悪化させることになってしまうのです。


コロナ騒動なども、結局は人類が自然環境のバランスを崩してしまったが故に発生した現象なのです。

また、お金がお金を生むという仕組みですから、お金をたくさん持っている人に、さらにお金が集まるということになりますね。

ですから、格差がさらに広がって、富める者や国と、貧しい者や国の間の紛争や戦争の場面も増加することになってしまいます。

しかし、経済システムの変革については私は門外漢なので、専門に勉強しておられる同志の方々にお任せします。特に若い仲間の精進努力を期待します。

しかし、以上で述べたことは遠い将来の展望で、当面は世界人口は増加し続け、日本の人口は減少してゆくというまずい局面が続きます。

また、資本主義経済は、苦しみ、あがきながらも、しばらくの間は存続するでしょうから、このままでゆくと、日本はますますジリ貧になって衰退してゆくということになりそうです。

そうならないように、直近の対策を考えなければなりません。

なぜなれば、日本が衰退してゆくということは、マスク氏が言うように「世界にとって大きな損害となるだろう」からです。

なぜそうなのか後ほど説明します。


さて、ではこの当面の危機をどのように解決してゆけばいいのでしょうか。

まず必要な対策は、日本の人口の減少をくいとめることですね。

そのために、若者が結婚して子供を生み育てることが困難ではないというシステムを作ってゆくことが必要でしょう。

しかし、日本では、これからも結婚しない若者が増えてゆくでしょうから、これだけでは人口の減少をくいとめることは難しいでしょう。

なぜならば、日本人は、魂の融合過程が世界で一番進んでいるので、結婚しなくても、子供を生まなくても、次の世代に自分の経験と学習を伝えてゆくことが出来るようになりつつあるので、それが本能的に分かるので、結婚しない若者が増えて人口が減少してゆくというのは当然のことなのです。

日本の人口を増やす、あるいは現状維持するためには、さらに、世界各地の人たちが移住しやすい、そういう受け入れ体制を作ってゆくことが必要であると思います。世界紛争や混乱が頻発する今は、そのチャンスですね。

そのためには、日本人の外国人に違和感を感じ、嫌悪してしまいがちだという狭量な心を変えてゆかねばなりません。

なぜそのように日本人が狭量になってしまったのかというと、言葉を使わなくても、暗黙のうちに理解しあえ、それぞれの役割を自発的に見出して行動出来るという、実は世界的に見たらとても奇跡的な魂の状態が、日本人には当たり前になってしまって、その暗黙の了解が通じない外国から来た人と一緒に暮らしたり、仕事をしたりすることを面倒に思ってしまうわけです。こんな苦労をするなら、私たちだけで暮らそうと閉鎖的になってしまうわけです。


日本は「大和の国」でしたね。これは「大きな調和融合精神に基づく処」という意味でした。

古代の聖人(聖徳太子や天武天皇など)が、この国の根本精神を、武力で統一し、制圧支配する国ではなく、調和一体化する「大きな和」の国にしようという決断と祈りを込めて、国号をそのように定められたのです。

大和の読みは「ヤマト」でしたね。

これは、多くの氏族(これが「ヤ(八)」)が、自らが属する氏族の利害に執着して、他の氏族と対立抗争ばかりしていないで、日本国全体の成長発展のために、一致団結して協力し合う(これが「マト(まとまる)」)処(これが「ト」)という意味でしたね。だから「大和」を「ヤマト」と読むわけですね。

現在の日本人は、魂の融合が進んでいるので、暗黙のうちに了承しあったり、まわりの人の思いや行動を自然に察知したりできます。

渋谷のスクランブル交差点で、横断する人々が、ぶつからずにスムースに行きちがえるのを見て、外人さんは不思議に思うのだそうですが、日本人同士の魂は融合状態が進んでいるので、暗黙のうちに、言葉を使わないでも互いに情報を伝達しあうことが出来るからぶつからないのです。

しかし、こんな日本人の魂の状態は、世界的に見て稀有なことで、このように魂が融合して、スムーズに事が運べる状態に慣れてしまうと、その暗黙の了解が通じない人がいるとやりにくいわけです。だから、外人が職場や町内に増えるのを嫌悪するわけです。

しかし、嫌悪するということは、日本人という囲いを作って、他の民族の人を排除するということなので、それでは「大和」ではなくて「小和」だということになりますね。

これまでは、日本は島国ですから、日本列島に住む我々だけの「和」で十分だったのですが、さらに時代は進んで、もう日本民族だけの魂の調和だけでは通用しなくなる時が来たのです。

さらに、「和」の領域を広げて、世界中の人を受け入れ・許し・愛して、今のグローバルな時代に通用する、新しい「大和」の精神とシステムを作り出してゆかねばならない時が来たのです。

世界に通用する、世界を調和・融合の楽土にする「大和」の精神と仕組みを作って欲しい、それが日本の使命・役割なんだよと、神々が日本人に期待していらっしゃるのです。

ですから、日本は世界人類のためにも、衰退したり、滅亡したりしてはいけないのです。

日本は地球に分布する気脈の集まるところ、つまり「龍穴」であるとシュタイナーさんがおっしゃっていましたね。

また、日本は世界の雛形だとも言われていますね。

金光教祖は「世界の国々と日本を比べると、日本は落ちくぼんだ所で、このくぼんだ所へ水がたまるように、世界中の問題が日本に集まってくる」とおっしゃっています。

世界中の気が日本に集まるように出来ていて、世界中の問題が日本でも鏡のように写って来るように出来ているのです。

それだけではありません。

世界中の人が日本にやって来る、流れ込むように、もとから出来ているのです。

 

これには、証拠があります。

現人類はアフリカで発祥したのですが、そのオリジンは3通りあって、その3通りの原人類が、アフリカを出発して世界中に分布したのだそうです。

世界の各地域に住んでいる人の遺伝子を調べると、その三種類の原人のうち、どの系統がその地に移動して住むことになったのか、その移動経路が分かるのだそうです。

このようにして調べてみると、世界の各地域の民族には、1種類か、多くても2種類の原人がその地にやって来たということが分かるのですが、

日本人の遺伝子を調べてみると、この三通りの原人の遺伝子をすべて伝えているということが分かったというのです。

つまり、アフリカからスタートした、三通りの人類移動の最終ゴールは、すべて日本列島だったというわけですね。 

このように、「気」も「人」も日本に集まるように出来ているのです。 神々がそのように仕組まれたのです。 

また、「神」は「人」がお祀りするのですから、「人」の移動に同道します。

つまり、「気」も「人」も「神」も、日本に集まるように仕組まれているわけです。

このようにして、集まった気や人や神々を、調和した、やさしい、温かい、呑み込みやすい形に調理・加工して、そして再び世界に発信し、分配するのが日本人の天命・役割なのです。

 

ですから、他の民族の人が日本に移住したいというのを拒絶し、排除しようとする行為は、神に託された日本の使命を引き受けることを拒否していることになるので、そんな神に背く態度を続けてゆけば、やがて日本が衰退してゆくというのは当然のことなのです。

多種多様の人たちが日本にやって来たというのは、以上に述べたような超古代だけにあった話ではなく、聖徳太子や天武天皇の時代も実はそうであったということが知られています。

聖徳太子や天武天皇の時代には、多くの民族が日本にゾクゾクと流入していました。

白い顔の人も、赤い顔の人も、黄色い顔の人も、青い顔の人も、黒い顔の人も…、朝鮮半島から、中国大陸北部から、中国大陸南部から、シベリアから、チベット高原から、島伝いに西南から…、ゾクゾクとやって来ました。そして、神や風俗習慣や価値観や言葉などの違いから、さまざまな問題が起こり、争いが絶えませんでした。

柿本人麻呂に「もののふの 八十氏河の 網代木に いさよふ波(は)の行方知らずも」という和歌があります。

 これは、当時たくさんの氏族(八十氏)が渡来していて、各氏族の武人(もののふ)たちが、それぞれが所属する族の勢力拡大を目指して争って止まない。

そんな混沌とした状況を見ていると、宇治川に魚を捕らえる杭(これが網代木)にぶつかった水の波が入り乱れてどこに行ってしまったのかサッパリ分からなくなる。日本は今そんな状況になっている。

たくさんの氏族が、日本全体のことなどどうでもいいとばかりに、自分たちの族だけの利益のために、アッチの側についたり、コッチの側に乗り換えたりしてあい争いあっている…。

こんなことをしていたら日本の行く末はいったいどうなってしまうのだろう(いさよふ波の行方知らずも)。

この人麻呂の歌は、当時(壬申の乱の前後)の大変な状況を暗示し、嘆く歌なのだとされています。

そんな国内の混乱を憂えた天武天皇は、多氏族融和のために、各氏族の神々や神事を、天皇家の神事として受け入れお祀りすることにしたのです。

また各氏族の神々と天皇家の神々とのつながりを物語る神話を降ろすようにと「天」から命じられ、稗田阿礼に伝えさせたのです。それで「古事記」が生み出されました。

このようにして、聖徳太子から始まって、天武天皇にいたる「大和の国」を育てたいという悲願は、時代を経ても働き続け、次第に熟成されて、ついに今日の日本のような、魂の融合一体化が、世界で一番進んだ民族が誕生したのです。


さて、私たちは現在、天武天皇が直面したのと同様な課題に直面しています。多民族が、それぞれの勢力の拡大を目指して相争って、戦争や争いが世界中で多発しています。

世界全体を調和融合させる、平和で安らかなものにするということがどうしても必要なのですが、その精神やシステムを構築出来るのは日本人だけなのです。

すべての気と人と神々があつまるのは日本だけです。そして、それらの気と人と神々を調和よく融合し、統一して、その精神を経済システムなどに現実化することができるのは、日本人だけなのです。

そして、その「大和」の精神をまず、世界中のすべての気、人、神々が集まる<日本という実験の場>で現実化して、その成果を世界に発信しなければならないのです。

というわけで、まず世界中から、いろんな事情でやって来る人々を日本に受け入れ、抱擁し、温かくつつんであげねばなりません。

そうしようとすると、もちろん天武天皇の時代のように、たくさんのトラブルが発生することになるでしょう。

しかし、世界に通用し、21世紀以降の時代を切り開いてゆこうというのですから、そのように起こってくる不調和な姿も嫌わず、逃げ出さず、課題にしっかり直面して取り組んでゆかねばなりませんね。「難有り、有り難し」でしたね。困難を通してこそ、21世紀以降をリードする「大和」の理念とシステムが完成できるのです。