実践研究会の福祉事業の贈呈に当たっては、当時、私が研究会の幹事をしていたこともあり、花輪ふくし会を紹介し、実現の運びに成りましたので、研究会の窓口は私が担当する形で、研究会からもその後の変化、経緯を尋ねられていたので、理事長にその旨聞いていたのですが要領を得ないままに推移していました。
しかし、今回の企画が決まり、理事長が、何も変化が無いことは無いはずだ、日誌内容を精査するように、と職員に指示を出したのです。そしたら何と職員も驚くような変化が確認できたのです。毎日見ているとその変化に気づきにくいのでしょう。
その変化について11名全員のものを纏めて資料として配布して下さっていました。その内容を若干名の方の内容を紹介します。
設置前(A)と設置後1年9ヶ月後(B)の変化です。
1、男性 7歳、ダウン症、重度知的障害者、難聴
A:オムツ使用。お膳をひっくり返す。
スプーン等を投げるなどで食事にならず、職員の介護必要。
多動、常に手を繋がないと物を投げる、どこに行くか分からない等目離し出来ない。
B:トイレで排泄が出来るようになってきた。
スプーンで食べものを口に運べるようになった。
名前を呼ぶと手を上げるようになった。
いろいろな物に興味を持ち、ますますやんちゃになって物を投げたり活発である。
2、女性 10歳 重度知的障害者、自閉症
A:時間排泄であるが、オムツも使用。
便こね有り、衣類、寝具等を汚す。
大泣きし、自傷行為があり、夜も寝ないで騒ぐ。
着脱は全面介助で自分で手足を動かそうとしない。
何でもなめる。
B:トイレで排泄出来る様になってきた。
便失禁が少なくなった。
不穏(大泣き)が少なくなり、穏やかな時が多くなっている。
着脱に応じるようになっている(手足を上げる等)
何でもなめるのは続いている。
3、女性 14歳 重度知的障害者 難知性てんかん
A:時間排泄で職員が誘導していた(おもらしも有り)
「ママ、じじ」程度の単語を言う。
徘徊して物集めがある
B:自分からトイレに行くようになってきた(拭き取りは指導中)
単語の数が増えてきて、絵カードなど見てそれらしく言えるのが増えている。
いたずらが多くなった(注目行動)人の反応を喜ぶ
4、男性 15歳 重度知的障害者、自閉症
A:道路に飛び出し、くるくる回り注意が必要
帰省した際は冷蔵庫等から食べものを出して頻繁に食べ、満腹感がない。
体重90キロ。こだわりが強い。
B:道路でくるくる回転して走ることが見られなくなっている(室内ではあり)
リビングの冷蔵庫の開け閉めが少なくなっている。体重71キロ。
こだわりは強い。
5、男性 17歳 重度知的障害者、自閉症 てんかん
A:食事の時間は待てず奇声、走りだすなど大騒ぎになる。
盗食がひどく、あるもの全部食べても足りない。目離し出来ない。
B:食事の時間を待てなかったのが、大分待てるようになってきた。
自分の要求は強く訴えてくる(職員は力で押さえられる)
6、男性 41歳 重度知的障害者、自閉症 てんかん
A:こだわり強く、他者とトラブルになる。
B:こだわりはあるものの、トラブルも少なくなり、今年の4月より地域生活に移行している(グループホーム)
7、男性 41歳 重度知的障害者
A:体のいたる所をつねって化膿することもある。
イライラした表情が多かった
B:波はあるが全体的に自傷が少なくなっている。
中庭の人口芝で穏やかにしていることが多い