2016年9月28日水曜日

710「黒石4」2016,9,28

 次の目的地は盛岡市玉山区生出にある瀧乃澤神社です。岩手の主たる霊峰は岩手山、姫神山、早池峰山です。岩手山と姫神山を結ぶラインのほぼ真ん中に瀧乃澤神社が鎮座しています。国道4号線から東に入って、姫神山を正面に見ながら5分程進むと、田園の中にその滝があるのです。山も無く畑が広がる平地にこじんまりした木々に覆われた森があり、そこが瀧乃澤神社です。
 赤い鳥居に瀧乃澤神社と記され、脇の石碑に瀧乃澤不動尊とあります。鳥居を過ぎて下ると小川がありその先に瀧乃澤神社があります。その先に小さな滝がありますがその上に用水路のようなものが走っていて何とも景観が乱されがっかりです。



  この滝は「盛岡市北部を流れる北上川支流の生出川枝沢に懸かる落差4mの分岐瀑である。
 その昔、族に襲われて目を負傷した武将がこの滝で目を洗ったところたちどころに治ったとされ以来、目の神様として信仰されてきたと言われています。」とあります。ここには2つの滝があり、こちらは「上の滝」です。
 そこそこに引き上げて鳥居を出て右手に進むと、少し貧弱な赤い鳥居があり、そこを下っていくと「下の滝」です。小さな社があり滝不動尊が祀られているようです。




 下の滝もほぼ同じ大きさですが、こちらは自然の中にぽっかり開いた異空間でエネルギーが清らかで木々と川の響きあいが心地良い世界です。
 瀧の落ちる岩には沢山の顔が見えて不思議な様相です。その異次元存在が現界と異界の鏡なのでしょうか。


 この瀧乃澤神社についても「不思議空間、遠野」で以下の様な記載がありますので紹介します。
「盛岡市玉山区(旧玉山村)に鎮座する瀧乃澤神社。創建はあきらかではないが、古くからここに滝明神を祀るという。祭日は、6月28日となっている。この鳥居を下って、御神体の滝へと向かう、いわば下り宮が瀧乃澤神社となるが、意図的に下り宮にしたのではなく、どうも立地的に下り宮になったというのが正解だろう。
 社を建てる場合、明治時代になり南を向けて建てるよう国から指導があったようだが、立地の問題があり、必ずしも南に向けて建てられた社ばかりでは無いという事は承知している。
 この瀧乃澤神社と姫神山を線で結ぶと、その間に瀬織津比咩を祀る多岐神社が鎮座している。そのどちらの社も姫神山を向けて建てられている事から、恐らく姫神山の姫神と瀧明神である瀬織津比咩は同じであるという事を示しているのではなかろうか。
 姫神山の頂に祀られていた熊野権現は、那智の神であるという。那智の神とは、那智の滝の瀧神である事を考えると、この玉山村の滝明神を祀る瀧乃澤神社は姫神山に祀られる瀬織津比咩を祀る神社と思っていいだろう。何度も書き記すが、姫神山に祀られた立烏帽子姫とは鈴鹿明神でもあり、この鈴鹿明神は京都の祇園祭りにも登場する姫神で、名を瀬織津比咩という。」

 瀧に向かってあわ歌を響かせました。その時のお言葉です。
「あー、お出ましなされた。よくよくこの時、分かりて頂きたり。
 大いなる是より、大いなるこの地、大いなるこの水、
 皆々共に、新たへ参る。しっかり守りて参られませ。
 はらるり、 はんたり ゆるりんた。」11:08



 車は岩手山を正面に見ながら国道4号線に向かい、次の目的地は昼食会場の一関市です。