現在の中国の状態を見て見ると、水害と蝗害が進んでいる様です。2020年7月9日のイン・ディープさんの記事から抜粋して紹介します。
「庚子年の中国の今 : 降り止まない雨による歴史的な洪水、各地で発生し続けるイナゴ、そして、もしかすると風前の灯火かもしれない三峡ダム 」
混乱と近い60年に1度の年に
現在の中国の混乱は・・・というか、まあ、混乱は中国だけの問題ではなく、何となく全世界的な物事のようにも思えるのですが、中国の伝説上の概念として、「今年 2020年は非常に激動する年となる」ということがあるということについては、以下の記事で書かせていただいたことがあります。
「2020年に現代中国を襲う厄災を予想していた古代中国人たちの智恵。60年に1度やってくる干支「庚子の年」の過去を振り返れば…」In Deep 2020/03/24
干支は日本では 12分類となる「十二支」が使われるのが普通ですが、中国の基本的な干支は「 60 」あるのです。今年はその 60ある干支のうちの「庚子」(かねのえ)という年となっているのですが、中国の歴史では、この「庚子の年には、常に大きな災害や歴史的な変化が起きていた」とされています。
上の記事ではそのことにふれています。これは 3月の記事で、まだ新型コロナウイルスのパンデミックが、今のような「異常な社会」を作り出すところまでには来ていない頃でした。「そのうち何とかなるだろう」と考えていた頃ですが、今に至って、もう社会はどうにもならなくなっていることが示されていますが、まあ壊れてしまった社会システムはともかくとして、過去の「庚子の年」を見てみますと、なにしろ 60年に1度しかないですので、やって来る機会も少ないですが、この 60年に 1度の「庚子の年」はロクな年ではなかったです。
非常に簡単に最近を遡りますと、
・1960年(庚子) 中国最悪の飢餓が3年続き数千万人が死亡。アメリカがベトナム戦争に正式に関与。チリでマグニチュード9.5の地震。
・1900年(庚子) 中国で義和団の乱。インドで歴史的な飢饉が発生。
・1840年(庚子) 中国でアヘン戦争。
・1780年(庚子) アメリカ独立戦争が英国に対する国際戦争へと拡大。
などとなっています。
もう少し遡れば、1600年の庚子の年には、日本で「関ヶ原の戦い」があり、1180年の庚子の年には、日本で源平合戦(日本の内戦)が起きたりと、いろいろなことが起きやすい年だったようです。
これらの一覧を見ていますと、この庚子の年に起きやすいことは、
・大規模な食糧危機
・大きな戦争あるめいは内戦
・大きな地震
などのようで、それで今年 2020年というのは、21世紀に入って最初の庚子の年ということで、すでにお腹いっぱいであるほどいろいろなことが起きていますが、「大規模な食糧危機」、「大きな戦争」、「大きな地震」はまだ起きていないですので、これから順次発生していくということでしょうか(勘弁してほしいですが)。
上の記事でご紹介した中国の記事では「風水の意味での干支の理解」についてもふれていまして、記事には以下のように記されていました。
庚子の年のさまざまな災害は、地球の位置が太陽のラインと密接に関係していると風水の意味から考える人たちは多い。地球は太陽系にあり、太陽は銀河にあるため、風水では、太陽と銀河が地球に最も大きな影響を与えていると考えられている。
地球の自転と公転により、地球と太陽の極の位置関係は、2000年ごとに変化する。これを歳差運動と呼ぶ。歳差運動は 2020年の庚子の年と並行しており、これは二重の変化の重ね合わせに相当し、2020年の地球はさらに大きな影響を受けていると見られる。
人間は、自然の中に無数に存在する命の一部であり、道教では、人は、人間、地球、宇宙、自然のいずれかであると述べる。人間はこの宇宙に住んでいるため、私たちはいつでも自然と宇宙のエネルギーの影響を受けている。(希望之聲)
また、中国の伝説の人物で、実在していたかどうかもはっきりとはしていない人なのですが、この世で「東洋医学を最初に始めた」とされている「黄帝」という紀元前 2500年前の人物が、この 60年ごとの庚子の年について、以下のように述べていたことが伝えられています。
庚子年 - 黄帝による解釈
庚子の年には、人々は暴力的になる。
春と夏に洪水が繰り返され、秋と冬には頻繁に干ばつになる。
田んぼは完成せず、収穫期のコメも刈ることができない。
人は街を彷徨い、女性は襲われる。
桑の葉は実らず、カイコは育たない。
カイコはいても、絹を見ることはない、その絹はすぐ切れる。
これを改めて読みますと、
> 人々は暴力的になる、とか、> 春と夏に洪水が繰り返され、とか、現在もまたそのような感じで進んでいますが、ここにある「桑の葉は実らず、カイコは育たない」というのが、「農作物が育たない」という意味なら、このことが今後問題になっていくのかもしれません。
そんな「庚子の年」である 2020年の現状を見てみます。
前例のない世界的な洪水
洪水は世界各地で発生し続けていまして、日本で大雨による大きな被害が出た 7月はじめの時期とほぼ同じような時期に、やはり記録的ともいえる大雨による被害が世界各地で起きています。今回は中国のことを中心にご紹介したいと思いますが、他にも、以下のような国や地域で、大変な大雨被害が出ています。
リンクは現地あるいは海外の報道です。中国については後述します 。
2020年7月に入ってから歴史的な大雨・洪水被害が出ている国
[モンゴル 7/3 - 現在も続く] 7月はじめの数日間で大雨が降り止まず、鉄砲水等により少なくとも 8人が死亡、家畜 7000頭以上が死亡。(Ilke News Agency)
[パキスタン 7/6 - 7/7] 大雨による家屋の倒壊、樹木の倒壊、感電などにより少なくとも 7人が死亡。(新華社)
[タイ 7/7] パタヤで激しい雨による街全域が水深 1メートル超の冠水。(Thaiger)
[ネパール 7/2 - 7/7]ネパール中央部と西部で、大雨が 9日間降り続き、鉄砲水と地滑りなどで少なくとも 9人が死亡。 (Floodlist)
[ブルガリア 7/7] 首都ソフィアなどで大雨による大規模な洪水と鉄砲水が発生。 (Floodlist)
[インド 7/6 - 7/7] インド西部の一部に大雨と破壊的な洪水が発生。大規模な停電が起きる。 (Indian Express)
[ミャンマー 7/2] 北部のカチン州で大雨による大規模な地滑りが発生し、160人以上が死亡。 (Floodlist)
このほんの数日で、このような大規模な大雨被害が各地で起きています。とはいえ、この数日間で、人的被害あるいは経済的な被害で最も大きな影響を受けているのは日本と中国で、日本の豪雨の人的被害についてはまだ全容はわかっていないとはいえ、7月9日午後までに、死者 60名、行方不明 17名という大惨事と報じられています。
中国はさらに全容がはっきりとしていないですが、7月3日の時点での中国の公式な報道では、121人が死亡したと伝えられています。その後、中国の洪水は規模も範囲も拡大していますので、被害も拡大していると思われます。