2020年7月21日火曜日

2104「地球生態系2」2020.7.21

 そして中国の内モンゴルでは、「黒死病」として知られる腺ペストが発生しています。
中国:腺ペストが発生
 中国の内モンゴルで住民が「腺ペストに感染した」と発表されています。感染経路は今のところ不明ですが、腺ペストはげっ歯類の動物(ネズミやマーモットなど)が保菌している場合が多く、そのルートからの感染が疑われるとのことです。
 現在のところ、人から人に感染する兆しはないとしていて WHO は「感染が拡大するリスクは低い」と述べています。中国・内モンゴル自治区内のバヤンノール市当局は5日、前日に病院から腺ペストが疑われる症例が報告されたことを受け、警報を発令した。
 WHOのマーガレット・ハリス報道官は「中国での感染状況を注視しており、中国および内モンゴル自治区の当局と連携している。現時点では高リスクとは考えていないが、注意してみていく」と述べた。
 中世に「黒死病」と呼ばれた腺ペストは感染しやすく、死に至るケースもある。ペスト菌はネズミやリスなどの齧歯動物が保有していることが多い。 (ロイター 2020/07/07)

世界各地でデング熱の史上最悪の流行
 そして、東南アジアでは過去最大級の「デング熱」の流行が起きており、シンガポールでは「過去最悪」になる見込みであることが報られています。以下の記事でご紹介しています。
シンガポールで過去最悪のデング熱の流行 : 30年間出現していなかった古いウイルス株の復活とロックダウンの後遺症による地球の記録 2020/07/04
 シンガポールでのデング熱の記録は、2013年の症例 2万 2170件が過去最大でしたが、 3週連続で週単位の感染者数が過去最大を記録しており、過去最悪の流行となると見られています。

 シンガポールで最悪のデング熱の流行が起きた理由はふたつで、
・過去 30年間見られていなかったウイルス株が「復活」して出現したため、住民に免疫がない
・長期間のロックダウンの影響で、蚊が住宅地での繁殖を増加させる機会が増えた
と推測されているのだそうです。
 時期はもう少し前ですが、スリランカでも壊滅的なデング熱の流行で 300人以上が亡くなっており、過去最悪の流行が続いているようです。
 また、アメリカのフロリダ州でも、これまで見られたことのないデング熱の患者が発生していると FOX ニュースは伝えています。
 ちなみに、このデング熱は「蚊」が媒介しますが、東南アジアや一部アメリカなど各地で患者が発生しているため、多くの地域で、「大規模な消毒作戦」がおこなわれ続けています。

 以下の記事など、何度かふれましたけれど、
・新型コロナウイルスに対しての街頭での消毒剤の散布
・イナゴの大群に対しての殺虫剤の散布
が続けられている中、それに加えて、現在、
・蚊に対しての殺虫剤の散布
も、非常に広範囲に行われていると思われまして、これもまた後々影響が出そうです。
人類絶滅への道 : コロナウイルスとイナゴに対しての「殺菌と消毒の嵐」が吹き荒れる中、地球の微生物と昆虫類が「大絶滅」に向かう可能性。そしてその次は…In Deep 2020/03/29

 このようなことは、生態系全体に良くないことですけれど、単純な話として「人体にも悪い」と思われます。おそらく、現在の過剰な殺菌・消毒環境は、人間の免疫を弱める(常在菌や腸内細菌が多少なりとも損なわれるので)ことにつながると見られ、感染症の流行はさらに拡大していくのかもしれません。
 四六時中、環境中に噴霧されて、それでも人の体に優しいというような殺虫剤は基本的には存在しないはずです。かといって、蚊を野放しにすれば、デング熱(あるいはジカ熱)が拡大し放題ということで、消毒せざるを得ないという・・・やや地獄の雰囲気となっていますねえ。地球全域が、こんなにたくさん消毒された時代ってこれまでなかったでしょうね。
 私たちは、いろいろな面で「初めての世界」に生きていることになりそうです。
 そして、あと、「動物のパンデミック」も続いていまして、これは簡単にご紹介しておきます。