木内鶴彦さんと巡る旅も東北各地を訪れていますが、今回、空白地域の福島県会津に行ってきました。2018年12月1~2日で総勢16名の旅です。その様子を紹介します。
12月1日に仙台駅を車2台に分乗して7時に出発しました。生憎の雨模様ですがありがたい兆しがいっぱいです。最初の目的地は喜多方市にある大和川酒造・北方風土館です。
大和川酒造は200年以上の歴史がある作り酒屋です。以下の様に紹介されています。
「大和川酒造店は、江戸時代中期の寛政二年(1790)創業以来、九代にわたって酒を造り続けてきました。変わることのない清冽な飯豊山の伏流水を仕込み水として使用し代々の杜氏の一途な心意気によって「弥右衛門酒」をはじめとした銘酒を生み出してまいりました。一方、使用する酒造好適米は、早くから自社田や契約栽培農家で収穫された無農薬、減農薬無化学肥料の良質な米に切り替えました。また自社の田んぼやそば畑を耕し、いのちを育む「農」の世界にも挑戦しております。
大和川酒造店は寛政二年(1790年)創業以来、220年にわたり会津喜多方に蔵を構えています。会津喜多方の恵まれた気候風土のなかで、「米をつくり、酒を醸し、そして飲み手とふれあえる」のは造り手として至高の喜びです。大和川で酒造好適米の栽培をはじめて今年で丁度13年。様々な挑戦を続けてまいりまし
た。常に皆様に美味しく飲んでいただける高品質なお酒を、夢とロマンをこめて丹念に醸しております。普段の食卓、葬祭の席、そして記念日やハレの日に喜びをより醸す酒としてご愛飲いただければと思います。」
た。常に皆様に美味しく飲んでいただける高品質なお酒を、夢とロマンをこめて丹念に醸しております。普段の食卓、葬祭の席、そして記念日やハレの日に喜びをより醸す酒としてご愛飲いただければと思います。」
北方風土館の酒蔵には歴史を感じる数々の展示があり皆さんで見学し、試飲して銘酒を味わいました。しかしここを訪れた目的は他にあります。大和川酒造の会長佐藤弥右衛門氏は会津電力社社長としてこの地の電力の自給、自立、地域活性化に取り組んで来ています。その取り組みについてお話しを伺う為です。風土館のホールで1時間程興味深く会津の心意気を伺いました。以下、そのお話しの内容を紹介します。
「再生可能エネルギーの取り組み」会津電力社長 佐藤弥右衛門氏
会津電力会社の設立の目的は、全ては未来の子供たちの為にだ。2011年3月11日の東日本大震災、福島原発事故を受けて、再生可能エネルギーを目指し2013年8月会津電力をスタートした。
自然エネルギーを利用して電力会社の植民地から脱し、会津地方の電力の自立を目指した。2014年雄国太陽光発電所が稼働開始した。そこでは34000枚のパネルを設置して1MW/Hの発電を開始した。未来はエネルギーの自給自足が使命と考えている。
2011年の311東日本大震災で既に原子力の限界が見えている。私は酒屋をしているが会津盆地は豊かだ。徳川幕府の譜代として栄え、地内で自給が出来ていた。戦後、農林業の衰退をみたが、会津地方の面積は千葉県に匹敵する広さだ。
会社ではバイオマスも手掛けている。猪苗代湖は天然のダムだ。現在、会津で500万KWの発電があり、原発5基分に相当する。福島原発は200万KWだった。
福島県の人口は196万人で154万KWの消費だ。会津は人口27万人で福島県の1/7の人口で、50万KWで十分だ。現在ではエネルギー的に自立できている。
水が会津の宝だ。経済力は2市15町村でみる。行政力は喜多方市で人口47000人で250億、しかし税収は50億で国からの交付金でまかなっている状態だ。他の町村は税収は1~2割でしかない。
GDPは喜多方市で1700億、会津若松市で4500億、会津地方合計で7800億。電気の売り上げは500万KWで3300億。しかし電力会社の東京電力、東北電力、電源開発株式会社に10円で利用されて持って行かれている。結果、行政にはお金がない。