2019年1月24日木曜日

1559「会津16」2019,1,24

 須田さんのお話しを伺って後は校舎の見学です。





まだ整備途中ですが喰丸小学校跡の改修費用はクラウドファンディングで1230万円程集められました。
その様子は以下のサイトで見る事が出来ます。

 小学校の取り壊し、解体の危機は3度あったようです。その中で映画「ハーメルン」の関わりが存続に大きく貢献した様です。私が昨年、出張先のホテルでたまたま見た映画がこの「ハーメルン」でした。全く予備知識が無く見ていて、ひょっとしたらこの学校が昭和村の喰丸小学校かもと思ったのでした。
 Kさんのお母さんが染色、織りを学んでいて昭和村の「からむし」織は知っていました。そこから昭和村の村おこし協力隊募集をしり、Kさんの転職のきっかけになっていました。後日、お母さんと未だ赴任が決まっていなかったKさんにその映画の事をお伝えしましたが、二人ともその映画の事は知らず、驚きの巡り合わせでした。
 以下が映画の概要です。是非1度、映画をご覧ください。

 映画「ハーメルン」:時の鐘が鳴り、人々は記憶のやどるその町を出ていった--
 脚本・監督・音楽 坪川拓史
あらすじ 
「福島県のある村の廃校に、その小学校の元校長先生が一人で暮らしていた。村では高速道路の建設が進んでおり、この廃校も解体されることに決まっている。校長はもう使われることのないこの校舎を修繕しながら「消えゆく我が舎」をいとおしむように日々を送っている。 
 だが工事の過程で廃校付近に貴重な縄文遺跡が出土したことで、この校舎が出土品の保管場所兼整理作業場として使われることになり、廃校解体は暫し先送りとなる。
 かつてこの小学校が廃校となるその日までここで学び、現在は県立博物館に勤務する学芸員・野田が、遺跡調査の責任者として30年ぶりに「帰郷」することになった。野田は当初、この任務をできれば断りたかった。野田にとってこの学校は、誰にも明かせない「暗い過去」を想起させる場所だったからだ。
 小学2年生の頃、担任の綾子先生が大切にしていたカラクリ時計を盗んでしまった。野田少年が盗んだことを言い出せないまま、まもなく小学校は閉校する。閉校式の日、綾子先生の発案で、校庭に皆でタイムカプセルを埋めようということになった。生徒達は、大人になった自分宛の手紙、そして宝物をそれぞれに入れた。野田は、綾子先生から盗んだカラクリ時計をこっそりその中へ入れてしまったのである。
 綾子先生の一人娘リツコは、村で唯一のスナック「リコリス」のママであるが、昼間は遺跡出土品の整理作業員としてこの廃校で作業をしている。野田はリツコから、綾子先生が今は村の老人ホームで寝たきりの状態にあることを知る。
 野田にとってこの学校は思い出したくない「忌まわしい場所」であったが、校長やリツコと接していくうちに小学校での懐かしい記憶が徐々に回復されていく。そして校長がこの校舎に託する想いにも次第に共感を寄せるようになる。
 そんな折、身体が弱ってきた綾子先生が、隣町の大きな病院へ移されることに。野田はリツコや老人施設で働く若い女性・恵子から、記憶障害があり意思疎通もままならなくなっている綾子先生が、いまでもカノン(カラクリ時計のオルゴールの旋律)だけは楽しそうに口ずさんでいることを知らされる。
 解体日が迫ったある日、野田は校長にカラクリ時計のことを告白する。そしてその日から二人でカプセルを埋めた場所を探し始める。だが、野田と校長がタイムカプセルを見つけられないまま、廃校は解体の日を迎える。
 奇しくもその日、綾子先生は村から隣町の病院へ移される。病院への道すがら、思い出の詰まった学校に別れを告げるため、綾子先生を乗せた車が廃校に立ち寄る。車椅子の綾子先生が、不思議そうな表情で校庭を見渡して小さく呟く。「あの子達、どこへ行ったんでしょうねぇ・・・」

 野田:西島秀俊  リツコ:倍賞智恵子  元校長:坂本長利 
 老人ホーム所長:小松政夫  綾子先生(リツコの母):風見章子
 中丸:水橋研二 工藤(リツコの父):守田比呂也   綾子先生(若い頃):内田春菊
撮影期間:2009年10月第一次先行撮影 2010年10月メイン撮影(3週間)2013年完成

 喰丸小学校をこの映画「ハーメルン」の中心に据えた坪川監督との出合いに物語があります。喰丸小学校というカノン(輪曲)を繋いでいくための想いを、ハーメルンの映画監督・坪川拓史と哲学者・鞍田崇さんの対談が2017年に行われました。なかなか興味深い内容です。是非とも以下のサイトで読んで下さい。
「廃校から37年。次の世代へ喰丸小学校という「カノン」をつないでいくために」