2019年2月5日火曜日

1571「己亥1」2019.2.5

 2019年も2月4日立春を迎え、節が変わりいよいよ2019年が始まりました。今年は果たして如何な年となるのか少し探ってみました。

 2019年は十干では「己(つちのと)」です。そして十二支では「亥(い)」で、「己亥(つちのと・い)」の年です。
 己(き、つちのと)は、十干の6番目になります。十干には陰陽五行という考え方があり、それは世の中のものは、木・火・土・金・水で表される五行と陰陽で見るという考え方で、そのことを陰陽五行説と言います。
 この陰陽五行説でみると、「己」にはその中で「土」の性質があります。更にその土性の「陰」で、「土の弟(つちのと)」とも言われます。昨年、2018年は戊戌(つちのえ・いぬ)の戊「土の兄(つちのえ)」で、己の前に当たり、土性の「陽」でした。
 「己」の字は三本の平行線を形取ったもので、「植物が充分生長し形が整然としている状態」 、「繁栄したものを統制する」という意味があります。

 十干も、十二支も、漢字一字で表しますが、それらは、植物の成長過程を表しています。
 十干の10個の漢字は、草木の誕生から成長、種子が出来て、さらに次世代の成長が始まるという意味を持っています。それは以下の様に意味づけられています。
「甲」は、種子がまだ堅い皮をかぶっている状態。
「乙」は、草木の芽が幼く屈曲している様子。
「丙」は、草木の成長が始まってその姿がはっきりしてきたという意味。
「丁」は、草木が大きくなり、充実してきたという意味。
「戊」は、草木が盛大に繁茂している様子。
「己」は、草木が十分に繁茂し、条理が整う様子。
「庚」は、草木が成熟し成長は止まり、新たなものに変化しようとする様子。
「辛」は、草木が枯れて、新しくなろうとする様子。
「壬」は、草木が種子となって新しい生命をその内にはらんだ様子。
「癸」は、種子の中で新たな生命が徐々に形作られ、再生までの時を測れるほどとなっている様子。

 また、安岡正篤さんの本に書かれている話によると、「己」は「紀」だと言っています。「きまり」、「すじみち」といった意味があります。「己」の字を見ると、横の線が3本あって、それがからまないように縦の線で分けている。「己」の字の形は糸を表していて、糸がこんがらがると悪いかたまりになってしまう。このことから、「己」の年はわがままにならずに規律を守ることが大事で、筋道を通すという意味だといいます。

 一方、十二支の「亥(い)」は、陰陽五行説では水性の「陰」で、「亥(がい)」は「とざす」の意味で、「草木の生命力が種の中に閉じ込められた状態。」 を表しているとされています。
 また、「亥」年には、十二支の中でも最後の年です。十二支を植物の一生と考えると、戌年でたわわに実った果実が種子となり、次の始まりに向けてエネルギーを蓄えて次のステージへと向かう準備をするという意味の年なのです。

 ちなみに十二支では、植物の成長サイクルを示していると言われています。以下の様な意味で読みます。
子:種子の中に新しい生命が生まれ始める
丑:芽が種子の中に出来るがまだ伸びない
寅:春が来て、植物が伸び始める
卯:植物が地面をおおうようになる
辰:植物の形が出来上がった
巳:植物の成長がピークに達した
午:成長がピークを過ぎ、衰え始める
未:果実が熟し、渋みができ始める
申:熟した実が固くなり始める
酉:熟した実がピークを迎える
戌:成熟を終え、枯れる
亥:新たな生命が種子の中に閉じ込められた状態