2019年11月15日金曜日

1857「下北・恐山23」2019.11.15

・英・仏の再処理工場周辺で小児白血病が多発
 すでに再処理工場が30年以上運転されているヨーロッパからは、膨大な放射能放出による環境汚染、人体への影響が報告されています。フランスのラ・アーグ再処理工場周辺では、小児白血病の発症率がフランス平均の約3倍にのぼるというレポートが発表され、再処理工場の運転や放射能放出を規制する動きが出ています。イギリスのセラフィールド再処理工場からの放射能によって汚染されたアイリッシュ海をめぐっては、対岸のアイルランド政府がイギリス政府を訴える事態に発展しています。ヨーロッパ西部の多くの国の政府は、これ以上の放射能汚染を防ぐために英・仏の再処理工場の運転を停止するよう求めています。 青森県でも六ヶ所再処理工場周辺での環境汚染および人体への影響が懸念され、1999年から「青森県小児ガン等のガン調査」が実施されています。

・止めよう!六ヶ所再処理工場!
 使い道のないプルトニウムのために、大量の放射能をまき散らし、大事故の可能性を抱え、11兆円以上のコストを必要とする六ヶ所再処理工場を正当化する理由は、何もありません。それでも日本が再処理計画に固執するならば、東アジア地域の平和にとって、大きな混乱要因となる可能性があります。広島・長崎を原点に持つ私たちにとって、六ヶ所再処理計画は絶対に許してはいけないものです
http://www.cnic.jp/knowledgeidx/rokkasho

 原子力の戦争利用は論外として、平和利用でも公害としてのマイナスを改善されないと末代に禍根を残す事になります。科学の未発達の見切り発車でいろいろ重大な問題が起きています。少し横道に成りますが、原子力発電所の設置の背景にある隠された視点を紹介します。

思想家の内田樹氏「原発の多くは賊軍とされた地域に立地されている」「政治的な意図をもって、政府のどんな要求に対しても断ることができないくらいに貧しい地域が作り出されている」
 冒頭の記事は昨日知ったのですが、原発問題にこのような視点があるのかと驚きました。思想家の内田樹氏によると、“原発の多くは賊軍とされた地域に立地されている”というのです。記事には、17カ所54基ある原発のうち、13か所46基の原発が「賊軍」地域に所在するとあります。
 各地の原発に対する具体的な記述があります。原発が貧しい地域に集中して建てられていることがわかります。
 内田樹氏の「東北論」では、“政治的な意図をもって、政府のどんな要求に対しても断ることができないくらいに貧しい地域が作り出されている ”とし、福島も地元が原発を誘致したが、それは地元に産業がないから。しかし、産業がないのは努力が足りないのではなく、“戊辰戦争以来150年間の、東北に対する政治的・経済的な制裁の結果”だとしています。
 靖国神社に賊軍を合祀しないことを見ても、確かに、“政治的な意図を持って…貧しい地域が作り出されている”というのは、正しいのかも知れません。
 記事の引用元では、安倍政権は「グローバル化推進政権」であり、グローバル企業には国土も国民もなく、“金儲けにしか興味がない”と言っています。“守るべき国土、扶養すべき国民という概念が空洞化…どうやって自分たちの私的なビジネスを税金で支援させるか、どうやって私用のために公務員を使うか”という方向に向かっていくと言っています。
 これは2013年の4月の記事なのですが、モリカケ問題を例に挙げるまでもなく、安倍政権は、まさにこの通りのことをやっています。
 原発再稼働を要求しているのはグローバル企業であり、彼らは儲けのことしか考えていない。長期的に見れば、原発は取り返しのつかない損害をもたらす可能性があり、「割に合わない」。しかし、グローバル資本主義者は、“日本列島がどれほど汚染されようとも、個人資産が増えるなら、全然問題ない”。しかし、金儲けにしか興味がないこうした連中が、“国民国家の政策決定に深く関与”していることが問題だとしています。
 大変優れた見解だと思います。「反グローバリズム、反竹中平蔵」「上級国民殲滅」が正しい道筋だということかわかります。(竹下雅敏)