2017年4月8日土曜日

903「安らぎ2」2017,4,8

 私たちの人生の経験が、心を頂く行、心行です。三つの業、の諭、教、慧と意叡、託宣は心を決めるもので大切な要素です。先人の一人は実存的転換機序といい、言葉を変えれば視点想創性による大変換であり、日々の中での営みが大事です。
 その変換の促す縁、出会い、他者との遭遇が頂けることは嬉しき、楽しき、幸せな、ありがたき時です。それが絶妙なタイミングで与えられますが、それを評した「啐啄同時(そったくどうじ)」と言う言葉があります。それは以下の様に解説されています。

「「啐啄同時」という禅語があります。啐啄同時とは、鶏の雛が卵から産まれ出ようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音をたてます。これを「啐」と言います。そのとき、すかさず親鳥が外から殻をついばんで破る、これを「啄」と言います。そしてこの「啐」と「啄」が同時であってはじめて、殻が破れて雛が産まれるわけです。これを「啐啄同時」と言います。これは鶏に限らず、師匠と弟子。親と子の関係にも学ぶべき大切な言葉です。」

 己の求める内容と、その必要と、タイミングを推し計ったように、親、師、自然、天、あるいは神的存在がそれを与えてくれる同調現象です。早くても、遅くても、己の発意、発心なくしては開かない、扉開きの世界です。これも瞬間、瞬間の心の動き、響きに委ねられているのでしょう。

 アイリッシュハープのみつゆきさんをお招きして3月18日から仙台天命舎で個人レッスンとコンサートを行ないました。
 みつゆきさんは青年期、いや幼少期から笑うことの無い、鬱屈した、やり場の無い閉塞感の時代を長く過ごしていました。今回、初めて3歳くらいの時の写真を見せていただきましたが、あどけなく笑っている子供、どこか今の彼の面影がある姿でしたが、彼はそれを最後に笑ったことが無かったといいます。ですから写真の笑顔はそれが最後です。

 大学生の時に自分の可能性を求め、未知の世界を目指し、自転車旅行で北海道を巡り、帰路の東北、陸奥の旅で心癒される体験をされます。みちのく、縄文の風土に触れた初体験でした。
 社会人になりやがてアイリッシュハープの音色に触れる出逢いがあり、凍て付いた心が癒されていく驚きの体験をします。
 それから彼は是しかないと、求めていた道を歩み出し、独力で、日々努力、精進して進んで来ました。一般的な音楽教育を受けずに、耳からの聴覚と身体感覚でひたすら、己の癒しの方向を目指して来ています。今でも楽譜を読む事も、書く事も出来ないようです。
 彼のブログに以下の様に記されています。一部抜粋して紹介します。

「僕が生まれてきた理由 2016-08-26」
「僕の代表曲でもある、メモリアルという曲ができた瞬間、「僕はこの曲を弾くために生まれてきた」 とその瞬間思いました。 ただしその感覚はそのときのみではっきりと思い出すことはできません。
 そして、去年に布引ハーブ園で全国からの生徒さん32名と一緒に輪になって演奏したときに ぞくぞくして、その瞬間僕はこのために生まれてきたと思いました。
 何のために生まれてきたのか? この世に赤ちゃんが生まれてきた理由を知ると、いのちのやくそくを知ると 子育て中の方も、もっと違う観点から楽しめるようにことができるそうです。~途中省略~
 僕は今回の人生では、何人もの人と付き合うということを設定していません。 できたら、生徒さんが皆さんそれぞれに出会うべく人と出会って または今のパートナーをまったくあたらしい考え方で見ることで、しあわせになってほしいなと思います。」

 みつゆきさんには仙台にお越しいただいて4年が過ぎ、年に何度かコンサート、個人レッスン等を行なって頂いています。その間、みつゆきさんのアイリッシュハープに出会い、その音色、響きに魅せられた方々も数人誕生して、マイ・アイリッシュハープをお求めに成り、日々、自宅で愛用し癒し、心の安らぎ、楽しみを享受されています。