胴腹滝という変わった名前の由来は以下のようです。
「鳥海山の伏流水が山腹から湧き出している様子を、身体の「どうっぱら」から湧き出しているという例えで名づけられました。また、このことから、安産の神としてもあがめられております。」
鳥海山の瀧の名所、一の瀧、二の瀧へ向かう県道60号線の途中にあります。左側に駐車場が整備されています。私達が下りて瀧へ向かおうとしたら大型観光バスが乗り付けました。重なっては落ち着かないので急いで瀧へ向かいます。
この胴腹滝は、道路から歩いて5分足らずの場所にありますが、山形県里山環境保全地域第1号に指定されました。丁度、おじさんが掃除にきていて草刈など手入れをしていました。お陰様で道は綺麗で歩き易く、ありがたいことです。
里山環境保全地域の説明に以下の様にありました。
「水が断崖から勢いよく湧き出し滝となる胴腹滝の景観は、沢水が断崖から流れ落ちる一般の滝とは異なり、自然現象としても価値ある滝です。胴腹滝周辺の湧水は、横堰によって集められ、さらに小水路に導かれ、集落の生活用水となり、田畑の灌漑用水となりました。胴腹滝の豊かで良質な水は下流域の人々の暮らしを支え、信仰の対象ともなってきました。」
杉林の中に小さな杜、不動堂があります。そこでは子安大聖不動明王をお祀りしています。
説明版に以下の様にあります。
「古記録によると、安永年中今から約210年前に一堂宇あり、行者宝雲海は朝日村七五三掛の注連寺での修行後、遊佐に帰依しこの地で更に修行す。その子法寿(20才の頃)京都三宝院で修行、帰国後朽損の堂を再建、
法寿の造られた御真影版木には
「そもそも胴腹瀧と申す奉るは人の身躰一切を守り賜う故を以って胴腹瀧と奉り唱うなり、この瀧は安置奉るは往古より子安大聖不動明王として胴より始めて腹部の守護するなり」と刻まれている。」
その不動堂を挟んで岩の裂け目から左右に二つの滝がながれています。その瀧の左と右で味が違い、左の滝は冷たくコーヒーに合う、自然無限の味。右の滝はまろやかな清水で日本茶に合う、沢の香りと言われています。それぞれが陰と陽の性質を持ち、両方に触れる事でエネルギーバランスが整えられるとも言われています。
この湧き出た水は名水として有名で、冬でも凍る事がなく、一年を通して水汲みの人が絶えないようです。
苔むした風情のある岩がゴロゴロあり、その上になにやら仏像があちこちに安置されています。
観光バスの方々も押し寄せてきて、風情は消えてしまいました。早々に引き上げました。