車を降りて少し歩くと岩の上です。巨大な花崗岩の一枚岩で1つの巨塊です。巨石の上には数センチ幅の白い線が走っています。縦横、交差したり一本の白線は、岩の中央部分を両端まで直線に走ったりしています。花崗岩とは違う石英質の岩脈でしょうか。
木内さんは早速、方位を調べました。朝日が白線上を昇る可能性もありそうですが太陽の運行に関係していているのか定かでありません。この白い線はどう考えても自然の造形とは思えません。じっくりと2,3回訪れて詳細な調査をしたいと言います。
巨石からは360度見渡せます。天気に恵まれて気分爽快です。皆さん思い想いに宇宙岩を満喫しました。帰りは宇宙岩を東側から眺めましたが、強者は草を掻き分け岩の下の部分まで行きました。兎に角スペシャルな宇宙存在との遭遇でした。
ところでこの巨石は地元ではぶな石と呼んでいます。そもそも一本山毛欅と書いて「いっぽんぶな」と読むのは難しいです。標高667,6mの山にかつては1本のブナの木がありそう呼ばれていたのでしょうか。山の周りは牧草地で、牧草の共同管理地で山を削って造成したときにこの岩峰が残ったのだそうです。そこに現れた巨石をぶな石と呼んだのでしょう。そして宇宙岩の呼称は宇宙と繋がる何かの役割があるのではないかとの想像でしょうか。
そんな中以下の様な記載を見つけました。
「「ぶな石」の白い線(一部抜粋)
「ぶな石」―水石山のラインを地理院地図とグーグルアースで確かめる。南東―北西だ。春分・秋分の日、夏至の日の朝日と「ぶな石」の白い線は無関係だろう。冬至の朝日がそれに近いところから現れるかもしれないとしても、それは偶然で、神様が意図したわけではない。
鉱物に詳しい知人に聞いた。「ぶな石」は花崗岩で、白い線(岩脈)はペグマタイト(大きな結晶岩からなる火成岩の一種)だという。石英・長石などからできている。地下深部で固まる過程でひびが入り、そこへ石英などが入りこんだ――単純化していえばそういうことらしい。花崗岩にはよくあるのだとか。
阿武隈高地は大昔、地層が隆起し、長年の浸食作用の結果、老年期の山々になった。人は年をとれば丸くなる。それと同じで、山も年をとればなだらかになる。一本山毛欅もそうした「残丘」のひとつで、周囲より硬かったために岩が残った、
そうそう、差塩で遺跡発掘調査をした渡辺一雄さんの文章がある。
「差塩の遺蹟は場所柄、花崗岩の巨大な石がごろごろしており、その間から縄文時代の住居跡や祭りの遺構などが、検出されることが多い。平地の遺構にくらべると、規模はずっと小さい。小規模な遺構が川沿いに点在するのである。恐らくは、狩りのためのキャンプ地として利用した所であろう」(いわき地域学會『あぶくま紀行』1994年)
「宇宙石」うんぬんより、こちらの方に心が躍る。」
https://iwakiland.blogspot.com/2018/06/blog-post_23.html