清水寺観音堂 |
「清水寺観音堂 八戸市是川中居18-2
是川字中居(なかい)に所在する清水寺(せいすいじ)は、山号を楞巌山(りょうごんざん)と称し、その草創は平安時代にさかのぼり高僧慈覚大師(じかくだいし)によると伝えられています。もともと天台宗でしたが、明治時代に浄土真宗に改宗しています。
この観音堂は、堂内に残されている棟札から、天正9年(1581)に建立されたことが分かっており、県内最古の木造建築として知られています。
鎌倉時代に中国から伝わった禅宗様(ぜんしゅうよう)という様式を主体として造られており、所々の彫刻には室町時代の特徴を持った文様も残されています。構造は、桁行3間、梁行3間の一重宝形造(ほうぎょうづくり)で、茅葺屋根となっています。
禅宗様の中世的仏堂として東北地方北部の貴重な遺構で、昭和55年に国の重要文化財に指定され、翌56年から58年にかけて解体復元工事が行われました。
観音堂には産馬育成の祈願等の絵馬が奉納されており、寛文8年(1668)のものから明治初期のものまでありますが、現在、そのほとんどは八戸市博物館に寄託されて保存管理されています。 また、清水寺観音堂は、糠部(ぬかのぶ)33観音札所の第2番札所となっており、古くから人々の厚い信仰を受けていたことが知られます。」
本堂脇に駐車場があり、そこから直ぐに観音堂に行けます。大きな杉木立に囲まれ参道の先に茅葺の観音堂は見えます。参道右手には墓地へ向かう道があり、手水石があります。池があり、古びた石灯籠が立ち、この空間だけは別な時空間、異次元世界です。観音堂の茅葺屋根には草木が生い茂り時間を感じます。440年のタイムスリップです。暫しこの空気感を味わいました。
観音堂に祀られる菩薩は以下の様にあります。
「観音堂本尊はかつて千手観音(伝慈覚大師円仁作。※盗難により現在不在)としていましたが、現在は救世観音菩薩を安置。他に木造天部立像や馬鳴(めみょう)菩薩を祀ります。木造天部立像は四天王の一つ多聞天あるいは単独で毘沙門天の可能性が指摘され、県内最古となる平安時代後期の彫像と判明。馬鳴菩薩は菩薩が馬に跨る形像。中国の民間信仰に由来し、貧窮の人々に衣服を与えたり、養蚕機織の菩薩として祀られるといいます。また、産馬育成祈願などの絵馬(51枚(寛文8年-明治初期)・市指定文化財)も奉納されています。」
観音堂内部は拝観できませんでしたが以下の写真でその様子を伺いしれます。