2020年3月13日金曜日

1975「九年後1」2020.3.13

 今年も3月11日を迎えました。月日が経つのは早いものであの東日本大震災から9年が過ぎました。今年は2020年で直霊は④の子年で、2011年は直霊は同じ④で卯年でした。
 今年は武漢から発症したコロナウイルスCOVID-19で世の中は大混乱です。パンデミックになり多くのイベントは取りやめになり、仙台市の311追悼行事は中止になりました。
 政府も3月6日の閣議で新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、11日に予定していた政府主催の東日本大震災追悼式を中止すると決めました。これまで感染拡大防止をめぐり、首相は2月26日に大規模イベントの中止・延期を、翌27日には全国の小中高校の一斉休校を要請。「これから1~2週間が瀬戸際だ」とし、国民に協力を呼び掛けていましたので、追悼式典中止はやむ負えないことでしょう。

 9年前に仙台市で被災し、数々の難儀を体験した中で現在がありますが、現在の状況は目に見えないウイルス相手です。報道を見ていると心配、不安と恐怖が蔓延していて、その社会の混乱は9年前の津波の被害、福島原発事故の放射能被爆の状況と似た感じがします。
当時は多くの方が亡くなり、家屋、国土の崩壊を目の当たりにし、生き残った人々もいのちの危機を肌で感じていました。被災地では家屋の崩壊を免れても、ライフラインの破壊で電気、水道、ガスが使用できず、飲料水、食料の確保、自動車のガソリンの給油等など、仕事は完全に止まり、毎日を如何に生きるかの問題が全てでした。全国各地から被災地への支援活動が徐々に明るさを与え少しずつ生活の落ち着きを得る事が出来てきました。

 仙台テンメイ名取農場は仙台東部道路の西側で名取インターチェンジから直ぐで数分の所にあります。幸い地震、津波の影響はほとんどありませんでした。生垣で隔てる隣地の家屋が床上浸水なのに、海水が生垣を超えることなく、畑もほとんど冠水する事無く助かりました。そして南側の畑、西側の道路向かいの田んぼは瓦礫がいっぱいなのです。私達の場所が大いなる存在に守られたとしか考えられないことでした。
 地震の時に農場では、農場長他1名が作業していましたが、戸締り等確認して避難しました。農場長は閖上方面に向かう道が帰宅路ですが、途中渋滞に巻き込まれ、機転を働かせてユータンして閉鎖されていた高速道路の名取インターから高速道路に入り難を逃れる事が出来ました。渋滞の中にいた多くは車中で被害にあっています。テンメイの会員の仲間はこの閖上地区に居て車中で津波に飲まれ漂流する中、學校の屋根に辿りついてかろうじて脱出出来て助かりました。しかし、真向法の仲間のお母さまは車で避難中の遭難死、帰らぬ人となりました。

 その農場から東に2キロ程先は名取市閖上地区があり、震災前には7,100人余りが暮らしていて、漁港があり栄えていた地域でした。しかし津波で飲み込まれて壊滅的被害がありました。この地区での死者数 911人、行方不明者数 76人です。

グーグルマップで閖上地区の被災状況を見てみます。

赤○で囲んだのが閖上地区で東西 500m 南北700m 程度の範囲が壊滅的被害の所です。

上の Google Earth の画像と比べると、赤の×の家屋は、よほどしっかり土台に接合されていた家屋、鉄筋コンクリートの建物以外はみな流された

 閖上地区の復興が少しずつ進み、堤防、かさ上げ造成、住宅地と非居住区を区分けされ整備されてきています。町のシンボルの日和山は閖上地区被災一帯を見渡せる丘ですが、ここには大津波で流失した、閖上湊神社と富主姫神社を祀っていて、鎮魂の場となっています。

 非居住区内に作られた「震災メモリアル公園」には「亡き人を悼み故郷を想う 故郷を愛する御霊よ 安らかに」と慰霊碑が作られています。


 「この慰霊碑は、震災により犠牲になられた方が天に昇っていくイメージを表すと共に、震災を克服し、復興に向けた決意を新たにする気持ちを込め、「種の慰霊碑」から発芽した「芽生えの塔」が上へ上へと伸びていく姿を表現しています。
 この慰霊碑と同じ高さ(8.4m)の津波が押し寄せました。
 芳名板には名取市民の犠牲者と市内で亡くなった人の計944人の名が刻まれています。」

 2020年3月11日この地で震災発生時刻頃14時46分頃に綺麗な虹が見られたのです。
「午後2時46分過ぎに大きな虹 東日本大震災9年3/11(水) 15:47配信 神戸新聞
 東日本大震災から丸9年。発生時刻の午後2時46分を過ぎたころ、宮城県名取市の震災メモリアル公園上空に、大きな虹がかかった。
 見上げた女性は犠牲者を思い、「こうやって渡ってきてくれたんだね」とつぶやいた。
(鈴木雅之)」

 宮城県名取市の震災メモリアル公園上空に虹がかかった=11日午後2時58分(撮影・鈴木雅之)