2020年3月21日土曜日

1983「九年後9」2020.3.21

 そうしましたら、最近、アメリカ国立衛生研究所のライブラリーで、以下のふたつの医学論文を見つけました。
 ここに出てくる「フコイダン」は、ご存じかと思われますが、ワカメとかモズクとかメカブとか、そういう「ぬるぬるした海藻」全般に含まれているものです。
 論文の表現はどちらも難しいものですが、ごく簡単に理解したところでは、
「フコイダンはサイトカインの発現パターンを変化させ、肺炎の症状を抑制する」
というようなもののようです。つまり「重症化を防ぐ」と。

 さらに、2014年の科学記事で、以下のようなものを見つけました。アメリカの代替医療やホメオパシーなどの研究が専門の科学者のページです。
「紅藻」というのは、たくさんの種類がある海藻のカテゴリーですが、食用としてわかりやすいものとしては「岩のり」とか「テングサ(寒天やところてんの材料)」、あるいはフノリなどで、日本人にはそれほど特別なものではありません。
 この記事の中で注目したのは、2006年に、アメリカ保健福祉省が、この紅藻から抽出させる成分を「特許申請した」ことが記されていたことでした。国の機関が岩のりの成分を特許申請しているのです。この「米国特許 #US 8088729 B2」を見てみますと、紅藻から抽出された成分に、抗 RNA ウイルス作用があることが書かれています。
 特許の説明の中には、「ニュージーランドの海で採取された紅藻から抽出されたグリフィスシンという成分を投与した後」として、以下の文章がありました。
 C型肝炎ウイルス感染、重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルス感染、 H5N1 ウイルス感染症、またはエボラウイルス感染症への感染が抑制された。
 海藻に関して、先ほどのフコイダンの論文と合わせると、以下のようなことになりそうなのです。メカブやモズクなどの海藻に含まれるフコイダンは、サイトカインを抑制して症状を和らげ、岩のりとかトコロテンなどのグリフィスシンという成分は、ウイルス感染そのものを抑制する。

 スペインかぜの死者数の都道府県別の比較を見てみると
まず、以下の図は、東京都健康安全研究センターの「日本におけるスペインかぜの精密分析」という資料にある 「スペインかぜの都道府県別の月別死亡者数」です。
資料では、全期間のマップが載せられていますが、表示が小さくなってしまいますので、わかりやすい部分として、日本で最もスペインかぜの感染が激しかった、
・1918年11月・1920年02月のスペインかぜの死亡者数のマップです。


この二回目のスペインかぜの流行期だった 1920年2月のこの分布図と、「とてもよく似た傾向のあるマップ」を見つけたのです。それは、下のマップです。

これは何の分布を示す図だと思われますか?実はこれは、「昆布の消費量の都道府県別分布」なのです。2016年のデータです。
昆布の消費量上位5位
1位 岩手県 2位 青森県 3位 富山県 4位 山形県 5位 宮城県
ちなみに「ワカメ」の消費量は以下のようになっています。
ワカメの消費量上位5位
1位 岩手県 2位 静岡県 3位 秋田県 4位 宮城県 5位 福井県
(わかめの消費量の都道府県ランキング / 平成28年)

 海藻の消費量と、スペインかぜの死者数の率がわりと「逆相関」でリンクしているのです。スペインかぜの死亡者数の都都道府県別の比較で最も注目すべき県は、実は、「沖縄県」
です。沖縄はスペインかぜの一回目の大流行の際も、二回目の大流行の際も、どちらも薄い緑であり、つまり、スペインかぜの流行期間の全体において、沖縄では死者は少なかったといえそうなのです。つまりは、「沖縄では重症者が少なかった」といえるかと思います。
 そして、沖縄で独占的に生産されているもののひとつは「もずく」なんですね。生産率は以下のように、「日本で流通しているもずくの 99%以上が沖縄産地」なのであります。

 もずくは先ほどの論文でご紹介しましたように、サイトカインを抑制するフコイダンを豊富に含んでいる食品です。私たちのもずくの食べ方は、三杯酢とかそういう食べ方ばかりですが、沖縄料理では、天ぷらにするんです。もずくの天ぷらは沖縄のソウルフードとさえ言われています。ですので「食べる量が違う」。
 先ほどのフコイダンに関しての2つの論文や、アメリカ保健福祉省の「紅藻」の成分に関しての特許取得などを見ましても、少なくとも、「海藻を食べることは感染症の流行の時期に悪いことはない」と思います。」
https://indeep.jp/seaweed-fucoidan-and-virus-immune-cytokine-storm/