2024年6月22日土曜日

3466「次のパンデミックが「致死率50%」などになるなら」2024.6.22

 今回はIn Deepさんの2024年06月17日の記事を紹介します。


「次のパンデミックが「致死率50%」などになるなら、本来は全然恐ろしい流行ではないのですが、今が「106年前と同じ免疫状態なら」状況は深刻かも」


https://indeep.jp/flu-pandemic-1918-and-2025/


致死率50%というけれど

今年 5月に、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の元所長であるロバート・レッドフィールドという人が、「鳥インフルエンザによるパンデミックへの懸念」を述べていたことを記事にしたことがありました。

(記事)元CDC所長の「鳥インフルエンザの機能獲得研究が大パンデミックを引き起こす可能性についての警告」にある一部の欺瞞と一部の真実 In Deep 2024年5月19日

それから約 1ヵ月後の先日、また同じレッドフィールド元 CDC 所長が、ニュース番組で同様のことを述べていたことを米ザ・ヒルが伝えていました。

その発言内容は、1ヵ月前よりさらに強いものとなっていまして、以下のように述べたと報じています。

ザ・ヒルより抜粋

「鳥インフルエンザの大流行は、それが起こるかどうかという問題ではなく、いつ起こるかという問題だ」とレッドフィールド氏は語った。

また、鳥インフルエンザは、COVID-19と比べて人間に感染した場合の「死亡率がかなり高い」とも指摘した。レッドフィールド氏は、死亡率は「おそらく 25~ 50%の間」と予測している。ニュースネーションは、COVID-19 の死亡率は 0.6%だったと指摘した。

thehill.com

このように、次の鳥インフルエンザによるパンデミックの致死率が最大で 50%などになると述べていました。

実際の話としては、「平時」であるならば、致死率は高ければ高いほど流行は急速に終息しますので、致死率の高さは本来なら安心材料なんですが、それについては、以下の 4年前の記事に「発症率が低くて致死率の低い病原菌のパンデミックがもっとも脅威である」ことについて書いています。

(記事)人類を破滅に導くパンデミックは、エボラやSARSのような凶悪な病原体ではなく「発症しづらく致死率の低い軽い風邪のような病原体」だと2年前にジョンス・ホプキンスの科学者が警告していた In Deep 2020年3月9日

 

ちなみに、ザ・ヒルの記事では、コロナの致死率は 0.6%と記されていまして、これは公式の数字なのかもしれないですが、パンデミック初期の「何から何まで死亡者の死因がコロナとされた」時なども含まれていますので、実際にはそれよりはるかに低いはずです。

今年の 1月時点での、これも公式な数字なのでしょうけれど、世界でのコロナによる死亡者は約 700万人とされていました。

その時点で「世界の超過死亡数は 3000万人近くとなっていた」という他の一件もあります。コロナの何倍も「コロナ以外での通常ではない数の死亡者が出ていた」ということです。

英エコノミスト紙に掲載された世界の超過死亡数とコロナ死亡数の累積

 


今では、超過死亡数がコロナ死の数十倍となっているのですけれど、これは今回の話とはあまり関係ないですので、以下の記事などをご参照いただければ幸いです。

(記事)世界の超過死亡数が世界全体で3,000万人に迫る。直近では超過死亡がコロナ死の20倍以上に。今後はどうなる? In Deep 2024年1月28日

 

さてしかし、この「超過死亡」の中に、たとえば、「何らかの感染症で亡くなった方はどのくらいいるのか?」ということを思います。

ここ 2、3年の超過死亡に関しては、心血管問題による突然死や、ガンなどに注目が集まることが多かったですが、「感染症のほうはどうだったのだろうか」と。

普通であれば、死亡に至るようなことのない、たとえば何らかの風邪やインフルエンザや他の呼吸器感染症での超過死亡はどのようになっているのだろうなとは思います。

そういう統計(呼吸器感染症においての超過死亡率)を、どの国の場合でも見たことがないですので(あるのかもしれないですが)、その数はわかりません。

しかし、「仮に」ですが、この 2年や 3年に、通常であれば死亡に至ることのないような風邪などのような呼吸器感染症で亡くなった超過死亡例が多いのだとすれば、

「鳥インフルエンザも呼吸器感染症」

ということを思うのです。

これは、鳥インフルエンザじゃなくても何でもいいんですが、今の社会の状況で、「やや感染力が強くて、やや致死率の高い感染症」が流行することへの懸念の理由は、やはり今は「ワクチン後の社会」だからです。

・免疫が弱っている人が多くいる可能性がある

・免疫寛容のような状態になっている人たちが多くいる可能性がある

ということです。

「免疫寛容」というのは、免疫システムが体内の異物(ウイルスなど)に対し、排除するのではなく受け入れることを言いますが(つまり、さまざまな病気に感染しやすくなる)、そのようになっている人が多い「かも」しれないということです。

もちろん、どのくらい人たちがそのようになっているかはわかりようがないのですが、その状態に鳥インフルエンザが来る懸念があります。

……と言いたいのですが、実は最も大きな懸念は、

「鳥インフルエンザワクチンが来る」

というほうでしょうか。

鳥インフルエンザワクチンはすでに存在しています(どんな株が流行の主流になるかわからない時点で完成して、生産体制が整っていたということです)。

最初に接種が始まるのはフィンランドで、すでに 4000万回分の購入の契約をしています。

(記事)フィンランドが「鳥インフルエンザワクチン接種」を公的に受ける最初の国に。4000万回分を購入する可能性  BDW 2024年6月8日

欧州委員会などは、「あらゆるインフルエンザ株に適応可能なパンデミックインフルエンザワクチン」(どんなだ)を、すでに 1億1100万回分確保しています(翻訳記事)。

免疫状態がきわめてよくない人類が主流となっているかもしれない現状で、どういう形であろうと、体内に入ってくるわけです。鳥インフルエンザといわれているものの抗体のようなものが。

 

思い出すのが、今から 100年以上前のインフルエンザの流行、いわゆるスペインかぜと呼ばれているものの時に起きたとされていることです。

スペインかぜが、あれほどの死をもたらした原因は何だったのかということについて、エレノア・マクビーンという女性の 1979年の著作に描かれています。

当時もまた人々は、「複数の強力な感染症のワクチン接種」を受けており、その中でインフルエンザのパンデミックが始まりました。

書かれてあることが本当に真実なのかどうかも、またわからない面もあるのですが、いずれにしましても、今の人類の状態は、人々の免疫の状態から見れば、このスペインかぜの時より「良くない」と思われます。

同じようなことが起きないことを願っています。

エレノア・マクビーンさんの 1979年の著作から抜粋して締めさせていただきます。

エレノア・マクビーン「Vaccination Condemned」より

educate-yourself.org 2004/02/07

私は 1918年のインフルエンザ流行の現場の観察者だった。

1918年のスペインかぜ流行の中で、当時生き残ったすべての医師と人々は、それが世界が経験した中で最も恐ろしい病気だったと言った。

その日には強くて元気だった男たちが、次の日には死んでいた。

この病気は、腸チフス、ジフテリア、肺炎、天然痘、そして第一次世界大戦直後に人々が予防接種を受けたすべての病気にペストの特徴が加わったものだった。

実質的に、全人口が 12種類以上の病気、または有毒な血清を「接種」された。医師が作り出したこれらの病気が一斉に発生し始めたときは、悲劇だった。

このパンデミックは 2年間も続き、症状を抑えようとした医師たちがさらに薬を投与したことにより長引いた。

私が調べた限りでは、インフルエンザは予防接種を受けた人だけに起こった。注射を拒否した人たちはインフルエンザを免れた。私の家族はすべての予防接種を拒否していたので、ずっと健康だった。

インフルエンザがピークに達したとき、すべての店、学校、企業が閉鎖された。

医師や看護師たちも予防接種を受けていてインフルエンザにかかっていたため、病院さえ閉鎖された。通りには誰もいなかった。まるでゴーストタウンのようだった。

予防接種を受けていなかった私たちの家族はインフルエンザにかからなかったため、両親は家から家へと回って病人たちの世話をするためにできる限りのことをした。この時には人々が普通に医者にかかることが不可能だったのだ。

細菌、バクテリア、ウイルス、またはバチルスが病気を引き起こす可能性があるとしたら、両親が 1日に何時間も病室で過ごしていたときに、それらが両親を襲う機会は十分にあった。

しかし、両親はインフルエンザにかからず、家に持ち帰ったウイルスが私たちや子供たちを襲ったり、病気を引き起こすことはなかった。私たち家族は誰もインフルエンザにかからなかった。深い雪が積もった冬のことだった。

1918 年のインフルエンザの大流行により、世界中で 2,000万人が死亡したと言われている。しかし、実際には、医師たちが致命的な治療法と薬を使って人々を死に追いやった。これは厳しい非難かもしれないが、薬を使わない医師たちの成功と、薬を使う医師たちの成功を比較すると、やはり真実と言わざるを得ない。

医師や医療機関がインフルエンザ患者の 33%を失っていた(患者の 33%が死亡した)一方で、バトルクリーク診療所などの非医療病院では、水治療、入浴、浣腸など、断食やその他の簡単な治療法、それに自然食品を慎重に考案した食事療法によって、ほぼ 100%の患者が治癒していた。

ある医療医師は、8年間患者を 1人も死なせなかった。

もし医師たちが薬を使わない医師たちと同じくらい進歩していたら、インフルエンザの医療治療による 2,000万人の死はなかっただろう。

ワクチン接種を受けた兵士の病気は、接種を受けていない民間人の 7倍に上った。

1912年に海外から帰国したある兵士は、陸軍病院は(小児)麻痺の患者でいっぱいで、なぜ大人が小児疾患に罹るのか不思議に思ったと私に話した。

現在、麻痺はワクチン中毒の一般的な後遺症であることがわかっている。米国の人々は、1918年に世界規模のワクチン接種キャンペーンが実施されるまで、麻痺に悩まされることはなかった。

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ここまでです。

この中に、バトルクリーク診療所というのが出てきますが、これは、いわゆる「ケロッグ博士」という方の診療所です。

ジョン・ハーヴェイ・ケロッグ(1852-1943)

このバトルクリーク診療所のスペインかぜに対しての対処法については、今から 13年ほど前の以下の記事に書いたことがあります。

(記事)1918年の「死のインフルエンザ」へのケロッグ博士の対処法

In Deep 2011年11月22日