神人さんを奥の間の上座に案内しましたが、その部屋の床の間には2,4mの迫力ある木彫りの毘沙門天像が出迎えてくださっています。皆さん、まず曲がり家の広さ、天井の高さに驚きです。囲炉裏、かまどのある茅葺屋根の昔ながらの曲がり家は、既存の古家を移築したのではなく新たに造ったものだそうです。
ビーガン料理の動物性の無い特別メニューで、美味しい料理に皆さん大満足です。デザートを頂き、心身満ち足りた後は「悟道の里山」の施設を案内して頂き、見学会です。
社長のMさんが丁度おられて、社長自らこの施設を作るにあたっての理念、プランニング、今後の構想を熱く語ってくださいました。
先ず先に、真仁(しんにん)寺に向かいました。このお寺は無宗派のお寺です。かつて浄土真宗のお寺でしたが、仏様を返上して無宗派にし、2011年311の東日本大震災で犠牲になられた方々の鎮魂と安らぎの場として整備されています。中には十二支の守り本尊、子安地蔵が祀られた供養院です。
鐘楼もあり、鐘突きに皆さん興じています。なかなか良い響きを発して神人さんも興味を示していました。
本堂を参拝し、皆さんの干支の守り本尊にお参りしていました。最後に神人さんが震災で亡くなった子供たちの御霊に向けて、鳴り物なしで、祝詞のような声を発して唄ライブをしてくださいました。
終わって次のようにお話になっていました。
「子供がありがたい、浮かばれたい。ここから上がっていける通り道になれそうです。ここは恐山みたいなものです。」
しかし、神人さんにはかなり霊的な影響があったようです。鳴り物が無いと浄霊、浄化は大変なようです。
次は茶室の「無心庵」の見学です。そこに向かう道から陶芸工房の「陸奥窯山」の建物、宿坊、武道場、更に敷地内にある田んぼ、畑、果樹園があるのです。そして、社長のお話だと、北東数キロ先の山の麓までの農家170軒と契約して、栽培したものを仙台など各所で販売する計画で進んでいるというではありませんか。スケールが違います。
そしてこの敷地は行政的に1つの町扱いで、消防、警察の施設が必要でそれもやがて出来ると言います。更に会社の独自技術のリサイクルの発電所を作り、これから電気の供給を賄うと言います。完全な独立した村で自給自足できるコミュニティーです。
「無心庵」は帝国ホテルの茶室と同じ間取りに作られているのです。宿泊が出来る様に部屋、台所などが揃った巨大な家屋です。凄い、驚きの施設です。
松林を抜けて曲がり屋の「眞野家」に戻りますが、手前にある東屋「瑠庵」は又驚きの庵です。巨木をそのままに柱に活かしての作りで、生前は作家の宇野千代さんの書斎でここで執筆されていたそうです。
宇野さんの直筆の書があります。
「唯心
唯心とは 心だけが存在のもとである とすること。
仏教で言ふと 一切は心の作用の結果である
とすること。」
貴重な見学会でした。M社長は縁あって数年前に荒れ放題のこの地を建物ごと購入し、数年かけて補修し、数々の手入れをして今に至っておられます。今後の「悟道の里山」の進展が楽しみです。
https://godounosatoyama.jp/festival/
https://godounosatoyama.jp/images/pages/festival/180817event.pdf