2018年11月25日日曜日

1499「希林」2018,11,25

 樹木希林さんが9月15日に75歳で亡くなられました。その人生がクローズアップされましたが、封切映画も上映されていています。「あん」、「モリの居る場所」、「万引き家族」、「日日是好日」です。「万引き家族」ではカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを獲得されています。「あん」では孫の伽羅さんと共演しています。古くはテレビドラマ「時間ですよ」、「寺内貫太郎一家」などがありますが、コマーシャルの「ピップエレキバン」、「フジカラー」が印象深いです。
 希林さんの特集の中で、希林流「10の言葉」に見る、強さの秘訣を紹介します。樹木希林さんの人生哲学、生き方の視点が見えます。味わって見てください。

・「欲や執着があると、それが弱みに成ってつけこみやすくなる。」
 私は女優の仕事にも、別に執着があるわけじゃないの。それよりもまず、人としてどう生きるかが大事。

・「自分にとって具体的に不本意なことをしてくれる存在を師として、先生として受け止める。」
 ありがとうというのは漢字で書くと「有難い」。難があると書きます。人がなぜ生まれたのかと言えば、いろんな難を受けながら成熟していくためなんじゃないでしょうか。受け止め方を変える事で素晴らしいものに見えて来るんじゃないでしょうか。

・「これで裏っかわにあるものを見ていくチャンスかな」
 2003年に左目失明を公表した年に「もともと形あるものしか見てなかったけど」と前置きをして。

・「老いてから分かれるのはもったいないわよ」
 元気なうちは分かり合えなかったけど、お互いに病気して、体力がなくなっちゃってから通じあうようになったんだろうね。

・「生きるというのは、いろんなところをくぐり抜けて、どう墓穴に入るかという道。」
 どうやったって結果はついてくるから、その時々で納得するやり方するしかないですよ。しっかり傷ついたりへこんだりすれば、自分の足しや巾になる。

・「病を悪、健康を善とするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ。」 

・「一人の人間として、ひっそりと逝きたいたいのよ。」
 迷惑をかけた人達に「すみませんでした」と告げて、パッと燃え尽きる事が出来たら最高だなぁと思います。

・「いつから死ぬ」じゃなくて「いつでも死ぬ」という感覚なんです。
 私、自分の身体は自分の物だと考えていました。とんでもない。この身体は借り物なんですね。でも、借りていたものをお返しするんだと考えると、すごく楽ですよ。

・「自分の最後だけ、きちんとシンプルに始末すること、それが最終目標かしら。」
 古くなった靴下やシャツも掃除道具として利用して、とにかく最後まで使い切ります。ものたちが「十分に役目を果たし終わった」と思えるように、始末する感覚で暮らしているのです。人間もそれと同じ。十分生きて自分を使い切ったと思えることが、人間冥利に尽きるってことなんじゃないでしょうか。

・「いまなら自信を持ってこう言えます。今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします。」