2018年6月3日日曜日

1324「祈り旅5」2018,6,3

 樺山遺跡の配石遺構の近く、大きな木の下で雨を避ける場所にブルーシートが敷かれています。この旅の先達のSさんのご縁の方々が先に来てくださり、色々用意をしてくださっていました。既に焚き火も焚かれています。




 ここでも先ずアイヌの祈りがSさんによって行われました。アイヌの信仰、祈りについて紹介します。

「アイヌ民族の信仰では、この世のあらゆるものに〈魂〉が宿っていると考えられました。なかでも、動物や植物など人間に自然の恵みを与えてくれるもの、火や水、生活用具など暮らしに欠かせないもの、天候など人間の力が及ばないものを〈カムイ〉として敬いました。
 アイヌ民族の信仰では、この世界は人間とカムイとがお互いに関わりあい影響を及ぼしあって成り立っているものだと考えられていました。このような考え方は、自然との関わりを深く持っていた昔の暮らしにとっては、生活に必要なものを手に入れたり使いこなしたりするための知識やしきたり、あるいは天災や病気への心構えなどを表すものでした。
「カムイ」というアイヌ語は、日本語では「神」や「仏」などと訳されることが多いようです。けれども「カムイ」という言葉は、日本語の「神」や「仏」などとは、ある程度意味の重なる部分もありますが、一致するものではありません。そこで、ここでは「カムイ」というアイヌ語を用いることにします。
 現代では、日本に住んでいる他の多くの人々と同じように、アイヌも一人ひとりがさまざまな信仰観を持って生活しています。
 一方で、今日のアイヌ文化の復興・継承の動きともあいまって、アイヌの精神文化についても関心が高まり、近年、各地でアイヌ独自の信仰や儀礼を学ぶ動きが見られたり、昔の儀式が復活したり、あるいは新たに創造されたりしています。
 ここでは、明治から昭和初期に生まれ育った人たちが伝統的なこととして意識してきたことを中心に説明します。
 アイヌの信仰には、キリスト教の聖書や仏教の法華経(ほけきょう・ほっけきょう)のような決まった教義や教典があるわけではありません。儀式の作法やカムイに対する意識などには、多くの地域で共通してみられる決まりごとや考え方がある一方で、地域ごとに、あるいは人によって異なる点もあります。
 また、どの民族の伝統文化についてもありえることですが、みだりに人に話したり聞いたりしてはならないことや、その人の年齢や性別、立場によってそれぞれに、ふるまいや関心の持ち方を慎むべきことがあったりします。」

「カムイに祈ること
 カムイへの頼みごとやお礼など、人間から伝えたいことがあるときにカムイに対する祈りを行ないます。
 これらの祈りは、ちょっとした頼みごとから集落全体の安全などを祈るものまで、さまざまな形で行なわれます。
 また、日常生活のいろいろな場面で行なうもの、舟を作ったり家を建てるときなど大切なことがらの際に行なうもの、あるいは豊漁の祈願やそのことに対する感謝のように行なう時期が一年の中である程度定まっているものがあります。」

「先祖供養の儀式
 先祖の暮らす「死後の世界」へ供物を届けてもらえるよう火のカムイに頼みます。お菓子や果物は砕いたり割ったりして供え、タバコもちぎって撒きます。このとき、自分の名前や先祖の一人ひとりの名前をはっきり口に出さないと、供物はきちんと届かないともいわれています。」
http://www.akarenga-h.jp/hokkaido/ainu/a-03/