野口法蔵師の考案したこの座禅断食は健康法として、腸内の宿便を出し、腸内環境、腸内細菌の生態系にアプローチするのですが、その結果、体質改善に繋がり多くの効果があります。この断食方法は今更ながら21世紀病と言われる諸々の病を防止し健康改善に効果があると実感しています。その微生物生態系の考えと参加者の感想などを中心にお伝えします。
先ず最近読んだ著書「あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた」(河出書房新社)は分かりやすい内容で、日ごろ私が思っている考えを裏付けてくれるものでした。そのポイントを紹介します。
本の帯に以下の様に記されています。
「肥満も、アレルギーも、うつ病も微生物の問題だった。
あなたの腸内には、知られざる豊かな微生物の生態系が広がっていて、あなたの健康を維持している。今、その生態系が破壊され、さまざまな問題が引き起こされている。あなたは自分の生態系を破壊しているのではないだろうか?最新の科学的知見をもとに、微生物生態系のしくみと健康の関係を解き明かしつつ、大切な微生物たちを守り、育む方策を示す。」
◆要点は
1、私たちの体を構成しているもののうち、ヒトの細胞は10%しかない。残りの90%は細菌であり、人体から微生物がいなくなったら私たちの生活は成り立たない。
2、肥満やアレルギー、心の病気などは「二一世紀病」と呼ばれるが、これらの原因を探っていくと、人体の中の微生物の存在がクローズアップされてくる。
3、有益な微生物を増やすことは健康への第一歩だ。食生活の改善や出産方式、授乳方法などを見直すことにより、私たちは微生物を「選択」することができる。
◆二一世紀の病気
・人体は微生物生態系に満ちている
ヒトゲノムの解読によりヒトの遺伝子への理解は進んできたが、それは私たちの体を構成する細胞の数でいうとほんの10%ほどの部分でしかない。残りの90%はマイクロバイオータと呼ばれる100兆個の共生微生物から成るが、その研究はまだ途中段階だ。
人体のうち外界と接しているのは皮膚だけではない。消化管など私たちが体内だと思っている場所も「外側」であり、微生物の棲息地となっている。中でもその多くを抱えているのは腸であり、腸の中には常に肝臓と同じ重量に相当する1.5キロの細菌がいるという。
腸内細菌は人が食べるものを食べているため、腸内細菌の組成比は人によって異なる。腸から出てくる糞便の中身は食物の残骸というよりほとんどが細菌で、そこから見つかる細菌はその人の健康状態や食生活をよく表している。健康な人とそうでない人のマイクロバイオータを比較することで、様々なことが分かってきた。
・四つのイノベーション
人類はこれまで、天然痘やコレラやペスト、麻疹や風疹など様々な病気と闘ってきた。そして十九世紀から二十世紀にかけ、医療や公衆衛生について四つのイノベーションが起きた。それは予防接種、医療現場の衛生習慣、水質浄化と、抗生物質だ。これらの誕生により、人類は感染症の脅威から遠ざかることができた。
そのかわり、花粉症や肥満、うつ病などそれまでなかったような病気が過去六十年間に次々と出てきている。これらは「二一世紀病」と呼ばれており、あまりにあちこちで見られているために私たちはそれが普通だと思ってしまっているが、実は普通ではないのである。
・二一世紀病を疫学的に問うてみる
二一世紀病に共通するものは何かと考えたとき、まず浮かび上がるのは免疫系だ。アレルギーも自己免疫疾患も免疫系の過剰反応である。そして次に浮かぶのは消化器障害だ。自閉症の患者は慢性的な下痢に悩まされているし、うつ病と過敏性腸症候群は連動して起こる。肥満も腸内を通過する食べ物が起源だ。
また、かつて感染症は人と人との接触を通じて広まったが、肥満や自閉症、アレルギーや自己免疫疾患はみな欧米で流行している病気だ。これらの国は地理的に接触しているだけでなく「豊か」だという共通点もある。最近では新興国や途上国でも近代化に伴って拡がっている。また、時期的にはどれも一九四〇年代にはじまったと言われている。二十世紀の半ばに何かが変わったのは間違いない。現代の欧米式の豊かな暮らしはなぜ、私たちを二一世紀病へといざなうのだろうか。」
ここでは「あらゆる病気は腸からはじまる」という視点で語られています。